「悠翔会」が民間医療機関として、沖縄県・石垣島に2つ目となる離島診療所を開設

首都圏で最大規模の在宅医療を提供する医療法人社団悠翔会(本部:東京都港区、理事長:佐々木 淳)は、6月1日、沖縄県・石垣島に、法人として2つ目となる離島診療所「とぅもーる診療所」を開設した。

地域の課題解決のため、医療過疎地でのクリニック開設を決断

悠翔会は昨年7月、鹿児島県・与論島で、初めての離島診療所となるパナウル診療所(前院長・古川 誠二氏)を承継開業している。1991年に古川医師が開設した同診療所は、島で在宅医療を行う唯一の在宅療養支援診療所でもあったが、2021年、古川医師が高齢になったこと等により閉院となった。診療所がなくなったことで在宅医療の提供は途絶え、住民が最期まで住み慣れた自宅で暮らし続けることは困難になった。
診療所再開を求める島民の声が徐々に大きくなる中、古川医師から悠翔会へ、診療所再開に向けての相談があった。

悠翔会はこれまで、大都市部の在宅医療に最適化した診療を行ってきた。しかし、悠翔会が培ってきた「チーム在宅医療」の力は、むしろ医師が不足している地域でこそ発揮できるのではないか。ある程度、安定した財務基盤を持っているからこそ、人口の少ない地域で、医療機関運営の持続可能性を高めるための試行錯誤ができるのではないか。何より「ゼロを1にする」というインパクトは、すでに複数の選択肢の存在する地域にn+1番目のクリニックを作るよりもずっと大きいのではないか。そのような考えのもと、パナウル診療所の承継開業に至った。

これにより、「かかわったすべての人を幸せに」という基本理念はそのままに、悠翔会は運営方針を大きく変化させることとなった。今後は、大都市部の在宅医療ニーズのみならず、医療過疎地における在宅医療のニーズにも積極的に応えていく。

ICTの利用やタスクシフト・タスクシェアで、「新しい在宅医療」を創出

今回、とぅもーる診療所を開設する石垣島も、医療資源の十分でない地域である。介護力の不足や、最後は病院で面倒をみてもらえばいいという考え方があるなかで、自宅で最期を迎えることが難しいのが現状である。この地域で、24時間体制の在宅医療・訪問看護の提供を通じて、在宅療養支援体制づくりにかかわると共に、この場所で既存の制度にとらわれない「新しい在宅医療」の創出に取り組んでいく。

限られた島内の医療専門職を、首都圏や他の離島の医師たちとオンラインで常時つながるようにする。また、大規模法人としての強みを生かし、職種や距離を超えたタスクシフト・タスクシェアを進める。パナウル診療所の運営からは、都心部の看護師が期間限定で勤務することで、人材の循環が生まれ、法人内によい影響をもたらすことも学んでいる。病院と連携しながら、よりアクセシビリティがよく持続可能性の高い在宅医療を提供できるよう、検証・実装する方針である。

【とぅもーる診療所 概要】
〒907-0022 沖縄県石垣市大川728-12
TEL:0980-87-7830
FAX:0980-87-7835
訪問エリア:石垣島(八重山諸島)
診療開始:2023年6月1日
院長:岡本 淳一
URL: http://www.yushoukai.jp/clinic/ishigaki/

本件に関するお問い合わせ先

医療法人社団悠翔会
所在地: 東京都港区新橋5-14-10 新橋スクエアビル7F
URL:  http://www.yushoukai.jp/