2022年度診療報酬改定のポイントと要点

現在、CPA EXPOにてご講演いただいている、東日本税理士法人代表社員 所長、長英一郎様にクリニックが注目するべき2022年度診療報酬改定のポイントと要点についてお話を伺いました。

2022年度診療報酬改定において、ポイントを教えて下さい

まず今回の診療報酬改定で印象的だった点としては、コロナ禍で起きている様々な問題点を解決していこうという姿勢が強く見られたことです。
これまでは厚生局とのやりとり次第では漠然と取れていたような点数が、今回の改定によって取れなくなるケースもたくさん出てくるはずです。
具体的な例を挙げると、診療報酬改定前までは「在宅療養支援診療をやっている」、「地域のかかりつけ医として注力している」というクリニックとしてのスタンスさえあれば、実際に取得できていた点数も多くありました。
その点に関して、今回の改定によってきちんとホームページ上で患者さんにわかる形で掲載されていたり、薬の管理を徹底しているという発信をしていたりしないと、点数を取得できないようになっています。

今回はコロナ禍になって初めての診療報酬改定ということもあり、発熱外来に積極的ではないクリニックに対して警鐘をならすような側面もあるのではないかと感じています。
患者さんに対しての情報提示が必須となったことで、今後この改定への対応次第ではクリニックとしての集客力にも大きく影響してくると考えられます。

今回の診療報酬改定を受けて、クリニックで準備するべきことはありますか?

コロナ禍において患者さんが減ってしまい、なかなか従来の状況に戻らないというクリニックは、何かしらの要因があるはずです。
今回の診療報酬改定には、そのようなクリニックが取るべき対応のヒントが見え隠れしています。
例えば、「発熱外来」、「ワクチン接種」、「オンライン診療」などのキーワードに対しての積極的な対応や貢献が見られると、患者数の減少に対してカバーできるかもしれないというメッセージが見て取れます。
単に外来の患者さんの数を増やしていくということではなく、新たに空いている時間で訪問診療に着手するといった発想が鍵となりそうです。

新型コロナウィルス患者に対しても、第6波が到来するまではとにかく患者さんを入院させることで対応していました。
一方で最近では開業医の先生が診療にあたったり、中等症までの患者さんであれば在宅医療で対応したりといったケースも増えています。
コロナウィルス患者への対応も、病院だけでなくクリニックの役割は増えてくるでしょう。
この点に関してどのような協力体制を整えられるかも、集客力に影響が及ぶ可能性は高いです。

また、クリニックの経営面でのポイントはやはりICT化の対応が重要になります。
オンライン診療を行う上で必須になることはもちろん、例えば他の病院とカンファレンスを行う際にも、地域経営会議に参加するにも、zoomやSkypeといったオンライン会議ツールを使いますので、通信速度やネットワーク環境の整備は、まず間違いなく必要です。
さらにコロナ禍によってBCP対策も一層重視されていくでしょう。
職員が休まないといけなくなった時に在宅ワークに切り替えることはできるか、職員が減った時に業務をうまく回せるかという人材面での環境整備も重要になると考えています。
特にクリニックや診療所では、スタッフ一人一人の作業分担が大きいことも踏まえると、BCPについてどのように考えているかは経営面において重大なポイントとなるはずです。

CPA EXPO講演内容の概要をお聞かせください。

講演テーマ『2022年度診療報酬改定をふまえ診療所として準備したいこと』

今回の改定は病院向けの内容ももちろんたくさんありますが、在宅診療やオンライン診療などクリニック・診療所に大きく関わる改定も多くあります。
特にオンライン診療に関しては、患者さんがそのようなツールもあるということを認識しはじめ、徐々に普及が進んでいます。
高齢者などITリテラシーに不安がある方の活用が不安視されていたものの、ご家族の協力を得ながらLINEやFaceTimeを活用してオンライン診療を実施しているという事例も増えてきつつあります。
今回の診療報酬改定で、対面での診療による点数とオンライン診療の点数がさほど変わらなくなったこともあり、ビジネスとして成り立つ可能性は十分考えられます。
診療報酬改定は答申が出たばかりですので、あくまでも速報版という形になりますが、そのような開業医やクリニックに関連する大きな方向性を中心に伝えていければと考えています。

プロフィール


東日本税理士法人代表社員 所長
診療報酬請求事務能力認定試験有資格者

長 英一郎 氏

医療・福祉分野に特化した会計事務所である東日本税理士法人の代表を務めています。
会計事務所として、開業医やクリニックの先生がクライアントとなっているような直接的なお付き合いはありませんが、講演などで診療報酬改定に関する発信活動などを積極的に行っています。
また、近年では同じく診療報酬改定に関する内容のペーパーバック書籍やKindle電子書籍にて出版活動も行っています。

 

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