株式会社スマートゲートは、遠隔聴診を検証できる環境を整えるべく、スマートゲートが提供するオンライン診療システム「スマートキュア」にiPhone等のモバイル端末とJRCS株式会社が2019年1月に発売した電子聴診器「JPES-01」を使用し、スマートフォンによるオンライン聴診を実現した。
在宅診療や高齢者施設において、電子聴診器を用いたオンライン聴診により、高齢化社会に向けた新たな取り組みが始まる。また、オンライン聴診は、救急判断や重症疾患の予測のほか、在宅での健康管理、専門医の予備診察、救急の判断など、救急搬送を減らすことが期待される。
救急・在宅医療・高齢者介護の経験が豊富な木村医師(救急科専門医・医療法人ユリシス会 理事長)は、『例えば便秘は、加齢現象とも言われ、内服調整が重要だ。時々腹部診察をすればいいが、それだけで往診することは保険診療では許されない。しかし通院まではされない。ところが、突然、食欲不振・嘔吐・腹痛・血圧の急激な上昇や低下・意識消失発作で救急搬送になる。手軽にオンラインで聴診ができれば、救急の予防や生活向上に役立つと考える。』と、高齢者の健康サポートに活用を考えている。
背景として、高齢者救急の依頼件数の増加に対して、救急医療の崩壊、救急車のたらい回しなどが報道されて久しいが、今後は、これまで以上の速さで、高齢者人口、ひいては救急患者が激増し、その対応が懸念されている。しかし、実際には、木村医師によると、施設介護職の緊急相談(4155件)の90%強が実は救急受診不要であったデータもあり、対応次第では救急搬送を減らせ、それには未然に発症を防ぐ工夫が必要で遠隔医療に期待がかかる。
「スマートキュア」は、問診票、診療録や画像情報などのカルテ情報を電子共有できるが、患者のカルテ情報に電子聴診器による聴診音の録音データを紐づけ管理し、同時に複数の医師、例えば、専門医を加えたオンライン聴診など、既存にない運用次第で遠隔医療の質の向上も期待できる。
「スマートキュア」は、他のシステムと比較し、少ないデータ通信量でフルHDの高解像度ビデオチャットを送受信できる。JRCS株式会社が2019年1月に発売した電子聴診器「JPES-01」は、一般の聴診器に極めて近い音色を再現できる為、初めて電子聴診器を使用する医師にも違和感が少なく、早期のシステム導入も可能だ。また、「スマートキュア」は、複数医師による同時聴診、録音、共有もできる。
現状、通信帯域が確保される大規模病院の院内システムでさえ、実際には、送信データのフレームを落とし、機器のアラートを示す警告色でさえ見落とす品質の悪い状態のもので遠隔診療を議論されることも少なからずある。そして、昨今は5Gの導入により、一気にデータ通信量の制約を排除できると期待される。しかし、遠隔医療の医師と患者を結ぶ経路全体では、様々な回線を経由してデータが送受信される為、遠隔医療のビデオ品質は、最も悪い回線に依存する。この為、データ通信量の制約は無視できず、在宅診療や高齢者施設等を想定した遠隔診療では、少ないデータ通信量で動画を送受信できることを最優先として、Cisco Webex Meetingsを採用した。
オンライン聴診の音の欠落を危惧される事についても、仮に不具合に至る通信速度の低下が発生した場合も、使用するスマホ画面に通信不良の警告を表示し、聴診音の欠落を未然に防ぐ。
必要な機器は、電子聴診器「JPES-01」(重量100g)とUSBメモリ程のサイズのアダプタのみ、他に専用機器は必要ない。
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