
AI医療機器を手がけるアイリス株式会社(本社:東京都中央区)は、同社が開発・提供するAI搭載カメラ型医療機器「nodoca®」に、新たに新型コロナウイルス感染症の判定機能を搭載した最新版「nodoca 3」の提供を、2025年10月26日より開始した。
のど画像から新型コロナを判定──AI医療機器として日本初の薬事承認を取得
「nodoca 3」は、患者の咽頭画像と診療情報をもとにAIが解析を行い、新型コロナ感染症の可能性を判定する機能を備えている。この機能は、同分野の医療機器として2025年10月2日付で国内初の薬事承認を取得しており、その根拠となる臨床データと技術の信頼性が国により認められたかたちだ。
これにより、nodocaは既存のインフルエンザ判定機能に加え、発熱患者の鑑別診断をAIでサポートできる機器として進化を遂げた。
100万枚超の医療画像データが診断精度を支える
今回の新型コロナ判定機能は、インフルエンザ対応の診断技術に加え、新たに収集された咽頭画像を含む100万枚以上の医療画像データベースを活用して開発された。AIは、のどに現れるウイルス感染の特徴を画像から自動的に抽出・判定し、問診などの診療情報と組み合わせて医師の診断を支援する。
従来から「nodoca」は、全国の医療機関で10万人以上のインフルエンザ診断に使用されてきた実績があり、これに新型コロナの診断機能が加わることで、発熱外来における初期対応の効率化と診療精度の向上が期待される。
医療・行政・研究が連携、社会実装を推進
本製品の開発には、100を超える国内の医療機関が協力し、臨床データの提供や検証を通じて診断精度の向上に寄与している。また、「日本救急医学会推薦AI研究」としての位置づけのもとで研究が進められ、AIによる診断支援の学術的な裏付けがなされた。
さらに、事業化支援は新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)が担い、演算処理には国立研究開発法人 産業技術総合研究所が運用するスーパーコンピューター「ABCI」が用いられた。こうした産官学医の連携体制によって、現場に即したAI医療機器の社会実装が着実に推進されている。
医師の診断を支え、既に実装化されつつあるAIツール
AIを活用した診断支援は、医療資源が限られる地域や、多忙な外来診療の現場において、特に大きな効果を発揮する可能性がある。感染症の初期対応において、医師が迅速かつ的確な判断を下すための補助ツールとして、「nodoca 3」はすでに医療現場に実装されつつあり、新たな診療支援の選択肢となっている。

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【会社情報】
- 会社名:アイリス株式会社
- 代表取締役:沖山翔
- 本社所在地:〒104-0028 東京都中央区八重洲2-2-1 八重洲セントラルタワー7階
- 設立:2017年11月
- 事業内容:AIを用いた医療機器の開発・製造・販売及び機械学習技術の研究開発
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