アフターコロナの社会でクリニックに求められること / ドクター総合支援センター 近藤 隆二

ドクター総合支援センター 近藤 隆二 様にアフターコロナの社会でクリニックに求められることについてお話をお伺いしました。
近藤様には、現在公開中の診療所マネジメントEXPOでもご講演いただいています。

診療所マネジメントEXPO講演内容をお聞かせください

講演タイトル『アフターコロナのクリニック経営戦略』
クリニック経営は、クリニックという1つのチームを整えることが基盤になります。
そのベースとなるのが、人の気持ちを理解することです。今回の講演では、患者さん・スタッフの気持ち理解する重要性についてお話いたします。
これからのクリニック経営は、想像できないくらい厳しい時代になるでしょう。
そのため、これまで以上に経営にしっかり取り組むことが大切です。クリニックにも一般企業並みの経営努力が求められる時代になったのではないでしょうか。例えば、スタッフ採用はすでに非常に厳しい状況ですが、今後は人手不足により、優秀なスタッフがさらに集まりにくくなると思われます。自院にマッチするスタッフを採用し長く働いてもらえる環境を整える努力が今まで以上に求められます。

開院されたほぼ100%の医師は、スタッフマネジメントの大変さを実感されています。朝から晩まで診療されている中、マネジメントにも携わるってことは非常に大変なことですが、今まで以上に積極的に取り組んでいただければと思います。


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医療コンサルタントとして、どのようなビジョンをお持ちですか

院長先生に対するコーチング
「クリニックの院外経営幹部」という立場で仕事をしておりますが、一番に考えているのは、院長もスタッフも患者さんも皆さんが幸せになるクリニック作りをお手伝いすることです。
クリニックを開院する院長先生はほとんどの場合経営に携わったことがありません。開院後は初めて経験することばかりで不安やストレスを抱えていますが、信頼できる相談相手がいないのが現状です。
そんな院長先生のよろず相談をお受けし、時には耳に痛いこともお伝えするコーチのような存在になって、クリニック経営のサポートに努めていきたいと思います。

クリニックへのサポートとはどのようなものでしょうか

クリニック経営と人生設計の両面をサポート
医業経営コンサルタントの基本となる活動として、月1回、経営会議を行っています。
会議は院長先生と2人で行うことが多いですが、状況によって院長先生の奥様、分院の院長先生など複数で行うこともあります。必要に応じて税理士や社会保険労務士など専門家の方や銀行など企業の方に同席いただくこともあります。
また、経営会議とは別に、スタッフミーティングに参加することもあります。
クリニック内の問題が発生して原因がよくわからない場合などには、スタッフの個別面談などを通して現状を把握し、院長先生と共に原因を追求し解決策を考えています。

あとは、院長先生のライフプランに関すること、例えばご家族やお金のことなどのご相談もお受けしています。必要に応じて信頼できる専門家、企業の方々と協同でサポートさせていただいています。
私自身、医業経営の知識を深めるために継続して医業経営研鑽会などの勉強会に出席しており、そこでご縁をいただいた信頼できる方々のお力をお借りしながら、問題解決のための総合的なサポートをしています。

クリニック経営において大切な考え方を教えてください

人の気持ちを理解して全体を整え続ける
クリニック経営で大切となるのが、人の気持ちを理解することです。

クリニック経営にとって一番重要なのは患者さんの気持ちを理解することですが、それと同等かそれにも増してスタッフの気持ちを理解することが大切です。患者さん・スタッフの気持ちを理解し行動することで、信頼関係を築くことができます。その結果、患者さんからもスタッフからも選び続けられるクリニックになることができるのです。

その結果クリニック経営が上手くいくようになり、院長先生やご家族はもちろん、患者さんやスタッフもみんなが幸せになれるのです。

時代や患者ニーズが変化していく中、これからのクリニックに求められることは何でしょうか

患者さんが必要な情報をピンポイントで伝える
選ばれるクリニックになるためには、患者さんが欲している情報をわかりやすくしっかり伝え続けることが重要です。そうすることで患者さんに受診していただきやすくなります。
どのような情報を伝えれば良いのかは、患者さんの気持ちを考えることで自ずとわかってくると思います。患者さんが欲している情報は何か、どんな情報があれば不安を解消できるのか、どの情報を提供すればクリニックを選んでいただけるのかなどを具現化に考えてみましょう。
私は症状別の情報発信をインターネットを通じて行うことをお勧めしています。患者さんの現在の健康上の不安を解消できる糸口になる情報を提供するのです。不安を持っている人にピンポイントでその人にマッチする情報を提供することで自院を受診していただける可能性が高まります。そして、伝えたことについて患者さんの期待に添えるようしっかり行動すること。言行一致が大切であることは言うまでもありません。

プロフィール


ドクター総合支援センター
近藤隆二 氏

医業経営コンサルタントとして、開業時・開業後の経営計画や財務などお金のマネジメント、集患のためのマーケティングや、チームマネジメントの支援に従事。前職のファイナンシャルプランナーの経験を活かして、開業医の人生設計などプライベートな悩みの解決にも対応しています。
患者さんから選ばれ続けるために重要な情報発信を、医師一人ひとりの個性にマッチするツールを使いながらサポートしています。
セミナーやホームページ・ブログ・メルマガ・YouTube、最近はスタンドFMなどの音声メディアを通じてクリニック経営に関する情報発信を行っています。これまでの経験や知識、ノウハウを詰め込んだ動画講座「クリニック経営講座・入門編」を提供中。