医院開業のダンドリ―第1回―ざっくり開業までのロードマップ・流れ

医院開業のダンドリ―第1回―ざっくり開業までのロードマップ

「医院開業のダンドリ」では、病院勤務の先生がクリニック開業までの流れを検討する際に考慮すべきことを解説していきます。

医院開業の準備を通じて将来ビジョンを描く

人生に一度の医院開業。新規クリニックを開業することは決して人生の目的ではありません。開業後にどのような医療を提供し続けたいのかといった、真の目的を見つけ出すことが実はとても重要です。開業準備に取り組むなかで、なぜ自分が開業医になるのか、どのような開業医人生を送りたいのかを深く見つめ直すきっかけにもなるでしょう。ぜひ、開業準備を通じて、将来ビジョンを固めていってください。この記事がその一助となればうれしいです。

開業までのロードマップ

本記事では、開業の全体像をざっくりと把握してもらうために、開業までのロードマップとタスクをお伝えします。

開業までのロードマップ
医院開業の情報収集

開業したいなと思ったら、先輩開業医に相談しよう。開業タイミングやエリア、診療科目によって事情が異なるため、教えてもらったことがすべて自分に当てはまるわけではありませんが、実際に開業してみないとわからないことがあるので、先人の経験や知恵を得ることは重要です。また、開業本は世の中に50冊もない分野です。転ばぬ先の杖として、広めに選んで一読しておきましょう。

医院開業の意思決定

開業を決断したら、いよいよ準備に入ります。

家族・関係者の同意

まず、身内を味方につけましょう。家族や近しい関係者の理解や同意が得られなければ過大なストレスが経営の足かせとなります。勤務先の上司にはタイミングを見て伝え、規則や慣習に則って理解を求めていきましょう。応援してもらえる良好な関係を保つことは開業後の人生にきっと役に立ちます。

ビジョンの具体化

自分のクリニックですから自由にして良いのですが、独りよがりでは患者に選ばれる存在にはなりません。どのような医療ニーズに応えるのか、どのような医療を提供したいのか、患者にどのような診療体験を与えたいのかなど、具体的なビジョンやコンセプトを固めます。これが明確であればあるほど開業準備が捗ります。

開業タスクの推進

以下に示す開業タスクをクリアしていきます。人によりますが、計画に半年、実準備に半年、全体で1年はかかると考えるのが一般的です。

開業医のスタート

いよいよ開業医としての新しい人生がスタートします。掲げたビジョンの実現に向けて前向きに楽しみながら医院経営をしていきたいですね。

医院開業に必要なタスク一覧

開業準備で意思決定する項目は少なくありませんが、下記のように限られていますので安心してください。

何事も、プランを立ててから実行の流れです。開業に必要な下記の項目の情報を集め、計画・設計し、一つひとつ意思決定していきます。意思決定をスムーズにするためには、正確な情報を集めることが大切です。また、どのような情報を集めれば正しい判断ができるのか、誰から情報を得ることができるのかなど、詳細はこの後の記事で解説していきます。ここでは、ざっくりと全体像を把握して頂ければと思います。

<開業タスク>
1.計画
2.物件選び
3.資金調達
4.内装設計(患者動線・スタッフ動線設計)
5.内装工事(戸建ての場合は外装も)
6.行政手続き(開業申請など)
7.医療機器の選定(サイズや仕様)
8.業務フロー設計
9.ITシステムの選定
10.チームづくりとチーム規範設計
11.インフラ整備(水道光熱、ネット・電話・FAX回線)
12.マーケティング計画
13.関係者へのあいさつ回り(地域医師会や商店会など)
14.内覧会(地域にプレデビュー)
15.開業

医院開業に必要なタスク一覧

一人でやるのは限界がある、どうすればいい?

ただ、これらを病院に勤務しながら1~3年かけて準備を進めることになりますので負荷がかかることは間違いありません。一人で準備することもできますが、開業準備を支援してくれる開業専門コンサルタント、医薬卸やリース会社、調剤薬局に所属する開業支援チームに頼るのが良いでしょう。中には知識や経験、実績が少ないコンサルタントもいます。

また、先輩に紹介してもらうのは安心感があるものの、最後はやはり自分が信頼できるかどうかを重視して決めることをお勧めします。他人に完璧を求めることはそもそも難しいです。「この人が言うなら」と納得して進められることを優先すると、ストレスがぐっと少なくなり、イライラせずに準備ができるでしょう。

次回からは開業準備のタスクを一つずつ、詳しく解説していきます。