オンライン診療が切り開く地域医療の最前線 2022/07/14

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講演者:黒木 春郎 氏
所属先:医療法人社団嗣業の会 こどもとおとなのクリニック パウルーム 院長

動画詳細

2016年、オンライン診療を導入したきっかけは、地域医療の新たな展開を感じたことでした。スタッフへの説得には、新しい業務フローに対する心理的な抵抗を考慮し、定期的なミーティングや患者のフィードバックを通じて対応しました。

医師としてのオンライン診療のメリットは、通院負担の軽減や家庭での様子が把握できることです。特にコロナ感染者のオンライン診療では、患者と家族を含めた効率的な診療が可能でした。

将来的には、継続治療が必要な疾患や通院負担の大きい患者への選択肢として、オンライン診療が有効であると考えられます。また、プライバシーに配慮した診療やメンタルヘルスの支援にも活用が期待されます。

医療DXが進む中で、医師の役割は患者の個別性を見極めた診断技術を磨くことが重要であり、健康増進のための医療提供が将来的な展望として考えられます。

講演者プロフィール

医療法人社団嗣業の会 こどもとおとなのクリニック パウルーム 院長
黒木 春郎 氏

昭和59年に千葉大学医学部を卒業後、小児科医になりました。
現在は小児科学会専門医の傍ら、公認心理師、臨床発達心理士の資格を取得し、千葉大医学部の臨床教授を兼務しています。

大学の教官だった頃、大学病院に入院してる患者さんの経緯に関心があり、初期段階で良い対応をすれば重症化が防げるのではと考えました。
医学は、診療の細分化が進んでますが、臓器や疾患といった分類ではなく、子どもやその家族全体を診ることを希望しました。
地域で自分の想いを実現するために、地域のモデルになるような小児医療に取り組もうと考え、2005年に千葉県いすみ市にクリニックを開業しました。

国内でも小児医療の支援が進んでいる地域ですが、小児科医が少なく、医学的な対応だけではなく地域医療の体制を考えるきっかけになりました。
2016年にオンライン診療が可能になってからすぐに自施設で導入しました。当時は、オンライン診療を行っている医師の集まりがなかったので、自院を事務局に「日本オンライン診療研究会」を立ち上げました。
研究会が全国規模になり、日本医師会や厚労省の方々にも来ていただけるようになり、私自身も遠隔診療の委員会に召致されるに至っています。