クリニックスタッフに求められる要素
今回はクリニックを経営する上で欠かせないスタッフの採用についてお話します。
大人になってからの教育において、一番難しいのは「気がきくようにする」ことではないでしょうか?
気がきく、空気を読む、相手が何を言おうとしているか察する、相手の気持ちをくむなど、クリニックにおける接遇では欠かせない要素です。
クリニックにいらっしゃる患者さまはただでさえ、痛かったり、つらかったりする状況で来院されていますので、心は少し狭くなっていることがあります。そんな中ですので、スタッフの対応は大切です。
色々な患者さまがいらっしゃいますので、きめ細やかな心配りの出来るスタッフを育成することは、クリニックの将来に関わってきます。昨今のAI導入の波は、クリニックにも遠からず導入されてくることでしょう。そんな中で、業務+αの部分である気配り・心配りは他院との差別化を行う上でも重要性を増します。
面接時のポイント
私も長くクリニック経営に携わって参りましたが、気がきかないスタッフを気がきくようにすることは、とても難しいと感じております。ですから、私どもでは気がきく方を採用するよう心がけております。
以下は面接時に心がけている点です。
- 面接日程を連絡する際の電話応対
- 来院の際の車を止める位置
- 靴を置く位置
- 履歴書の書き方、送り方、渡し方
- 面接時の言葉使い
- 面接はなるべく長く実施する
- 女性の場合、人生における仕事観
- 既婚者の場合、家族や周囲の理解、協力体制
など。
技術的なことは入職後にいくらでも身につけていただけますが、「気がきく」能力を身につけていただくことは難しいので、私どもでは、経験値よりも素直さ、人間性を重視しております。
そして周りとの調和という観点から、基礎学力を知るために、履歴書の卒歴として出身高校を参考にしております。お互いに気持ちよく仕事が出来る環境を整えるために、互いに成長できる環境を作っていくことも重要だと思います。
横山 美代
栃木県で2代目院長と共に、内科・小児科クリニックを経営。経営難から立ち直った経験を元に全国各地で講演を実施。2017年に開業医の奥様の為の「医ッ歩一歩の会」を主宰し、年間実学講座【麗人サロン】や医療事務のリーダー育成講座を開催している。各種勉強会や情報交換会、個別コンサルティングを行い正しい情報と知識に基づいた経営判断をくだす支援を行っている。