#1 令和6年度診療報酬改定の行方 ――クリニックの医療DX/外来医療―大西大輔氏

要約

令和6年度診療報酬改定の行方を政府や厚労省、中医協などから公表されている資料に基づいて解説します。

本動画では、 特に「医療DX」と「外来医療」について取り上げます。
2024年度、2025年度に新たに施行される内容が盛りだくさんです。電子処方箋の普及や電子カルテ情報共有サービスの拡大、マイナンバーカードを利用した情報連携の範囲が拡大されます。

次期の診療報酬改定は4月にルールは明らかになっていますが、2カ月間の執行猶予期間があります。医療DXを進めるためには、医療機関や医療ITベンダーの負担を減らし、新しい流れにムリなく乗ってもらう必要があるという面もあるのではないでしょうか。それだけ、国は医療DXを進めていきたい思惑が強いといえます。

今後のスケジュールは、2024年2月上旬に中医協答申、3月上旬に官報で公表、3月下旬に電子点数表の公表となります。
診療報酬改定時期を2か月後ろ倒しした場合、医療機関の初回請求は7月10になります。

初診時に紹介状なしで受診した患者の割合をさらに減らしていくために、200床未満へ義務化対象施設を拡大するのではないかと見られます。これはクリニックの外来数増大に寄与するでしょう。

また、3文書6情報のデジタル化推進とPHR利用拡大の方向性も打ち出されています。こうした考えから、今後非常に重要になるのは「かかりつけ医」の推進です。

今後、地域住民に選ばれる「かかりつけ医」になることが期待されます。医療と介護の情報連携を見据えた議論も進んできています。また、時間外診療の対応方法もIT活用、説明書類などのペーパーレス化も進みそうです。

さらに、特定疾患療養管理料の取り扱いについても注目ポイントです。併算定のルールにもメスが入るかもしれません。

講演者プロフィール

MICTコンサルティング
大西大輔氏

医療機関へのシステム導入の実績があり、診療所・病院・医療IT企業のコンサルティングおよび講演活動、執筆活動を行う。

2001年 一橋大学大学院MBAコース修了
2001年 医療系コンサルティングファーム「日本経営グループ」入社
2002年 医療IT総合展示場「メディプラザ」設立 (~2016閉館)
2007年 東京、大阪、福岡の3拠点を管理する統括マネージャーに就任
2013年 「電子カルテクラーク養成プログラム」を共同開発
2016年 コンサルタントとして独立し、「MICTコンサルティング」を設立
2018年 MICTコンサルティング株式会社を設立(法人化)
2019年 一般社団法人リンクア(医療介護教育)を設立