はじめに
クリニックの効率的な運営には、スタッフ間の円滑なコミュニケーションが不可欠です。しかし現場では、「診察室と受付の動線が分断されている」「時短勤務のスタッフへの伝達にタイムロスが生じる」「忙しい先生に話しかけにくい」など、コミュニケーションに関する物理的・時間的・心理的障壁が存在するのが実情です。
こうしたクリニック独特の課題を解決し、「患者さんが通いたくなる医院づくり」を後押しすべく誕生したのが、クリニック専用_情報共有アプリ「ドクターズ・ファイル メディパシー(以下、メディパシー)」です。
すでに1,500件以上のクリニックで導入され、医療現場の業務効率を大幅に向上させているそうです。
本日は「メディパシー」を開発する株式会社ギミックの大石さんから、その特徴や具体的な活用事例を伺いました。
※掲載当時のインタビューに基づきます。
本日はクリニック専用の情報共有アプリ「メディパシー」についてお話を伺います。
大石さん、よろしくお願いします。
よろしくお願いいたします。
株式会社ギミックといえば「ドクターズ・ファイル」という総合医療情報サイトが有名ですね。
はい。医療情報の発信を続ける中で、情報提供だけでは解決できない現場の課題に気が付きました。
私たちのソリューションで提供できるものは何か考え「メディパシー」の開発に至りました。
メディパシーの概要と特徴
情報発信にとどまらず、現場の課題解決にも取り組まれているのですね。
では最初に、メディパシーの概要と特徴を教えてください。
メディパシーは、クリニック専用に設計された情報共有アプリです。
基本料金は無料で、チャット機能、タスク管理機能、掲示板機能、音声入力機能(アプリ版のみ)を搭載し、リアルタイムでの情報共有や、スタッフ間のコミュニケーションの見える化を実現します。
メディパシーはクリニックに特化したシンプルな機能が特徴です。
クリニックの業務に必要な機能だけを厳選していますので、汎用的なビジネスチャットツールとは異なり、IT機器が苦手なスタッフでも簡単に使いこなせる設計です。また、必要に応じて、時間を指定して配信できる「予約配信機能」などをカスタマイズすることが可能です。先生方のご要望を随時反映して、月に1回程度の機能改修やアップデートを行っております。
クリニック専用設計の重要性とメリット
クリニックに特化した設計について、もう少し詳しく教えてください。
はい。クリニックは、診察室と受付の動線が分断されていたり、個室が多かったりと、
スタッフ間のコミュニケーションが取りづらい環境にあります。
また、忙しい時間帯に話しかけにくいという心理的な壁も存在し、これが紙の伝言や口頭でのやり取りを増やし、情報共有のタイムロスや情報漏洩のリスクを生んでいました。
掲示板機能や既読スタンプを活用することで、シフト制のクリニックにありがちな「誰に何が伝わっているかわからない」状況を簡単な操作のみで解決することができます。
また、メディパシーは、医療情報を安全に扱うために医療情報に関する3省2ガイドラインに準拠しており、セキュリティ面でも安心してご利用いただけます。
クリニックでは専従のIT管理者がいないことも多いですよね。
セキュリティがしっかりしていて、ITに慣れていない人でも使いやすいというのは安心ですね。
そうですね。
管理者の承認を得ないと参加できない仕組みなので、プライベートチャットとは異なり、守られた環境と限られたメンバーでやりとりできる点もメリットといえます。
プロダクトの誕生ストーリーを教えてください
メディパシーはどのようなきっかけで開発されたのでしょうか?
コロナ禍でテキストコミュニケーションの重要性が急速に高まったことがきっかけです。
新型コロナウイルスの影響で、医療現場でも対面以外のコミュニケーション手段が求められるようになりました。また、すでに医療業界以外ではビジネスチャットツールが普及しており、業務効率化やコミュニケーションの円滑化に大きく貢献していました。
こうした背景から、テキストでのコミュニケーションツールが医療現場でも業務の効率化に役立つのではないかと考え、2021年よりメディパシーの開発プロジェクトが始動しました。
開発にあたってクリニックの院長やスタッフへの事前調査をしました。すると、物理的に空間が分断されていることによるコミュニケーションの問題や、忙しい中で話しかけにくいという心理的な障壁といった課題が浮き彫りになりました。
こういったクリニック独特の課題を解決し、業務負荷の軽減と効率化を目指して開発に取り組みました。
クリニックでの具体的な活用事例
時代に合わせて重要性が増してきているコミュニケーションツールを、クリニックに特化した形で開発されたのですね。
クリニックでの具体的な活用事例を教えてください。
はい。今回は3つに絞ってご紹介します。
内科クリニックの事例
ある内科クリニック様では、スタッフとの面談時間が十分に確保できず、悩みや不満を共有する機会が不足しているという課題を抱えていました。そこで、メディパシーを導入すると、チャットを通じてスタッフからの相談を受け付けることが可能になり、業務や職場環境の改善に大きく役立ったと伺いました。
整形外科の事例
整形外科様では、口頭や付箋を用いた伝言形式で情報を共有していましたが、時短勤務のスタッフへの伝達にタイムロスが生じ、「誰に何を伝えたかわからなくなる」といった悩みがありました。そこで、メディパシーの掲示板機能を活用することで、全スタッフに重要事項を一斉周知できるようになりました。既読スタンプを使うことで、確認状況も把握できるようになったため、タイムロスが解消され、業務効率が向上したといった事例です。
歯科クリニックの事例
これは、歯科クリニック様の事例になりますが、以前からコミュニケーションツールとしてLINEを使用されていたようですが、LINEはスタッフがプライベートでも使っている人がいるため、部外者への誤送信といったリスクが懸念されていました。メディパシーを導入してからは、情報漏洩のリスクを防げるだけでなく、スタッフがプライベートと業務を区別しやすくなったとご評価をいただいております。
こんなクリニックにおすすめ
メディパシーは多様なコミュニケーション課題の改善に役立っているのですね。スタッフの相談を受けやすくなることで、離職率を下げる効果も期待できそうです。
特にメディパシーをおすすめしたいのはどのようなクリニックですか?
形態問わず、すべてのクリニックですね。
ただ中でも、「スタッフの方の定着・育成、チームワークの強化」に課題を感じられている方にはおすすめです。
対面コミュニケーションにおける隔たりとなる、物理的・時間的・心理的ハードルを解消できるため、既に導入いただいている先生からは「対面だとなかなか発言がないスタッフとのコミュニケーションが活発化した」なんて声もいただきます。密な連携をとることでスタッフ全員の目線合わせもしやすくなり、チームとしての一体感も醸成しやすくなります。
また、メディパシーは、コミュニケーションによるストレスを軽減するだけでなく、医療安全管理の面でも非常に効果的です。アプリを活用してテキストベースで情報を共有することで、スタッフそれぞれが都合の良いタイミングで確実に情報を確認できます。重要な連絡事項が見逃されるリスクを減らし、安全な医療環境を維持することが可能です。
既にプライベート用のチャットツールを院内業務用として使っていたとしても、情報漏洩リスクなどのセキュリティ面に不安を抱えられている方には、メディパシーは大いに役立つと考えています。
このように、情報の整理に課題を感じている先生方には是非ご活用いただきたいです。
大石さん、本日はありがとうございました。