
カルテ作成を支援するAIシステム「Swift SOAP(スウィフトソープ)」提供開始
株式会社パルシベイト(東京都中央区、代表取締役:辻和久)は、医師の電子カルテ作成業務を支援するAIシステム「Swift SOAP(スウィフトソープ)」の提供を開始した。音声認識AIと生成AIを組み合わせ、診察時の音声をもとにSOAP形式のカルテ原稿を自動生成する仕組みだ。

一般内科クリニック1日あたり約1.1時間の業務効率化を実現
「Swift SOAP」は、一般内科の診療所で、1日平均65名の外来患者を診る場合、電子カルテの作成にかかる時間をおよそ1.1時間短縮できるとしている。
医師が診察時にiPhoneまたはiPadを用いて音声を録音し、その音声がリアルタイムで文字起こしされた後、録音終了後に生成AIがSOAP形式に自動要約。最終的に電子カルテ用パソコンに送信され、医師が確認・貼付するという3ステップで完結する仕組みである。
このプロセスにより、診察時間の短縮による患者受け入れ数の増加、医師と患者の双方の負担軽減といった二次的な効果も見込まれる。

電子カルテ導入現場での適応性も
Swift SOAPは、クラウド型やオンプレミス型を問わず、幅広い電子カルテシステムと併用できる構造となっており、既存システムへのスムーズな導入が見込める。
さらに、厚生労働省が2030年までの全国的な電子カルテ普及方針を掲げる中、今後増加が見込まれる電子カルテ新規導入の現場でも有効な支援ツールとなり得る。
クリニックは月額16,500円の定額制で使い放題
このサービスは、医師1人あたり月額16,500円(税込)で、回数制限なく利用できる定額制を採用している。これは、他のカルテ作成支援サービスと比較して低価格帯に位置づけられている。
導入コストの抑制と同時に、機能面では高性能なAI技術を用いることで、医療現場のニーズに応える仕様となっている。

医師の「時間」を取り戻すために
現場の医師からは、「患者の表情を見る余裕がない」という声も上がっており、そうした課題意識が開発の出発点となった。パルシベイトは、開発前に実施したインタビュー調査で、医師の73%がカルテ作成支援への高いニーズを持っていたと報告している。

また、膨大な時間をかけたユーザーテストを通じて、現場で本当に求められる機能に絞り込んだシンプルな設計となっている。パルシベイト社は、今後も現場のフィードバックをもとに機能の改善を続け、より使いやすいシステムへと進化させていく方針である。
近年では、電子カルテベンダー各社による入力支援機能の拡充に加え、医療DXやAI領域のスタートアップなどが、独自のカルテ入力効率化ツールを次々にリリースしている。
AI技術は、従来の実験的な段階から、日常業務に実用可能な水準へと進化しつつある。
今後は、クリニックの診療スタイルや業務フローに合ったツールを見極めながら導入を進めることが、経営の質を高める一助となるだろう。
【企業情報】
会社名:株式会社パルシベイト
代表取締役:辻 和久
所在地:東京都中央区日本橋茅場町一丁目8番1号 茅場町一丁目平和ビル7階
設立:2024年
事業内容:医療現場を支援するAIプロダクトの開発、AI活用システムの開発・実装支援
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DOCWEB編集部(一般社団法人 DOC TOKYO)
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