「自動精算機の導入と問診票のデジタル化で生産性向上」後編

電子カルテが導入されても問診票は紙のまま

現在、診療所で電子カルテの普及が確実に進んでいます。わたしが電子カルテの普及に関与したのは2002年で、それから約16年が経って普及が確実に進んだという実感が持てるようになりました。電子カルテの普及により、診療所の業務効率化やペーパーレスが進んでいますが、なぜか相変わらず紙は残っているのです。その筆頭が、患者さんが記入する「問診票」です。

診療所では、患者さんが記載した紙の問診票を、電子カルテに受付が一生懸命打ち込んでいるシーンをよく見かけます。字が読めなかったり、記入漏れがあったり、大切な部分が空欄だったりすると、再度確認が必要になることも多く、しかも人間ですから入力ミスもあり得るでしょう。この業務を手間と感じているスタッフも多くいるのではないでしょうか。

そもそも問診票は何のため?

そもそも問診票はなんのためにあるのでしょうか。問診票は患者がスムーズに診療が受けられれように、受診目的や主訴などを自己申告する用紙です。また、患者の受診に至る背景として、既往歴や薬歴、家族歴、他院の受診歴、妊娠の有無などを確認します。問診票は、いってみれば患者さんと医療機関をつなぐ「お得意様シート」と言えます。

問診票は、紙カルテのころはカルテに直接貼って管理していたため、特段管理上の問題はありませんでした。しかし、電子カルテになると、紙の問診票の内容を電子カルテに転記するという作業が新たに生まれたのです。

問診票をデジタル化するメリット

そこて問診票もデジタルで運用した方が効率的と考えるのは当然のニーズです。近年、インターネットの普及が進み、またスマートフォンや、タブレットの普及が進むことで、患者さんが入力端末を持ち歩くようになりました。そこに目を付けたシステム会社が、「タブレット問診票」や「web問診票」という、新たなシステムを生みだしています。

問診票をデジタル化するメリットは、

① 受付スタッフが問診内容を電子カルテに転記する作業がなくなる。
② 問診票は自由記載式から選択式に変わり、抜け漏れがなくなる。
③ 来院前に問診票を入力しておくことで、患者の対応がスピードアップする。
④ A4サイズ1枚に収めなければならないという制約がなくなり、より詳細な内容を記載することが可能になる
⑤ 問診票の内容から受診する診療科や疾患名を類推できるようになる。

このように、問診票のデジタル化は業務効率化の観点から、患者と医療機関のコネクトポイントとして、診療科のミスマッチの防止として、様々なシーンが活用できます。生産性向上を目指して、今後普及して欲しいシステムのひとつです。

図 自動精算機の導入と問診のデジタル化

大西 大輔

MICTコンサルティング株式会社 代表取締役

2001年03月 一橋大学大学院MBAコース修了
2001年06月 医業経営コンサルティングファーム「日本経営グループ」入社
2002年10月 医療IT機器の常設総合展示場「MEDiPlaza」設立 (企画運営、スタッフ指導、拠点管理などを担当)
2007年01月 東京、大阪、福岡の3拠点を管理する統括マネージャーに就任
2013年10月 医師の右腕を育成する「電子カルテクラーク導入プログラム」を共同開発
2016年10月 (創立)コンサルタントとして独立し、「MICTコンサルティング」を設立
2018年01月  (法人化)MICTコンサルティング株式会社
過去3000件を超える医療機関へのシステム導入の実績から、医師会、保険医協会などの医療系の公的団体を中心に講演活動および執筆活動を行う。また、診療所・病院のコンサルティングや、看護師、リハビリスタッフ、事務員に対して、診療報酬点数、診療録の記載などの指導を行っている。