医療法人社団やまと(所在地:宮城県、以下「やまと」)が宮城県大崎市で運営する「やまと在宅診療所 大崎」では、新型コロナワクチン接種に「オンライン予診」を6月から開始した。
集団接種会場に行けない在宅患者へのワクチン接種の遅れが課題となっているが、背景には、「1バイアル6人分を希釈6時間内に接種しなくてはならない」、「接種後は15分以上の経過観察が必要」という制限があるなか、1軒ずつ患者宅を訪問し接種を行い、それを通常診療と並行して実施しなくてはならない、という在宅ならではの難しさがある。
また、ワクチン接種時に必要な予診は医師のみに限定されている。打ち手は、医師、看護師のほか、歯科医師、臨床検査技師、救急救命士も認められたが、そもそも医師、看護師以外の医療職が在籍する在宅診療所は少ないのが実情である。
やまと在宅診療所 大崎では、これらの課題を受けて、対面での予診に加えて、「オンライン予診」にも対応。「オンライン予診」の導入により、通常の診療に影響することなく、在宅患者のワクチン接種をスピーディに行うことができるようになった。
「オンライン予診」の導入で在宅患者のワクチン接種を推進する
やまと在宅診療所 大崎は、大崎市や遠田郡を中心に、認知症やがん、脳卒中、神経難病など、さまざまな疾病を抱える患者に対して、医師・看護師・診療アシスタントの3名がチームで自宅に訪問し、病だけでなく「患者さんとご家族の暮らしそのもの」に向き合う医療を実践している。
当院では、今回、集団接種会場に集えない在宅患者へのワクチン接種を推進するため、それまで行っていた対面での予診に加え、オンライン会議システムを利用した予診を開始した。
オンライン予診のメリットは、ワクチン接種の予診や経過観察のために要する医師の移動時間を通常の診療や移動時間に充てられること。
通常の診療とワクチン接種を同日に行う場合は、医師も現場に同行し、対面での予診を行うが、患者の状態に合わせた診療のタイミングとワクチン接種のタイミングが合わなかったり、ワクチン接種を予定していた日に患者の体調が悪く後日実施しなければならなくなった場合などは、ワクチン接種のためだけに訪問が必要となるため、すべて対面で予診を行うとなると、通常診療を行うための体制に影響が出てしまう。
オンライン予診を行う際、患者の自宅や入居先施設には、看護師と診療アシスタントが訪問する。予診票のチェックや接種券の処理など、予診を行う準備が整い次第、オンライン会議システムで医師に繋ぐ。医師が予診を終えた後、現場の看護師がワクチンを接種。介護施設等で患者が複数居る場合は、事務作業と体温測定を施設職員に手伝ってもらい、接種対象者全員の予診を終えた後で接種を開始する。接種後は、所定の時間、経過観察をする。即時型アレルギー反応やアナフィラキシーショックの対策として、エピペンとライン確保などの準備を事前に行っている。
本件に関するお問い合わせ先
医療法人社団やまと
所在地: 宮城県登米市迫町佐沼字南元丁72
電話番号: 0220-23-9832
URL: https://project.yamatoclinic.org/