次なるテーマは患者とクリニックの関係性強化へ_Podcast『院長が悩んだら聴くラジオ』シーズン1_エピソード40全文書き起こし

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DOCWEB『院長が悩んだら聴くラジオ』この番組は開業医の皆さんが毎日機嫌よく過ごすための秘訣を語っていく番組です。 通勤時間や昼休みにゆるっとお聞きいただけると嬉しいです。

(高山)おはようございます。パーソナリティのDOC WEB編集長、高山豊明です。

(大西)おはようございます。パーソナリティのMICTコンサルティング、大西大輔です。

(高山) 院長が悩んだら聞くラジオ第40回始まりました。大西さんよろしくお願いします。

(大西)よろしくお願いします。今日のテーマは何でしょうか?

今日のテーマ:40回の節目に「振り返り」

(高山)今日のテーマは「振り返り」です。

前回までで39回、今回で40回を迎えるということで、今までの内容を振り返りつつ、これからどんな話をしていくか、少し雑談っぽくお話できればと思っています。

(大西)高山さんにお声がけいただいて、このラジオが始まったんですよね。 気がつけばもう40回。本当にあっという間でした。

改めて、継続ってすごい力だなと感じます。

ちょっとびっくりしています。継続は力だなあと思いながら。

(高山)そうですね。今日はそんなラジオを振り返ってみましょう。

(大西)よろしくお願いします。

番組開始のきっかけ

(高山)今回は振り返り回ということで、今までの放送を振り返っていきたいと思っています。

まず、そもそもどんな思いでこの番組を始めたのかというところから話していきたいのですが、よろしいでしょうか?

(大西)どうぞ。

では、逆に僕が質問することになりますが、高山さんはどんな思いで僕に声をかけてくださったんでしょう?

(高山)私は開業医の先生向けの医療情報サイト「DOCWEB」の編集長をしています。

サイトで発信しきれないことを伝える手段として、ラジオという媒体を選びました。

先生方は忙しい毎日の中で、隙間時間を活用して聴いていただけるのではと考えたんです。

通勤時間や昼休みなどに、何か作業をしながらでも耳だけ貸してもらえればと思っています。

院長先生は孤独になりがちで、誰かに相談する時間も少ないでしょう。高給なコンサルタントを常に身近に置くのも難しい。

だからこそ、このラジオで私が大西さんの話を引き出すことで、先生方にとって有益な情報源になればと考えました。

クリニックのIT化、患者さんとの接し方、経営戦略など、総合的な視点でお話ができる大西さんの知見は、先生方の力になるはずです。

そして、院長先生は孤独で、日々イライラすることも多いのではないでしょうか。

何にイライラするかは人それぞれですが、プレイングマネージャーの大変さは想像に難くありません。

細かいことから大きなことまで、あらゆる業務をこなさなければならない中で、いかに毎日を機嫌よく過ごせるか。

スタッフとの関係性が、イライラの大きな原因になっていると考え、番組の前半では、スタッフと良い関係を築く方法にフォーカスしてお話をしてきました。

(大西)経営において「人、物、金、情報」が重要だと言われていますが、悩みの7~8割は「人」に関することではないでしょうか。

お金や物は比較的解決しやすいのに対し、人間関係の悩みは相談しづらい部分もあります。

「情報」に関しては、今はインターネットで検索すればいくらでも情報を得られますが、やはり「人」の悩みはそう簡単にはいきません。そこで、このラジオで取り上げることにしたんです。

(高山)クリニックの先生同士の情報交換は、あまり活発ではないですよね。

地域の医師会の集まりなどもありますが、業務や診療に関する話題が中心で、スタッフに関する悩みを共有する機会は少ないでしょう。

(大西)そうですね。自分のスタッフすらマネジメントできていないと思われたくない、という気持ちもあるかもしれません。

それに、以前は簡単に採用できた人材が、ここ数年、特にコロナ以降は採用難で頭を悩ませている先生も多いのではないでしょうか。

採用難時代のクリニック経営

(大西)以前は採用しやすかった人材が、ここ数年で採用が難しくなりましたね。コロナ以降、特にその傾向が強まっているように感じます。

(高山)飲食店などでは、タイミーのようなスポットバイトアプリを活用して人手不足を解消する動きがありますが、クリニックでもそのような時代が来るのでしょうか。

(大西)どこをコストカットして、どこに投資するかは、常に考え続けなければならない問題ですね。

例えば受付業務をスポットで依頼する場合、受付はクリニックの顔となる重要なポジションなので、質が担保できるか懸念されます。

患者さんとの最初の接点となる受付で、良くない印象を与えてしまうと、口コミで悪い評判が広まってしまう可能性があります。

(高山)クリニックの受付には、患者さんを安心させ、信頼関係を築けるホスピタリティが求められます。

スポットで対応するスタッフに、そこまで期待するのは難しいかもしれません。患者さんの期待値も高く、求められるレベルも高いので、飲食店のアルバイトとは少し事情が違います。

(大西)髪の色、爪の色、化粧、言葉遣いなど、細かい部分まで気を配る必要があります。

クリニックの受付は、無資格でありながら高いレベルの接遇を求められる、特殊な職種と言えます。

患者さんは、何かしらの不調を抱えて来院されるので、受付の対応一つで安心感を得たり、逆に不安になったりします。

労わる気持ち、寄り添う気持ちが大切で、単なる接遇研修ではカバーしきれない部分もあるでしょう。

ホテルマンのように、最高の空間を演出するだけでなく、患者さんの苦しみを少しでも和らげたいという思いやりが重要です。

しかし、そのような高い意識で仕事をしてほしいにもかかわらず、給料が安いという現状があります。

このギャップも悩みの種ですね。

(大西)専門学校で教えていると、お金を稼ぎたいならこの職種は向いていないかもしれない、と生徒に話すこともあります。

一方で、人から感謝され、尊敬されたいという思いが強い人には、やりがいのある仕事だと思います。

(高山)院長先生にとっても、受付スタッフの人件費は悩ましい問題です。

経営状況を考えると、思うように給料を上げてあげられないジレンマもあるでしょう。

患者満足度と採算性の両立

(大西)限られた経営資源の中で、どうすれば患者さんに選ばれるクリニックになれるのか、常に考え続けなければなりません。

全国には10万件ものクリニックがあり、生き残るためには、他院との差別化が必要です。一生懸命努力しているのに、なかなかうまくいかないというジレンマを抱えている先生も多いのではないでしょうか。

患者さんの期待に応えたい、質の高い医療を提供したいという思いと、採算性を両立させることの難しさがあります。

(高山)患者さんのニーズに応えようとすると、どうしてもコストがかさみ、経営を圧迫してしまう。このジレンマに苦しんでいる経営者も多いでしょう。

(大西)患者さんは、一刻も早く病気を治したいと思っていますが、現代医療では、必ずしもすぐに原因が特定できるとは限りません。

対症療法で様子を見ることもあれば、専門医への紹介状を書くこともあります。

患者さんにとっては、対症療法では物足りなさを感じ、紹介状を書かれると突き放されたように感じてしまうかもしれません。

(高山)医療の現場では、様々なジレンマに直面します。

これまでの放送では、院長先生がクリニックを運営していく中で、いかに機嫌よく過ごせるか、スタッフとの関係性をどう強化していくか、といった点に焦点を当ててきました。

次回以降は、患者さんから選ばれる人気のクリニックを作るにはどうすれば良いか、患者とクリニックの関係性をどう強化していくか、といったテーマでお話ができればと思っています。

患者中心のクリニック作り

(大西)患者と先生、患者とスタッフ、良好な関係性を築けているクリニックは、うまくいっているように感じます。

患者中心の考え方、ホスピタリティを重視した戦略や戦術が重要になるでしょう。

(高山)そうですね。

(大西)昔は「患者様」という言葉が使われていましたが、今は「患者さん」です。

チーム医療という概念にも、患者さんが含まれるようになりました。患者さん自身の「治したい」という気持ちがなければ、治療はうまくいきません。

医療は一方通行ではなく、双方向のコミュニケーションが重要視される時代になったのです。

患者の医療参加という考え方が広まり、医療現場は双方向のコミュニケーションへと変化しました。

(高山)私はそれに気づいていませんでした。いつ頃からそのような変化があったのでしょうか。

2010年頃、厚生労働省が「人生会議」を提唱し始めた頃からでしょうか。

ポスターやCMで小籔千豊さんが出演されていたので、覚えている方もいるかもしれません。

(大西)医師、家族、医療スタッフ、患者、みんなで話し合って治療方針を決めるという、チーム医療の考え方が広まりました。

ちょうどその頃、インターネットの普及により、患者さんも自由に口コミを書いたり、医療情報を検索したりできるようになりました。患者様から患者さんへ、呼び名が変わったのもこの頃ですね。

(高山)インフォームド・コンセントはもう少し前からありましたね。

患者さんが医療情報に詳しくなり、医師との情報格差が問題視されるようになったのは、2001~2002年頃からでしょうか。

(大西)コミュニケーションの仕方も変わり、一方通行から双方向へ。より複雑で難しい時代になったと思います。

(高山)Google検索で簡単に医療情報が得られるようになったことで、患者さんの方が自分の病気について詳しいというケースも増えました。

医師の説明に納得できず、やりづらそうにしている患者さんもいるのではないでしょうか。

(大西)患者さんが既に知っている情報を前提に話さなければいけないので、医師の伝え方も変わってくるでしょう。

「当然、ご存知ですよね?」というスタンスで説明を始め、知らなければ詳しく説明し、知っていれば飛ばす、といった柔軟な対応が必要になります。

タイパ(タイムパフォーマンス)という言葉が流行っているように、限られた時間で効率的に伝えることも重要です。

(高山)難しいですね。

患者さんはわがままですからね。私たち自身も、患者という立場になればわがままになるはずです。

次回以降の展開:患者さんとクリニックの関係性

(大西)常に患者さんを優先しつつ、スタッフや自分自身も大切にしながら、どうすれば患者さんから選ばれるクリニックを作れるのか。これが、これからの大きなテーマですね。

(高山)そうですね。これからのクリニック作りにおいて、非常に重要なテーマです。

ただクリニックを作って、患者さんが来て、ぼちぼち経営しているというだけでは、いずれ淘汰されてしまうでしょう。

その地域で患者さんにどんな価値を提供できるのか、明確なビジョンを持つことが重要です。

人気云々ではなく、存在意義を示せなければ、見向きもされなくなってしまうかもしれません。

(大西)「なぜうちは流行っていないのか」「なぜ隣のクリニックは流行っているのか」を考えたとき、患者さんをチームの一員としてどう巻き込むか、という視点が欠けているのかもしれません。

患者さんをどうチームに招き入れるか、そのための意識改革が重要です。

(高山)とても深いテーマですね。

(大西)一つずつ分解して考えていく必要があるでしょう。患者さんのペルソナ、顕在的・潜在的なニーズ、ニーズを引き出す方法、そして、患者さんとの関係性。すべてが繋がっています。

顧客ではなく、仲間であり、共に病気を治していくチームの一員であるという意識改革が必要です。他業種とは異なるアプローチが必要になるでしょう。

(高山)患者さんへの啓蒙活動も必要ですね。

(大西)患者さんが勉強する以上に、私たち医療従事者も学び続けなければなりません。

(高山)次回以降は、患者さんとクリニックの関係性を強化する方法、変化する医療環境の中で将来を見据えた戦略、収益アップとスタッフ確保の両立などについて、具体的に大西さんに伺いながら話を進めていきたいと思います。

(大西)はい。次回の放送では、スタッフ、患者、そして先生、特に患者さんとの関係性について話していきたいと思っていますので、ぜひ聴いていただけたら嬉しいです。

(高山)はい。今回は振り返り回として、これまでの放送を振り返りながら、少し雑談っぽくお話をさせていただきました。次回は第41回となります。引き続きお付き合いいただけたら嬉しいです。大西さん、ありがとうございました。

(大西)ありがとうございました。

(高山)院長が悩んだら聞くラジオ 今回もお聞きいただきましてありがとうございました。

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この番組は毎週月曜日の朝5時に配信予定です。それではまたポッドキャストでお会いしましょう。さよなら。

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