
スタッフの離職は、多くの場合「給与」や「待遇」の問題として語られます。
しかし実際の現場では、待遇を改善しても離職が止まらないケースは少なくありません。
よく現場で聞かれるのは、
「院長と合わない」
「思っていた仕事と違った」といった声です。
これらは感情的な問題に見えますが、実態は構造的なズレです。本記事では離職率が増える原因を紐解きます。
- スタッフが辞める主な原因は給与や待遇ですか?
- 給与や待遇は入職前に求人情報で確認できます。離職の主因は待遇ではなく、院長とスタッフの「期待値や認識のギャップ」です。
一見すると「給料が低いから辞めた」と見えるケースでも、実際には別の理由が語られることが多いです。
例えば現場では、
- 「院長と合わない」
- 「思っていた業務と違った」
といった言葉として現れます。
給与は入職前にある程度分かっているにも関わらず辞めるのは、働き始めてから“想定とのズレ”が生まれているためです。
このズレの背景にあるのが、前提の不一致です。
院長側は「こう動いてほしい」と思っていても、スタッフ側はその役割を認識していない。
また、スタッフ間で属人的に役割が振り分けられている。
その結果、
- 「どれだけ頑張っても事務が一番下に扱われる」
- 「評価されている実感がない」
といった不満につながります。
これは待遇の問題というより、クリニックとして何を重視し、どう評価するのかが共有されていない状態です。
さらに重要なのは、このズレが個人の問題ではなく、クリニック全体の構造として発生しているという点です。
- 看護師はどこまで判断していいのか
- 事務はどこまで介入していいのか
- 最終判断は誰が持つのか
こうした役割が曖昧なままだと、人によって解釈が分かれます。
その結果、
院長は「なぜやってくれないのか」と感じ、
スタッフは「そこまでが自分の仕事だとは思っていない」と感じる。
このズレが積み重なり、「合わない」という形で離職に至ります。
離職を防ぐためには、役割分担を明確にすることが前提になります。
- 誰がどこまでやるのか
- どこからが責任範囲なのか
- 判断は誰が持つのか
これらを整理することで、個人の解釈に依存しない安定した運用になります。
スタッフの離職は、待遇ではなく構造の問題です。
- 離職は「期待値ギャップ」で起きる
- ギャップは「理念の未共有」から生まれる
- その背景に「役割の曖昧さ」がある
現場で語られる、「院長と合わない」「評価されない」といった言葉はすべてこの構造の表れです。
離職対策とは待遇改善ではなく、
役割と期待値を揃える設計の問題として捉える必要があります。
★こちらの記事もおすすめ★
本シリーズの記事は、クリニック運営に関するPodcast「院長が悩んだら聴くラジオ(DOCWEB×大西大輔)」で共有された内容をもとに、DOCWEB編集部が判断軸として再構成したものです。
開業準備や開業後に役立つメルマガを定期的にお届けします
- 開業に役立つ記事・動画が見放題
DOCWEB限定動画や厳選された情報で、円滑な開業準備をサポート! - クリニックに合った製品・サービスがすぐに見つかる
手間なく、効率的に情報収集。DOCWEBならではの充実した比較・検討が可能! - 気になる製品・サービスの資料を無料ダウンロード
詳細情報をすぐに確認でき、納得の選択ができる!

DOCWEB編集部(一般社団法人 DOC TOKYO)
DOCWEB編集部は、2016年の設立以来、クリニック運営・医療業務・医療ITに関する情報を中心に、複数の医療機関やサービス提供事業者への取材・情報整理を通じて、医療現場と経営の実務に即した情報整理・比較を行っている編集チームです。
公開情報や取材内容をもとに情報を精査し、医師が状況に応じて判断できるよう、比較・検討の材料を提供しています。
