新規開業医に「在宅」「救急」の提供求める方針

厚生労働省の医療従事者の需給に関する検討会「医師需給分科会」が昨年 12 月 26 日に開かれ、外来医療機能の偏在対策として、外来医師が多い地域で診療所の新規開業を行う場合は、在宅医療や救急医療などの役割を担うことを求める案が示され、了承された。新規開業する場合は、新規開設の届出様式に、地域で定める不足医療機能を担うことへの合意を記載する欄を設ける方針。

無床診療所の外来医療の開業医は、政令市や中核市など都市部への偏りが課題となっている。また、近年は高齢者救急搬送が増加しており、重症度別では、軽症・中等症が多く、初期救急医療や在宅医療への対応が必要とされている。

そこで、外来医師が多い区域で診療所の新規開業を行う場合は、地域で定める不足医療機能を補ってもらおうと、在宅医療や、診療所が対応可能な夜間や休日の診療を行う救急医療、学校医や産業医、予防接種を行う公衆衛生などの機能を担うよう求めていく。実効性を持たせるため、新規開業者が地域の外来医療提供方針に従わない場合は、臨時の協議の場へ出席要請したり、都道府県医療審議会に報告したりすることを想定している。

また、地域における救急医療提供体制の構築や、グループ診療の推進、医療設備・機器等の共同利用など、外来医療機関間での機能分化・連携が求められている。分科会では、外来医療機能の全体像などに関して議論された。

限られた医療資源を有効に活用するため、地域にどのような医療機能が不足しているか、地域ごとに検討・協議を進める案が示された。医療提供体制について、それぞれの診療所(外来医療機能)がどのような役割を担い、地域全体としての外来医療提供体制を構築していくかを協議していくことになる。その地域の協議の場は、原則として、二次医療圏単位とするが、必要に応じて地域医療構想調整会議を活用したり、市区町村単位等での議論が必要なものについては、地域の実情に応じた柔軟な対応を可能としたりする。