講演者:森 健策 氏
所属先:名古屋大学大学院 情報学研究科 教授
動画詳細
現在、機械学習を使った画像診断システムは多く提供されています。しかし、私たちの研究実例を踏まえ、具体的なメリットを紹介します。
AI診断が普及すれば、医療のあり方も変わります。今後は医療現場全体でAI技術が活用され、患者の症状を高い精度で診断・治療補助できるでしょう。
AI診断の普及により、診療時の見落としを減らし、業務の効率化が可能です。例えば、大腸内視鏡検査においてAIを活用することでポリープなどの症状を見逃すリスクを低減できます。また、AIが症状のレポートや画像所見を自動生成し、医師がそれをチェックするだけで済むため、業務効率が向上します。
医師がAIを活用するためには、AIの特性を把握し、コントロールすることが必要です。診断の全てをAIに委ねるのではなく、AIを診断支援ツールとして捉え、医師の判断と組み合わせることが重要です。
業務効率化が実現した先には、医師の働き方も変化します。時間と手間が削減されることでより多くの患者を診ることが可能になります。また、症状の見逃しや医療ミスのリスクも低減され、患者の信頼性向上にもつながるでしょう。
講演者プロフィール
名古屋大学大学院 情報学研究科 教授
森 健策 氏
1991年から医療画像処理の研究に携わっており、病院で撮影されるCT画像や内視鏡画像といった画像処理の部分を研究してきました。
1992年に名古屋大学工学部卒業後、1996年9月に博士号を取得しています。
近年では、機械学習技術による医療画像認識を組み合わせた診断・治療支援システム開発にも注力しており、AIがどのように画像を理解し、病気がどのように広まっていくと認識しているのかという研究を行っています。
また、名古屋大学情報基盤センターのセンター長も務めており、スーパーコンピューター不老を用いた非常に大きな計算基盤を使った研究や、ロボット技術によって自動で内視鏡手術を行うシステムの開発も進めているところです。