大阪市の10年間累計約20万人分のビッグデータを解析 要介護認定を受けた高齢者の特徴が明らかに

概要

大阪市立大学「福祉局ビッグデータ解析プロジェクトチーム」は、大阪市福祉局から依頼を受け、市から提供された介護保険データビッグデータを分析し、その結果を取りまとめた。

 この研究は、大阪市立大学が2017年2月に大阪市と締結した「健康寿命の延伸に関する包括連携協定」に基づく事業の第一号として実施したもので、大阪市では、最先端ICT都市の実現に向け「大阪市ICT戦略」を策定し、そのなかで「積極的なデータ活用の促進」として、データ分析に基づく効果的な施策の実施に向けた取り組み(ビッグデータ活用)を進めている。

研究の目的と背景

このプロジェクトは、大阪市が保有するビッグデータを有効に活用し、データ分析に裏付けられた効果的な施策を実施することで、大阪市による市民サービスの向上と効果的な行政運営を行うことを最終的な目的としている。
今回の研究では、2007年度から2016年度までの大阪市要介護認定情報に関するデータを活用し、対象期間に新規要介護認定を受けた高齢者の認定時における特徴を独居/非独居、年齢・性別、介護保険料段階、介護サービス利用の状況、認知機能、生活機能、施設入所の有無など多岐にわたるデータ項目を解析した。特に、高齢者の独居が認知機能・生活機能の低下や死亡のリスクにどの程度影響するか分析した。

 大阪市の高齢者の特徴として、高齢者世帯のうち単身世帯が42.4%(全国平均27.3%)と半数近く占めており、認知機能が低下した高齢者の増加率が高齢者人口の増加率より高い傾向にある。

研究の結果

 今回の分析結果より、大阪市の高齢者が新規に要介護認定を受けた時点では、男性の独居高齢者は女性の独居高齢者に比べて、年齢が若い特徴がみられた。また、独居高齢者であることは認知機能や生活機能の維持と関連しており、認知機能・生活機能を維持しているため独居を継続している可能性や独居者は機能低下の前に生活上のニーズから要介護認定を受けている可能性が考えられる。独居高齢者と非独居高齢者の生存率には男女とも違いはみられなかった。
 なお今回の分析では独居を大阪市の賦課情報により世帯人員を定義したが、独居高齢者の生活背景は多様であり、より具体的な対策を講じるためには家族構成や他者との交流状況を踏まえた解析が必要と考えられる。

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