PACSの常識を覆すLOOKREC|開業クリニックでの導入が広がる理由を開発者に聞いた

LOOKRECインタビュー記事。医師が開発した次世代PACS

開業医が注目する画像管理の新定番


今回は、医療画像管理の新たなスタンダードとして注目されるクラウドサービス「LOOKREC(ルックレック)」について、インタビューを行いました。

近年、クリニックを中心にクラウド型PACS(画像保存通信システム)の導入が進むなか、LOOKRECは従来のPACSを超える柔軟性を備えた「クラウド型DICOMプラットフォーム」として、開業医の間でも口コミを通じて利用が広がりつつあります。

お話を伺ったのは、LOOKRECを提供する株式会社エムネスの創業者であり、現役の放射線科医でもある北村直幸先生。開発の背景やサービスの特徴、実際の活用事例、そして今後の展望について、詳しく語っていただきました。

※掲載当時のインタビューに基づきます。

ゴーリー
ゴーリー

北村先生、本日はよろしくお願いします。

北村氏
北村氏

はい、よろしくお願いします。

LOOKRECの特徴と仕組み

ゴーリー
ゴーリー

まずは、LOOKRECのサービス概要について教えてください。

北村氏
北村氏

LOOKRECは、クラウド型の医療画像管理(DICOM)プラットフォームであり、主に4つの機能を備えています。

まず、CTやMRIなどで撮影した画像データを安全に保管し、必要なときにすぐ取り出せる保存(アーカイブ)機能
次に、医療画像をPCやタブレット上で確認できる、見る(ビューワ)機能
さらに、診療記録や所見を簡便に作成できる記録(レポート作成)機能も搭載されています。
そして、これらの画像やレポートを医療関係者間でスムーズに共有できる共有機能により、他院との連携や外部への読影依頼などにも活用されています。

LOOKRECためる・記録する・見る・共有する
ゴーリー
ゴーリー

PACSとしての機能だけでなく、診療や連携業務全体を支えるプラットフォームとしても機能しているんですね。

北村氏
北村氏

はい。LOOKRECは、現場の医師目線でシンプルで使いやすい設計を追求して開発され、
クリニックを中心に1,430施設(※2025年6月時点)を超える医療機関に導入いただいています。

また、必要に応じて遠隔読影コンサル機能など、用途に応じて機能を拡張できる柔軟性も備えています。
フルクラウドの利点を生かし、リアルタイムにて他院との画像共有が可能になるため、診療所が中核病院に患者を紹介する際や、異なる専門家の医師に匿名化した画像を診てもらえるなど、地域医療連携を円滑にする情報共有システムとしてもご評価いただいています。

LOOKREC基本機能・オプション機能

医師の現場感から生まれた開発背景

ゴーリー
ゴーリー

なぜこのようなサービスを開発しようと思われたのでしょうか?

北村氏
北村氏

私は放射線科医でして、当社は遠隔画像診断の会社として2000年に創業しました。
その中で、医療現場では画像を共有する際に、CD-ROMに焼いて送付するといったやり取りが未だに主流なことに疑問を感じたんです。

「結局見るのは画面なんだから、クラウドを介して画面上だけで完結した方がいいのでは?」と。

そこから、自分たちで使いやすい画像管理システムを作ろうと思い、LOOKRECの開発に着手しました。

ゴーリー
ゴーリー

現場の医師としての「違和感」が出発点だったんですね。

北村氏
北村氏

そのとおりです。
現場での「使いやすさ」を何よりも重視して開発してきたのですが、気がつけば、今では私自身が一番のヘビーユーザーとして、日常的に使い込んでいます。

実際に導入いただいたクリニックでは、あまりデジタルに強くない方でも操作につまずくことなく、日常業務の中で問題なく活用されているケースが多く見られます。直感的に使いやすい点が、現場で評価されている大きな特徴のひとつです。

LOOKREC北村様右向き

料金体系

ゴーリー
ゴーリー

ホームページを拝見したとき、「導入費・更新費0円」というのが目に入って驚きました。
もう少し詳しく料金体系を教えていただけますか?

北村氏
北村氏

はい。クリニックであれば、導入費用は基本的に0円です。

訪問を伴う対応が必要な場合、別途費用が発生しますが、オンライン対応で完結するケースであれば追加費用は発生しません。

また、クラウド型なので、ソフトウェアの更新タイミングでも追加の費用はかかりません

月額利用料については、データ量や使用状況によって異なりますが、多くのクリニック様では1万円台から3万円程度でご利用いただいています
従来のオンプレミス型PACSのように、導入や更新のたびに何百万円もかかるということはなく、長期的に見てもコストパフォーマンスの高い仕組みとしてご評価いただいています。

ゴーリー
ゴーリー

更新のたびに高額な費用がかからないというのは、クリニック経営の観点から見ても安心感がありますし、継続的に利用しやすい仕組みですね

北村氏
北村氏

そうですね。開業時は、「どこにどれだけ予算をかけるか」が非常にシビアに問われます。
その中で、費用対効果の高いサービスとしてLOOKRECを選ばれる先生が多いですね。

また、既存のオンプレミス型PACSから乗り換えたケースでも、保守費や更新費の大幅なコストダウンが実現できるため、そうした理由でリプレイスされることもあります。

さらに、クラウドに切り替えることで、保管年数や物理的なスペースの制約を受けることなく、5年、10年といった長期間にわたる画像保存が可能になります。
医療画像は一時的に確認して終わりというものではなく、時間の経過とともに比較・評価してこそ意味があるデータです。そのため、スペースに限りのあるクリニックでも、保存容量を気にせずに画像を継続的に活用できるという点は、患者さんにとっても大きなメリットだと考えています。

クリニックでの導入・活用事例

ゴーリー
ゴーリー

実際に導入された医療機関での活用例があれば教えてください。

北村氏
北村氏

はい。開業と同時に導入されたケースや、既存システムからのリプレイスとして導入されたケースなど、さまざまな活用事例があります。

【開業時での導入事例】開業時から他システムとのクラウド連携を重視

開業のタイミングで導入されるケースとしては、クラウド型電子カルテや予約システムとスムーズに連携できるPACSを検討されるケースです。複数のクラウド型PACSを比較したうえで、唯一のフルクラウド型だったとLOOKRECを導入いただくケースも多いです。
開業時での導入の際は、初期費用や更新費がかからずにコストメリットが大きい点や、セキュリティや保守の面でも安心して任せられる点をご評価いただいています。

また、導入後は、病診連携先の病院と同じ画面をリアルタイムで共有しながら相談できるなど、医療連携を強化するツールとしても活用されるケースもございます。

【リプレイスでの導入事例】CD-ROMでの保管からの脱却で業務効率が大幅改善

次に、LOOKRECの導入前は画像をCD-ROMに焼いて保管・管理しており、過去の画像を探し出すのに10分ほどかかるなど、業務負担の大きさが課題だったクリニック様でリプレイスとして導入いただいたケースをご紹介します。

LOOKRECを導入したことで、過去画像も約10秒で閲覧できるようになり、診療効率が大きく向上したとご評価いただいています。
また、電子カルテとの連携もスムーズで、自宅で画像を確認しながら診断書を作成するなど、柔軟な働き方を支える面でも活用されています。

学会や研究分野におけるLOOKRECの活用

ゴーリー
ゴーリー

研究分野でも活用されていると伺いましたが、具体的にどのような事例がありますか?

北村氏
北村氏

LOOKRECのビューワがベースとなった
「LOOKREC Conference Edition(ルックレック カンファレンス エディション)」が活用されています。

学会などで実施される症例検討会だと、参加者には診断のキーとなる画像が数枚しか確認できず、検査全体の画像を見ることができないまま読影する形が通例でした。
しかし、LOOKREC Conference Editionを使用することで、専用ソフトのインストールやユーザー登録をせずとも、各自の端末でURLをクリック、またはQRコードを読み込むだけで、症例の詳細画像を閲覧(読影)することが可能となります。これにより十分な情報を得たうえで症例検討が実施でき、より医師の学びが深くなります。

なお、LOOKREC Conference Editionは、放射線科最大の学会・JRS総会(日本医学放射線学会総会)のイメージ・インタープリテーション・セッションやハンズオンセミナーでも継続採用されており、高い評価をいただいています。

また、他科の学会でも採用されるなど、教育分野においてもLOOKRECの広がりをみせています。

今後のビジョン

ゴーリー
ゴーリー

LOOKRECとして、今後どういった方向を目指していくのでしょうか?

北村氏
北村氏

LOOKRECは常にアップデートし続けている状態で、オプションにはなりますが、患者さんに視覚的に説明しやすくなる3Dビューワにも対応していますし、最近ですとAIによる診断補助のオプションなどもリリース予定です。
今後も、本当に必要な機能を厳選し、どんどん良くなるようにアップデートしていきます。

私たちが企業として目指しているのは「医療の民主化」、つまり患者情報の“ハブ”的存在になることです。
画像データにとどまらず、レポート報告書、電子カルテの情報や検査データなどの診療情報の集約化に取り組んでおり、患者さんが自分の医療データにいつでもアクセスできる仕組みをつくることを目指しています。

現在の医療機関では、患者情報が患者さん自身の手元に届きにくい状況にあります。
患者さんが自らの医療データを手元に持ち、それをいつでも・どこでも適切な形で医師に提供できるようになることで、連続性のある医療情報が医療者に伝わりやすくなり、結果として医療の質の向上につながると考えています。

そして、そのような仕組みが社会全体に広がれば、地域や国といった地理的な制約に左右されることなく、誰もが等しく良質な医療にアクセスできる社会の実現が可能になるはずです。

私たちは、そうした未来を見据えながら、今後も医療機関同士の連携や情報共有の仕組みづくりに力を入れて取り組んでいきたいと考えています。

LOOKREC北村様左

開業医へのメッセージ

ゴーリー
ゴーリー

最後に、これからクリニックを開業される先生方へメッセージをお願いします。

北村氏
北村氏

手間や時間をかけずに医用画像のやりとりができることは、想像以上に利便性が高く、スピード感をもった医療が可能となります。MRIやCTなどの医療機器を導入されている、あるいは導入予定の施設であれば、LOOKRECの良さを必ず感じていただけると思います。

LOOKRECでは導入費や更新費が0円〜と初期費用を抑えられることから、集患数が読みづらい開業タイミングの先生方から「導入しやすい!」とご好評をいただいています。

また、今後必須となってくるであろう医療連携や遠隔医療などにも対応しやすく、クリニックのやりたいことや規模に応じて拡張性の幅があることもLOOKRECの特徴です。

今日のお話が、検討材料のひとつになれば幸いです。

ゴーリー
ゴーリー

北村先生、本日はありがとうございました!

取材後記:診療を知る人がつくったPACSは、やっぱり使いやすい

LOOKRECは、現場の医師である北村先生ご自身の違和感を出発点に開発された、まさに医療現場起点の「こんなものがほしい」を実現させたプロダクトです。
クラウド型であること、導入・更新にかかるコストの軽さ、そして直感的に操作できる使い勝手など、開業医が「導入しやすく、続けやすい」と感じられる要素が丁寧に組み込まれている印象を受けました。

特に印象的だったのは、LOOKRECが「患者自身が医療情報を持つ時代」を見据えて設計されていることです。
診療の今を変えるだけでなく、将来の医療のかたちにも自然にフィットしていく——。
そんな設計思想が、プロダクトの随所に息づいています。

多忙な開業医にとってシステム導入は、時に「負担が増える」と感じられるものかもしれません。
しかし、LOOKRECはその逆で、日々の診療における手間や目に見えない負担を減らし、医師が本来の仕事に集中できる時間を取り戻すためのツールと言えるでしょう。

使う人の目線を理解しているからこそ、無理なく、長く付き合っていける。
LOOKRECは、医療ITがあるべき姿を静かに体現しているように感じられました。

LOOKREC北村様正面

株式会社エムネス
エグゼクティブアドバイザー  ファウンダー 北村直幸 氏

1993年広島大学医学部卒業。放射線診断専門医。病院勤務を経て、2000年に遠隔画像診断センター「エムネス」設立。2007年~2020年3月末まで株式会社エムネス代表取締役を務めた後、取締役副会長ファウンダーに就任。2015年、検査センター「霞クリニック」を開院し、院長を兼務する。2025年6月、取締役を退任。エグゼクティブアドバイザー  ファウンダーとして引き続きエムネスに伴走する。

会社概要
会社名  :株式会社エムネス
所在地  :広島県広島市南区東雲本町1-2-27
代表者  :代表取締役社長 阿部 伸一 氏
事業内容:クラウド型医療情報管理共有システム「LOOKREC」の提供、遠隔画像診断サービス・遠隔病理診断サービスなど

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この記事の執筆監修者

DOCWEB編集部(一般社団法人 DOC TOKYO)

DOCWEB編集部は、2016年の設立以来、一貫してクリニック経営者の皆さまに向けて、診療業務の合理化・効率化に役立つ情報を発信しています。
クリニックの運営や医療業務の改善に関する専門知識をもとに、医療機関の実務に役立つ情報を厳選してお届けしています。