熊本地域医療センター(熊本市中央区)で、看護師の日勤と夜勤を制服で色分けして、残業時間の削減につなげる取り組みが効果を上げている。一目で勤務時間帯が分かるため、同僚間の指示を効率化する狙い。働き方改革が難しい医療現場の先進事例として、注目を集めている。
発案したのは、前院長の廣田昌彦医師。就業前の早出や残業が常態化していた入院病棟の労務改善につなげようと、攻守で分業が確立したアメリカンフットボールをヒントに考案。2014年度から取り入れた。
対象は病棟の看護師約200人。日勤の制服を赤、夜勤を緑にしたところ、前年度に1人当たり年約110時間あった残業が半減。18年度には約20時間と5分の1まで減り、19年の日本看護協会(東京)の先進事例表彰で最優秀賞に輝いた。
同センターでは毎日、日勤が54人、夜勤が20人。「勤務終了が近い人には新たな仕事を声掛けしない。分かりやすくて医師の側も助かる」と清住雄昭院長。残業すると色違いの制服が目立ち、個々人も定時退勤を心掛けるようになったという。
音楽で終業1時間前を知らせる仕組みも作ったほか、職員の病欠や患者の容体急変で人手が不足する場合に備えて、内科、外科、小児科など複数の科の業務をこなせる看護師も養成。日常的に人材交流を進め、支援しやすい態勢をつくった。
こうした労務改善は、看護師が産休や育休を取りやすい環境にもつながり、離職率が1割未満と半減。働きやすい職場として採用面でもプラスに働いているという。
大平久美看護部長は「定時退社が広まり、スキルアップに必要な研修会も受講しやすくなった。労務改善を看護技術の向上にもつなげていきたい」と話している。
(2020年1月10日付 熊本日日新聞朝刊より)
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