【2025年最新】オンライン医療通訳サービス比較|外国人患者対応に強いクリニックで差別化を図る

医療通訳・翻訳サービス比較まとめ。外国人患者対応に強いクリニックで差別化を図る

2024年、最新のデータでは外国人観光客数や在留外国人数が過去最高となっており、町のクリニックでも外国人対応の需要が高まってきています。
本記事では、クリニックでも使いやすい医療通訳サービスについて、選び方や各社サービス特徴を比較しやすくまとめました。

医療ツーリズムと外国人受診者増加の現状

2024年の世界の医療インバウンド市場は約10兆円規模に達しており、日本政府も医療インバウンドを重要な成長戦略と位置付けています2
また、在留外国人も過去最高数に達しており、日常的にクリニックでの診察が必要になる外国人も増加しています。

クリニックにおいても、診療圏が観光地に近いまたは外国人居住者が多い場合や、医療ツーリズムの外国人を受け入れる経営戦略がある場合は、医療通訳を検討する必要があると言えるでしょう。

「医療専門の通訳」である必要性

ある程度日本語が話せる外国人の方でも、受付~支払いといった受診フローや、日常で使わない病歴や服薬歴といった情報を適切に共有することは非常に難しいことです。
さらに、外国人の協力者(家族や友人)などに通訳を任せると、医療的なニュアンスが伝わらず情報伝達が不十分になるリスクもあります。

現在AIの発達により一般的な観光用・日常用の翻訳アプリも沢山登場していますが、医療事故や医療費未払いといったトラブルを回避するには、医療通訳サービスの活用が役立ちます。

また、在留外国人はアジア諸国出身者も多く、観光訪日外国人も中国からが半数を占めるといわれています。
医師やスタッフが英語を話せても、多言語で対応できるサービスを活用すると安心でしょう。

クリニックにおける外国人患者対応の具体的な困りごとの例

外国人がクリニックの患者になる際、具体的な困りごとはどのようなものか確認してみましょう。
下記は診療における一連の流れで起こり得るトラブルの一例です。

受付時

・保険資格の確認ができない

・支払い方法の説明が伝わらない

・問診票が難しい

・システムの使い方の説明

診察時

・症状の正確な把握が困難

・既往歴の確認に時間がかかる

・アレルギー情報の聞き取りが不十分

・処方薬の説明が伝わりにくい

緊急時

・電話での症状確認ができない

・救急対応時の意思疎通が困難

・同意書の取得に時間がかかる

・家族への説明が複雑

フォローアップ

・次回予約の調整が難しい

・治療計画の説明が不十分

・服薬指導が確実にできない

・経過観察の重要性が伝わりにくい

医療通訳の種類

対面通訳

医療通訳者が直接医療機関に赴き、患者と医療従事者の間で通訳を行います。表情やジェスチャーといった非言語の情報を含めてやり取りできるため、信頼性の高い通訳方法です。
ただし、通訳者の手配や移動の時間・コストがかかるため、クリニックの日常や緊急時の対応には向きません。

電話通訳

通訳者が電話を介して、医療従事者と患者の会話をサポートするリアルタイムの遠隔通訳サービスです。が電話を介して、医療従事者と患者の会話をサポートする「。急な対応や遠隔地の患者に適しており、24時間対応可能なサービスもあります。ただし、表情やジェスチャーを伴わないため、細かいニュアンスの伝達が難しいことがあります。

オンライン通訳(ビデオリモート通訳)

タブレットやPCなどの端末を使用してオンラインで通訳を提供する、こちらもリアルタイム遠隔通訳サービスです。音声だけでなく、患者や医療従事者の表情やジェスチャーを確認しながら通訳できるため、電話通訳よりも正確な伝達が可能になります。
デメリットとして、通信環境が不安定な場合、会話が途切れたり、遅延が発生することがあります。

機械翻訳(AI)を活用した通訳支援

AIを活用した自動翻訳ツールを用いる方法で、医療機関の受付業務や診療補助で活用されています。低コストで迅速な対応が可能といったメリットがある一方、医療特有の専門用語や文脈を完全に正しく翻訳できないケースもあります。
日常会話や受付は機械翻訳を活用し、必要に応じて人の通訳を併用するのがおすすめです。

クリニック向け医療翻訳・通訳サービス詳細情報

mediPhone ( メディフォン ) /メディフォン株式会社

メディフォンサービスイメージ
通訳・翻訳方法電話通訳・ビデオ通訳・AI翻訳
対応言語AI翻訳最大107言語の希少言語対応
対応時間24時間365日
金額初期費用+月額費用 個別見積もり
利用環境インターネット(WEB)環境
アプリ利用の場合はタブレットやスマートフォン

(出典:メディフォン株式会社公式サイト)

メディフォンは導入施設数88,000以上を誇る、医療通訳・文書翻訳・外国人受け入れ支援サービスです。
端末やインターネット環境については柔軟な対応が可能とのことで、SIM付きの端末の貸し出しや電話回線での利用も相談可能とのこと。(DOCWEBインタビューより)

Medi-Way(メディウェイ) /株式会社東和エンジニアリング

株式会社東和エンジニアリング
通訳・翻訳方法電話通訳・ビデオ通訳
対応言語電話通訳も22言語で対応
対応時間24時間365日
金額従量課金制・定額制を柔軟に個別で見積もり
利用環境インターネット環境
タブレット、スマートフォン、パソコンなど多様に選択

メディウェイは、東和エンジニアリングで運営する医療通訳専用コールセンターが24時間対応する医療通訳サービスです。
専門研修を受けた医療通訳スタッフが、文化に寄り添った高品質の通訳を提供しています。

(出典:東和エンジニアリング公式サイト)

Medi-Call.(メディコール) /株式会社日本医療通訳サービス(JMIS)

Medi-Call.(メディコール) /株式会社日本医療通訳サービス(JMIS) (1)
通訳・翻訳方法電話通訳・ビデオ通訳
対応言語中国語・韓国語・英語
対応時間24時間
金額初期費用 ¥60,000〜月額 ¥20,000〜通話回数制
利用環境インターネット環境、電話環境
端末制限なし

(出典:JMIS公式サイト https://www.jmis.co.jp/)

メディコールは申し込みから最速3時間で利用可能な、医療通訳士による遠隔医療通訳を提供するサービスです。
端末制限やブラウザ制限なく自由度が高く、Skype・FaceTime・固定電話にも対応しています。

おまかせグローバルトーク /株式会社ニチイホールディングス

おまかせグローバルトーク /株式会社ニチイホールディングス
通訳・翻訳方法電話通訳・ビデオ通訳
対応言語英語・中国語・韓国語・ポルトガル語・スペイン語
対応時間24時間365日対応
金額要お問い合わせ
利用環境インターネット環境、タブレット

(出典:ニチイ公式サイト https://medi.nichiigakkan.co.jp/service/medical/global-talk/)

おまかせグローバルトークはニチイホールディングスが運営する、タブレットを利用した遠隔通訳サービスです。自社コールセンターには通訳者が常時150名以上在籍し、いつでも安定した医療通訳を受けることができます。

VoiceBiz /TOPPANホールディングス株式会社

VoiceBiz TOPPANホールディングス株式会社
通訳・翻訳方法純国産AI翻訳エンジンによる音声翻訳、テキスト翻訳
オプションでビデオ通話翻訳VoiceBiz®Dialと連携
対応言語音声翻訳13言語、テキスト翻訳30言語
対応時間24時間365日利用可能
金額初期費用100,000円 利用料 1カ月5,000円/台
利用環境インターネット環境、タブレット・スマートフォン端末

(出典:TOPPANBIZ公式サイト https://solution.toppan.co.jp/newnormal/service/voicebiz_medical_solution.html)

VoiceBizはTOPPANホールディングス株式会社(旧:凸版印刷株式会社)の医療機関向け音声翻訳アプリです。オプションでビデオ通話による通訳にも対応します。受付やコミュニケーションで困る、看護師業務で困るといった場合に、定型文テンプレートを活用してコミュニケーションをとることができます。

※現在資料DLいただけるサービスは「メディフォン」のみとなっております。随時追加予定です。

まとめ

本記事では、クリニックでも導入しやすい医療通訳サービスを比較し、それぞれの特徴を詳しく解説しました。
対面・電話・ビデオ通訳、そしてAIを活用した機械翻訳など、多様な選択肢があるため、診療環境や患者層に応じた適切なサービスの導入の検討が必要です。

本記事が、サービス選定の一助となれば幸いです。

参考:
(※1)日本政府観光局統計データより
令和6年3月22日出入国在留管理庁 報道発表資料
2024年12月11日経済産業省 第1回 医療インバウンドの適切な推進の在り方に関する検討会 事務局説明資料

この記事の執筆監修者

DOCWEB編集部(一般社団法人 DOC TOKYO)

DOCWEB編集部は、2016年の設立以来、一貫してクリニック経営者の皆さまに向けて、診療業務の合理化・効率化に役立つ情報を発信しています。
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