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DOCWEB『院長が悩んだら聴くラジオ』この番組は開業医の皆さんが毎日機嫌よく過ごすための秘訣を語っていく番組です。 通勤時間や昼休みにゆるっとお聞きいただけると嬉しいです。
(高山)おはようございます。パーソナリティのDOC WEB編集長、高山豊明です。
(大西)おはようございます。パーソナリティのMICTコンサルティング、大西大輔です。
(高山) 院長が悩んだら聞くラジオ第54回始まりました。大西さんよろしくお願いします。
(大西)よろしくお願いします。今日のテーマは何でしょうか?
今日のテーマ:「個性」~個性の定義~
(高山)今日のテーマは「個性」です。
「個性」と一言で言っても分かりづらいので、「個性を活かすマネジメント」、そして「スタッフの個性をどう活かしていくか」といったテーマで話したいと思います。
(大西)よろしくお願いします。
(高山)個性の定義についてですが、大西さん、個性って何でしょうか?
(大西)個性は生まれ持ったものではなく、生まれ育った環境、つまりバックボーンによって形成されるものだと思います。
(高山)生まれつきではないんですね。
(大西)例えば、両親が厳しかった場合、その厳しさに跳ね返る力を持つ子もいれば、萎縮してしまう子もいます。
逆に、のびのびと育てられた場合は、子供ものびのびと育つ傾向があります。
つまり、様々な環境要因によって個性は育まれるものだと考えられます。
(高山)なるほど。個性と性格は違うものですか?
(大西)性格は持って生まれた気質や、もしかしたら血液型なども関係しているかもしれませんが、個性とは違います。
個性はパーソナリティと言い換えることもできるかもしれません。
個性を形成する要素としては、「こうありたい」という本人の意思と、「こうあるべきだ」という親の期待が混ざり合って形成されているのではないでしょうか。
(高山)生き方に近いものですね。
様々なバックグラウンドを持つ人たちが、クリニックのような少人数の組織で働く際に、それぞれの個性をどう活かしていけば良いのでしょうか?これは永遠の課題とも言えますね。
(大西)そうですね。院長先生の中には、自分と違う個性のスタッフを集める方、似た個性のスタッフを集める方、あるいはごちゃ混ぜにする方など、様々な方がいらっしゃると思います。
似た個性のスタッフの方がマネジメントしやすいという考えもあるでしょう。
(高山)しかし、個性を重視した人材採用は、これまであまり行われてこなかったのではないでしょうか。
個性を活かした採用という発想自体がなかったかもしれません。個性をどう捉え、どう活かせば良いのかを知る必要がありますね。
(大西)まず、個性を理解するために、パーソナリティに加えて「アイデンティティ」という視点も重要です。
その人にとって何が大切なのか、「何を大事にしているのか」を問うことで、その人の個性が見えてきます。
(高山)人によって大切にしていることは違いますよね。価値観のようなものでしょうか?
(大西)まさにその通りです。価値観、バリューに近いですね。
採用においては、クリニックの理念に共感できる価値観を持った人を選ぶことが重要です。
クリニックの理念に「笑顔」や「優しさ」といった言葉が含まれている場合、院長先生自身もそういった個性を大切にしていると考えられます。
スタッフがクリニックの理念に共感できなければ、理念はうまく定着しません。そのため、理念に個性を反映させることも有効です。
面接での個性の見極め方
(高山)採用面接で個性をどのように見極めれば良いのでしょうか?
(大西)挨拶や面接、履歴書など、様々な場面でチェックできますが、特に有効なのは「何を大事にしているか」を聞くことです。
いくつか例を挙げて質問することで、その人の価値観が明確になります。
例えば、「お金が大事、家族が大事、調和や仲間が大事、自分の時間が大事」など。
(高山)なるほど。いくつか選択肢を提示するよりも、自由に表現してもらう方が良いのですね。
(大西)そうですね。ただし、あまりに自由だと分類が難しくなるため、いくつかのカテゴリーを用意しておくと整理しやすいでしょう。
事前にクリニックとしてどのような価値観を大事にするかを決めておき、面接で伝えるのも良いでしょう。
ただし、面接前に伝えてしまうと、応募者がその価値観に合わせようとしてしまい、本音が見えにくくなる可能性があります。
スタッフ間で共有し、価値観が近い応募者を優先的に採用するという方法が有効です。
(高山)効率的ですね。
実際に採用してみないと分からない部分も多いので、面接の場で本音を引き出すことが重要になりますね。
(大西)面接の緊張した状況下で出てくる言葉は、本音であることが多いです。
(高山)緊張するかどうか、というのも個性かもしれませんね。
中には緊張しない人もいます。
(大西)そうですね。初めて会った人に緊張しない人はすごいと思います。私も緊張しないように見えますが、実はしています。
ただ、見せないようにしているだけです。
人見知りなのに人見知りしないように振る舞う人は、自己防衛能力が高く、本音を隠している可能性があります。
そうすると本音が見えにくく、人間関係で壁を作りやすいタイプかもしれません。こういった予測も面接の際に役立ちます。
個性を活かした組織作り
(高山)様々な個性を把握した上で、クリニックの理念に沿った採用を行う場合、スタッフの個性が似通ってくるのでしょうか?
(大西)必ずしも個性が似てくるわけではありません。
重要なのは、理念に共感できるかどうかです。
全く同じである必要はなく、共通点があれば良いのです。
「ここは似ているけど、ここは違う」といった違いを認め合うことが、個性を活かす組織作りに繋がります。
(高山)なるほど。100%一致する必要はないということですね。
(大西)少なくとも10%、20%でも一致点があれば良いと思います。
院長先生自身の個性を理解することも重要です。
自分の個性と向き合い、「自分はこういう人間だから、こうしてほしい」とスタッフに伝えることで、スムーズなコミュニケーションに繋がります。
(高山)まず自分自身の個性を理解する必要があるのですね。
(大西)例えば、自分は少し厳しい性格だと思っている院長先生は、「少し厳しい面もあるが、それは言葉がキツイだけで、性格が悪いわけではない」と伝えることで、スタッフは言葉尻を捉えすぎることなく、コミュニケーションを取ることができるようになります。
「優しい」「いつもニコニコしている」といった個性を理念に反映させるのも良いでしょう。
(高山)言動が理念と乖離していると、本心では理念に共感していても、なかなか理解されないことがありますね。
(大西)理念をきちんと作成していない院長先生もいらっしゃいますが、理念作成には時間をかけてじっくり考えることが重要です。
後回しにしてしまうと、後々苦労することになります。
理念と自分の個性が乖離している場合は、理念を変えることも検討すべきです。
そうでなければ、日々のストレスが大きくなってしまいます。
(高山)個性と理念が一致しない場合は、理念の方を修正する方が良いということですね。
理念の定義と重要性
(大西)理念がずれていると辛くなってしまいます。理念とは、ミッション・ビジョン・バリューを言語化したものです。
バリューにはパーソナリティ、つまり個性が含まれるため、理念と個性を一致させることが重要です。
ここで、ミッション・ビジョン・バリューについて簡単に説明しましょう。
(高山)定義を教えていただけますか?
(大西)ミッションとは、「何のために生まれて、何を成し遂げたいのか」という、これまでのプロセスを意味します。
クリニックで言えば、「なぜこのクリニックを作ったのか」ということですね。ビジョンとは、「未来こうなりたい」という思いです。
現在はまだ到達していないけれども、将来どうなりたいかという目標です。
バリューとは、大切にしていること、つまり価値観です。この3つのバランスが取れていれば、良い理念と言えるでしょう。
つまり、理念とは過去・現在・未来の時間軸で考えるものということですね。
(高山)院長先生自身の個性を活かしながら理念を定義し、スタッフに理解してもらう。
そして、その理念に近い個性のスタッフを採用していく。そうすることで、ビジョンが実現に近づいていくイメージが湧きます。
(大西)面接や日々の経営、困難に直面した時など、様々な場面で理念が役立ちます。
個性と理念が一致していれば、問題解決能力も高まり、困難を乗り越えやすくなります。
逆に、理念と個性が乖離していると、壁にぶつかった時に苦しむことになります。
(高山)理念は道しるべのようなものですね。
(大西)マイルストーンとも言えます。
マイルストーンはビジョンに近い概念で、「こうなりたい」という強い思いを持ち続けることで、実現に近づいていくものです。
願わない限り、実現することはありません。これがビジョンです。
「目標を立てなさい」「数字を立てなさい」と言われることもありますが、それよりも「こうなりたい」という強い思いを持つことが重要です。
努力の方向性も変わってきます。
個性を活かした採用
(高山)大谷翔平選手が作成しているマンダラチャートも、理念を考える上で参考になりそうですね。
(大西)そうですね。マンダラチャートは連想ゲームのようなものです。
例えば、大谷選手のビジョンは「世界一の野球選手になる」ことです。
このビジョンから連想される要素を9×9の81個のマスに書き出していくことで、具体的な行動が見えてきます。
使う言葉選びも重要です。
研修などでマンダラチャートを作成する際に、スラスラ書ける人とそうでない人がいますが、どちらが良い悪いということではありません。
スラスラ書ける人は、普段からよく考えている人、問題解決能力が高い人と言えます。
逆に、考えすぎてしまう人は、自分の個性や思いについて深く掘り下げていない可能性があります。
ゆっくり時間をかけて考えてもらうことで、新たな気づきが得られることもあります。
(高山)なるほど。それも個性ですね。
(大西)テキパキしている人、のんびりしている人など、様々な人がいますが、これも個性です。
早いのも個性、ゆっくりなのも個性です。
(高山)様々な個性を持つスタッフがぶつかり合うことは、多くの組織で起こり得ることです。
次回予告
(高山)個性の衝突が起きる原因と解決方法については、次回以降に詳しくお話ししたいと思います。引き続きよろしくお願いします。
(大西)ありがとうございました。
(高山)院長が悩んだら聞くラジオ 今回もお聞きいただきましてありがとうございました。
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この番組は毎週月曜日の朝5時に配信予定です。それではまたポッドキャストでお会いしましょう。さよなら。
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DOCWEB編集部(一般社団法人 DOC TOKYO)
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