医療業界で働く専門家たち Vol.2

福田 信幸(ふくだ・のぶゆき)

中央ビジコム株式会社 本社 営業部 次長

1992 年入社。電子カルテ草創期から営 業に携わってきた。現在は導入前のプレゼンテーションを担当。医業経営コンサ ルタントの資格も持つ。

導入後のサポートに全力を注ぎ、「お客様にとって最高であること」を常に追求!

レセプトコンピュータ(レセコン)や電子カルテの販売代理店として約40年の歴史を誇る中央ビジコム。今年創立37年目を迎え、納入実績は首都圏トップとなるのべ1万4000件以上に達している。競争の激しいレセコン・電子カルテ業界でそこまで実績を挙げられる理由はどこにあるのだろうか。本社営業部次長で電子カルテを担当する福田信幸氏に話を聞いた。

新規より買い替え需要が上回る現状

私は1992年に中央ビジコムに入社しました。日本で電子カルテが導入されたのは7年後の1999年です。当時、業界では「電子カルテは一生モノ」と考えられていたため、非常に激しい市場争いが展開されたことをよく覚えています。

その中で弊社はどうだったかと申し上げると、正直苦戦した時期もありました。理由を分析すると、弊社の社風によるところが大きかったように思います。レセコンのみを販売していたときから「信頼の経営」を経営理念として掲げ、お客様の満足を第一義に考えて導入後のサポートに力を注ぐ社内文化が定着しているため、力任せの営業を展開する競合他社に押されてしまったのです。

ところが、最近は風向きが変わってきました。一生モノと思われていた電子カルテですが、技術の進化によって、画面の見やすさや操作性が格段に向上し、便利な機能も増えてきたため、買い替えを検討する医療機関が増えたのです。弊社にも買い替えのお問い合わせが非常に多く、この3 ~ 4年は他社からの買い替えが新規のお客様を上回っているほどです。

しかし、なぜデータ移行の手間がかかる買い替えをご検討いただけるのか、当初はわかりませんでした。そこで、お客様に「買い替えを決めた理由」をヒアリングしたのです。

不満の多さが買い替え決断の理由

私は、メーカーの乗り換えを検討するお客様は、機能面や操作性の向上を期待されているのではないかと思っていました。しかし、ほとんどのお客様は予想に反して、メーカーや代理店に対する不満を理由に挙げたのです。「問い合わせの電話がつながらない」、「電話で待たされる」「担当者になかなか変わってくれない」、「担当者が変わってしまい誰だかわからない」といったものから、会社自体が倒産してどこに連絡したらいいかわからないというケースもありました。レセプト請求を取りまとめる月末月初は忙しいため、発生した問題は一刻も早く解決したいのがお客様の思いです。問い合わせで時間を浪費するのは無駄でしかありませんので、不満を抱くのも当然です。

また、中には費用の説明を受けていないと憤るお客様もいらっしゃいました。「法改正によるソフトの更新で、追加費用がかかるとは聞いていない」とのこと。当然、契約書には記載されているでしょうが、コミュニケーション不足なのでしょう。よく聞くと、導入後は担当者が顔を出さず、追加費用が必要なときだけ連絡があったのだそうです。

そうした小さな不満が積もって不信感を募り、買い替えの決断に至ったと打ち明けてくださるお客様は本当に増えています。価格や機能、操作性も当然大切なポイントですが、それよりも「サポート体制が充実していて安心できる」ことを優先するようになったのでしょう。

1stコールからインストラクターが対応

その点、弊社は重層的なサポートに自信があります。まず電話対応としては、サポートコールセンターを設置し、24時間365日体制でお客様のお問い合わせを受け付けています。コールセンターにはマニュアル対応のイメージがありますが、弊社はファーストコールからインストラクターが出ます。お待たせせずに「レセプトの病名の修正方法がわからない」といったご質問にも、すぐ応えられるのです。深夜は人数の都合で受付が出ることもありますが、インストラクターは待機していますので、迅速に対応できます。

この「ファーストコールからインストラクターが対応」というルールを決めたのは、夜中まで作業に追われている医療機関が多いことを長年の経験から知っているからです。ですから、サポートコールセンターには中堅やベテランを配置し、夜間に難題が発生しても、迅速に解決することを目指しています。

“攻めのサポート”で早期解決!

インストラクターによる定期訪問を実施しているのも弊社の大きな特徴です。担当営業がお客様のもとへ訪問するのは当たり前のことですが、営業マンでは細かい操作上の問題に対処できないこともあります。そこで、コールセンターで問い合わせを待つだけでなく、積極的に問題を解決して、快適にレセコンや電子カルテをご利用いただきたくて始めました。実際、「何か困ったことはありませんか」と“御用聞き”のような感じで伺うと、「初歩的なことで問い合わせづらかった」と気軽にご質問いただけます。営業を呼んだりコールセンターに電話をかけたりすれば解決するとわかっていても、「そこまでするほど困っていない」と考えているお客様はやはり多いのです。ちょっとした問題を解決するだけで作業はより効率化できますので、この“攻めのサポート”の重要性を改めて痛感しています。

インストラクターにとっても、定期訪問はスキルアップに役立っています。現場で実際に利用されているお客様と直に接することで、より実践的なアドバイスができるようになるからです。特に今後は、地域包括ケアシステムが構築されていくにあたって他の医療機関や介護施設、薬局などとの連携も重要になりますので、自社取扱のシステムだけでなく、汎用的な知識がインストラクターには求められます。それがお客様の現場を訪問することによって身につきますし、お問い合わせ対応の充実にもつながっています。

情報は即時共有!引き継ぎもスムーズ

こうしたお客様とのやりとりを、担当営業や担当インストラクターだけが知っている状況にしない工夫もしています。社員全員がリアルタイムで共有できるモバイル対応の日報システムを導入し、サポートコールセンターへのお問い合わせ内容もすべて反映しているのです。そのため、たとえ担当者が変更となっても、過去の履歴を参照すればすぐに状況を把握できます。「お客様の状況を共有して誰が対応しても十分にサポートできるようにする」というのは創業時からの弊社の社風ですが、どうしてもチームレベルにとどまりがちですので、全社で対応できるよう標準化しました。

これらの取り組みは、すべて「お客様にとって何が最高なのか」を追求した結果、生まれたものです。だからこそ、稼働時や初回レセプト請求時には必ず立ち会いをいたしますし、医療機関のスタッフさん向けサービスとして、医療現場の接遇講座・レセプト審査対策講座などのセミナーを定期開催しています。さらに、改定時には診療報酬改定セミナー等も行っています。

優れたレセコンや電子カルテをご案内するだけでなく、常に全面的なバックアップを怠らず、お客様のさらなる成長をサポートして喜んでいただく――。それが、私たち中央ビジコムの使命だと考えています。


中央ビジコム株式会社

パナソニック ヘルスケア(株)の医療ITシステム「Medicom(メディコム)」シリーズの正規販売代理店として電子カルテやレセプトコンピュータを取り扱う。サポートは24 時間365日対応。

  • 本社/東京都台東区上野5-3-1 中央ビル3F TEL.03-3836-4929 FAX.03-3836-4925

  • 東東京支店/東京都台東区上野5-3-1 中央ビル3F TEL.03-3836-5735 FAX.03-3836-5742

  • 西東京支店/東京都武蔵野市御殿山1-1-3 クリスタルパークビル8F TEL.0422-70-1611 FAX.0422-70-1612

  • 千葉支店/千葉県船橋市前原西2-12-7 津田沼第一生命ビル6F TEL.047-403-1151 FAX.047-403-1152

  • 神奈川支店/神奈川県横浜市西区北幸2-8-19 横浜西口Kビル7F TEL.045-412-4220 FAX.045-412-4221