新規個別指導とは|クリニック開業の基礎知識

クリニック開業伴う新規個別指導とは

厚生局の個別指導とは?

個別指導は、健康保険法第73条、国民健康法第41条において、保険医療機関や保険医の義務として定められています。

医療機関には、「新規個別指導」「集団的個別指導」「個別指導」「監査」など、さまざまな指導や監査があります。
ここでは新規開業医に最初に訪れる「新規個別指導」についてご説明します。

新規開業のクリニックに実施される新規個別指導の概要と対応

目的と対象

  • 保険医療機関としての適正な診療が行われているかを確認するために実施。
  • 新規に指定されたすべての保険医療機関が対象。
  • 指定後、概ね半年から1年以内に実施。

通知と事前準備

  • 1か月前に通知が届き、日時や必要な資料が示される。
  • 診療所は10名分(病院は20名分)の患者資料が対象。
  • 1週間前に具体的な患者資料の詳細が通知される。

指導の流れ

  • 所要時間はおおよそ1~2時間
  • 開設者および管理者(院長)が必ず出席。
  • 指導員による質疑応答の後、指摘や修正の指示が行われる場合がある。

主な指摘事項

  • カルテとレセプトの不一致
    • 傷病名や診療内容がレセプトと一致していない。
    • 記録されていない診療内容の請求。
  • 診療録の記載不備
    • 必要事項(傷病名、治療計画、経過など)の欠落。
    • 無診察診療を疑われる記録不足。
  • 検査・治療内容の問題
    • 必要性が乏しい検査や治療の実施。
    • 投薬や治療の必要性が診療録に記載されていない。
  • 電子カルテやシステムの管理不足
    • パスワード管理が不十分。
    • ログの管理やセキュリティ対策の不備。

対応と注意点

  • 指摘があれば、該当箇所を速やかに修正し、必要に応じて自主点検や返還を行う。
  • 後から記録を修正する行為は厳禁(不正請求の疑いを招くため)。
  • 指導を拒否したり不適切な対応をした場合、監査や追加指導に発展する可能性がある。
ゴーリー
ゴーリー

新規個別指導は、クリニック開業に伴い実施されます。「必ず来る」ものと考えて、日頃から診療録やレセプトを適切に記載・管理しましょう!

参考:
クリニックレセプト個別指導対策の原則(DOCWEBコンテンツ『院長が悩んだら聴くラジオ』より)
公益社団法人 東京都医師会 公式HP
厚生労働省 公式HP(保険診療における指導・監査)