医療法人社団徳昌会 パラシオン歯科医院(所在地:埼玉県越谷市、診療医長:小山 安徳)は、内科医と歯科医を対象に、「医科歯科連携の実態」に関する調査を実施した。
日本では、多くの病院において医科と歯科が分離している。しかし近年、様々な医療機関において「医科歯科連携」が推進・実施されている。
医科歯科連携とは、医科と歯科が協働して治療にあたることを意味する。医科歯科連携において医科と歯科はそれぞれ別の役割を持っており、総じて様々な病気の早期発見や予防、治療に対する効果が期待できる。
そこで今回、内科医と歯科医を対象に、「医科歯科連携の実態」に関する調査を実施した。
医科歯科連携が取れている医院はどれくらい?連携の成功例と実現が難しい理由
「医科歯科連携はどの程度取れていると思いますか?」と質問したところ、9割近くが『かなり上手く取れている(28.4%)』『ある程度は取れている(58.1%)』と回答した。9割近くの内科医と歯科医が、医科歯科連携がある程度取れていると認識しているようである。医師や病院によって差はあるかもしれないが、医科歯科連携の考え方は医療現場に浸透していると考えられる。
実際問題、医科歯科連携は難しい?大変だと感じている医師は9割
医科歯科連携が取れていると考える人が多い一方で、連携できていない医療機関もあることが分かった。医科歯科連携ができれば治療の選択肢を広げられるが、実際には異なる医療分野との繋がりが弱い一面も見られる。
そこで、「医科歯科連携を取ることは大変な事であると思いますか?」と質問したところ、9割が『思う(90.4%)』と回答した。非常に多くの人が、医科歯科連携を取ることは大変だと捉えているようである。
「どういった点において大変な事であると感じますか?(複数回答可)」と質問したところ、『連携のためのシステムが整っていない(40.7%)』と回答した人が最も多く、次いで『設備が整っていない(37.9%)』『情報伝達手段が限られている(35.9%)』と続いた。
医科歯科連携への積極的な取り組みをすべきと考える医師は8割以上。実現のために必要な要素は
このような状況で、各医療機関に医科歯科連携を求めることは可能なのか?
そこで、「医科歯科連携を求められた場合、即座に応じることは可能ですか?」と質問したところ、『可能である(39.1%)』『時間はかかるかもしれないが可能である(57.1%)』と回答した。
6割近くが、医科歯科連携を求められた場合に即座ではなくとも応じられる、と考えているようである。必要なシステムや設備を整える時間があれば、医科歯科連携を実現できる医療機関も増えるかもしれない。
では、医科歯科連携の必要性についてはどのように考えられているのか?
続いて、「医科歯科連携はもっと積極的に取り組むべきだと思いますか?」と質問したところ、『とてもそう思う(31.0%)』『どちらかといえばそう思う(55.6%)』と回答した。
8割以上が、医科歯科連携にもっと積極的に取り組むべきだと考えているようである。
医科歯科連携が進めば、これまで見過ごされていた症状に気づき、病気の悪化を防げるかもしれない。
では、このような医科歯科連携のメリットを活かすためにはどうすればいいのか?
そこで、「医科歯科連携の実現化・活発化のために、どういったことが必要であると思いますか?(複数回答可)」と質問したところ、『連携のためのシステムの整備(46.1%)』と回答した方が最も多く、次いで『各院や自治体の設備・施設の整備(41.2%)』『明確な情報伝達(33.2%)』と続いた。
医科歯科連携の実現化・活発化には、連携のためのシステム整備が必要だと考える人が多いようである。また、設備・施設の準備や情報伝達の精度も、医科歯科連携に必要な条件として挙げられた。
医科歯科連携の実現に向けて課題となる要素をクリアできれば、活発化にも大きく期待できるであろう。
医科歯科連携において提携先に求められるものは
多くの人が、医科歯科連携に積極的に取り組むべきだと考えていることが分かった。システムや設備・施設を整備し、医療機関同士で正しい情報を交換できれば、医科歯科連携の促進も十分可能である。その中で、治療に必要な情報を連携先の医療機関に明確に伝えることが重要なポイントとなる。
そこで、「医科歯科連携において、情報のやり取りは重要だと思いますか?」と質問したところ、9割以上の内科医と歯科医が『はい(97.3%)』と回答した。
医科歯科連携を進めるにあたって、情報のやり取りを重視する人が非常に多いようである。普段からしっかりコミュニケーションを取り、情報共有を意識することで、医科歯科連携が円滑になるといえる。
最後に、医科歯科連携において連携先の医療機関に何を求めるのか聞いてみた。
患者の情報共有と密なコミュニケーションが大切!
・具体的な処方内容、検査結果、処置や手術の可否(30代/女性/歯科医)
・投薬の有無とその種類(30代/女性/内科医)
・定期的な医科歯科での交流(30代/男性/歯科医)
・カルテ、治療方法などの開示(50代/男性/歯科医)
内科と歯科、それぞれの医療機関で患者にどのような処置を行っているのか正確に把握したい人が多いようである。また、医科と歯科で定期的に交流し、コミュニケーションを深めることも求められている。
重要なのは情報の精度と共有。医科歯科連携の実現に向けて必要なことは
今回の調査で、医科歯科連携の実態が明らかになった。
6割近くが医科歯科連携できていると考えているものの、内科と歯科の繋がりが薄く、実現できていないという認識も少なくない。また、医科歯科連携を取ることが大変だと感じている人は非常に多く、これには医科歯科連携を行える環境が整っていないことが大きな要因となっているようである。
一方で、医科歯科連携にもっと積極的に取り組むべきだと考える人が8割以上を占めることから、連携の必要性が窺える。医科歯科連携では、システムや設備・施設を整え、医療機関で詳細な情報を共有できることが重要である。特に、治療に関わる患者の情報は、連携先の医療機関に正しく伝えなければならない。
医科歯科連携を実現し、患者の状態により適した治療を行うためには、医科と歯科の繋がりを強化していく努力が必要だといえる。
調査概要:「医科歯科連携の実態」に関する調査
【調査期間】2023年1月23日(月)~2023年1月24日(火)
【調査方法】インターネット調査
【調査人数】1,035人(内科医:515人、歯科医:520人)
【調査対象】内科医と歯科医
【モニター提供元】ゼネラルリサーチ
本件に関するお問い合わせ先
医療法人社団德昌会 パラシオン歯科医院
所在地: 埼玉県越谷市宮本町5-39-1 パラシオン越谷102
電話番号: 048-964-8241
URL: https://parasion-dental.com/