株式会社メディアコンテンツファクトリーが提供するWEB問診システム「SymView[シムビュー]」。業務効率・診察効率改善というツールの本来の目的に加え、クリニックでのコロナ感染対策にも大きな効果を発揮しているとのこと。
同社の代表である毛塚氏にお話を伺いました。
受付・診察効率の向上に役立つクラウド型サービス 「SymView」
―まず初めに、WEB問診「SymView」の概要について教えてください。
「SymView」は、クリニックや医院など医療現場の受付業務・診察効率を大幅に改善するツールです。
患者さんは、診療予約システムやホームページ等から、自分のスマートフォンを使ってWEB問診に回答します。これにより、クリニック側では来院前に必要な情報を詳細に把握することが可能です。また、来院してからでも、紙問診の代わりにご自身のスマートフォンやタブレットなどから回答することもできます。
事前に詳細な情報を把握することで、これまでドクターが診察室で行っていた問診業務の時間短縮、受付スタッフや看護師が患者さんに個別に確認を取ったり、その情報を電子カルテに再入力したり、といった作業の効率化が可能です。
WEB問診での回答内容は電子カルテにワンタッチで転記可能であると同時に、診断推論エンジンによって可能性の高い疾患がリストアップされる機能を備えているので、診察の質の向上にも役立っています。
単純なIT化を図るのではなく、業務効率を改善することを重視しました。
―「SymView」はどのような経緯で開発されたのでしょうか。
元々は日本でiPadの販売が開始された頃に、ドクターが患者さんに説明する際にタブレットを利用して作業効率化を図るツールを開発しようとしたのですが、単純に「デバイスを使用した説明」に変わっただけで患者説明の時間短縮にはつながりにくく、販売を中断したという経緯があります。
そこで、患者コミュニケーションのもう一方の側面である、「患者からドクターへのコミュニケーション」に着目し方向転換を図りました。
いろいろなクリニックで情報収集しているうちに、1つのクリニックの中でも受診目的が感染症なのか、その他の症状か、という具合に複数の問診票を使い分けているケースが多いことに気がつきました。
この作業を効率化し、入り口である程度のトリアージができれば、医療業界全体が抱える働き方改革に貢献できるのでは、と考えたことが開発のきっかけです。
スマートフォンやタブレットを使用するだけではなく、それらを活用してしっかり効率化を図っていくことを心掛けて取り組んできました。
業務効率改善のみならず、診察満足度の向上にも効果を発揮している。
―「SymView」を導入したクリニックではどのように活用されていますか。
SymViewでは、診療科目や外来等、患者さんの目的ごとに標準問診を搭載しています。クリニックで必要な問診を選択したり、標準問診をベースにクリニックごとのカスタイズをしたりして利用していただきます。もちろんクリニックごとのオリジナル問診をゼロから作成することが可能です。
紙の問診票では情報が少ないため、看護師やスタッフなどが追加で聞いていることも多いかと思います。WEB問診であれば、そういった深堀りした質問をあらかじめ設定することができますので、紙問診への追記や看護師の予備問診の代わりとしてもご利用いただけます。
SymViewを導入いただいたクリニックでは、1人あたり1分の時間短縮を達成されています。1日あたり80人を診察とすると、午前40分、午後40分程の時間を削減できることになります。これによりスタッフさんの残業時間も少なくなっているそうです。
2018年11月にリリースして以来、現在は500施設ほどのクリニックに導入いただいています。特に、予約システムの利用率が高い小児科や耳鼻科などで高い評価をいただいています。
また、事前に詳細な症状が把握できるので、必要に応じて診察の順番を変更することで診察室や処置室などを効率的に使うことができます。症状以外の相談ごとについても入力してもらえるため、診察の最後に相談内容にふれることで、患者さんの満足度が向上したという事例も増えてきています。新規患者が獲得しにくい中で、既存の患者さんのロイヤリティ向上は重要になってきます。そういったところでも有効なシステムだと思っています。
なお、運用開始の際には、弊社営業がレクチャーをしっかり行うようにしています。実際に利用いただくスタッフの皆さんに操作方法や患者さんへの案内方法を現場でご説明することで、ITが苦手なスタッフさんにも安心してご利用いただけるよう心掛けています。現場で活用していただくことで、運用開始後の効果も実感しやすくなると思いますので、導入支援は大切にしていきたいと考えています。
コロナ対策として、一部機能を無償で利用できるプロジェクトをスタート。
―新型コロナウイルスにより、利用方法などに影響はありましたか。
新型コロナウイルスの感染拡大以降、「来院前にトリアージできる」ということが大きな意味を持ち始めています。
3月頃に厚労省から「4日以上の発熱」「嗅覚味覚異常」「海外渡航歴のある人の濃厚接触者」に関する注意喚起が出たタイミングで、これらに該当するかどうかの項目を標準問診質問として追加するかどうかを利用クリニックに打診したところ、多くの反響をいただきました。
これまで事前トリアージの必要性があまり強くなかった皮膚科や整形外科なども含めて、一気に認知が広まったような印象があります。
そのような影響もあり、現在期間限定という形ではありますが、一部機能を無償でご利用いただけるプロジェクトを実施しています。(SymView Covid19 PROJECT)
患者間で感染を拡大させないことはもちろん、ドクターやスタッフの感染を予防することは日本医療全体の問題ですので、医療体制の維持に少しでも貢献できればと考えています。
今後の展開としては、今冬のコロナとインフルエンザの同時流行を見据えたSymViewの活用方法をご提案していきたいと考えています。インフルエンザワクチンの予診票をWEB問診で行うことで業務効率化ができますので、SymViewの活用方法をご案内しています。
また、多くのクリニックでコロナの感染が否定できない発熱等の症状がある患者さんを診る機会が増えてくるかと思います。院内での感染対策のため、発熱外来で利用する問診の準備を急ピッチで進めているところです。今後も、医療現場の状況に即した利用方法を柔軟にご提案したり、機能や問診もスピード感をもってアップデートできるサービスでありたいと思っています。
CPAカンファレンス2020(オンライン開催)
コロナ禍、多様化する患者アクセスにおけるWEB問診活用法―感染対策と業務効率を両立させる患者コミュニケーション―
今回、お話を伺いました毛塚様には上記テーマにて2020年11月1日(日)開催のCPAカンファレンス2020にご登壇いただきます。ぜひご参加ください。
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