講演者:越野 沙織 氏
所属先:東京大学医学部附属病院 22世紀医療センター コンピュータ画像診断学/予防医学講座 特任助教(2023年4月より東京大学医学部附属病院 放射線科 特任助教)
順天堂大学医学部 放射線医学教室 放射線診断学講座 非常勤助手
動画詳細
本講演では、医療AIの役割や医師に求められるスキルについてお話しします。
例えば、画像診断ではAIが効果的であり、私自身も脳動脈瘤の診断AIを開発し、薬事承認を受けて導入されました。医療AIの活用により、医師の疲労や集中力低下からくる見落としを減らし、業務効率を高めることができます。
しかし、医療AIの解析はブラックボックスであり、結果に至る過程が不透明であり、医師による管理が必要です。日本の医療AI導入が遅れる理由、日本の医療AIの強み、AI時代の医師の役割、AIの誤診など倫理的問題などについてお話します。
講演者プロフィール
東京大学医学部附属病院 22世紀医療センター コンピュータ画像診断学/予防医学講座 特任助教(2023年4月より東京大学医学部附属病院 放射線科 特任助教)
順天堂大学医学部 放射線医学教室 放射線診断学講座 非常勤助手
越野 沙織 氏
これまで放射線科医としてCT・MRIなどの画像診断を行ってきました。
子どもの頃から将棋を指しており、9歳の時にNHKの番組で羽生善治先生と対局させていただいたこともあります。盤上ゲームとAIの歴史は古く、私も将棋のAIゲームを使っていたので、自分にとって身近なテーマでした。
放射線科医1年目のときに、エルピクセル株式会社から共同研究のお話をいただき、脳動脈瘤を検出するAIの研究に参画しました。2019年9月に脳動脈瘤検出AIが国内初の薬事承認を取得し、2022年の診療報酬改定では、画像診断管理加算3に新たに画像診断AIの要件が加わりました。
現在では、AI開発や共同研究に加えて、薬事承認されたAIの性能評価や、臨床での使用時の問題点の抽出と改善を行っています。