産婦人科のオンライン診療に関する意識調査 ~患者視点のオンライン診療のメリットや課題とは~

株式会社エムティーアイが運営する、ライフステージや悩みにあわせて女性の一生をサポートする健康情報サービス『ルナルナ』では、定期的にサービス内で様々な意識調査を行っている。
多くのユーザーから回答が寄せられ、生理やカラダに関する内容をはじめ、ほかでは聞けない女性の悩みや本音が明らかになっている。
今回のVol.40では、この度の新型コロナウイルス感染症で注目が集まっている“オンライン診療”に関する調査結果を届ける。対面診療とは異なりビデオ通話などで診療を受けられるオンライン診療は外出や通院などによる感染症のリスクを減らせることからも、医師が可能と判断した場合は時限的に、これまで対面が原則であった初診患者についてもオンライン診療が可能となる旨が厚生労働省から通達※された。これらの流れを受けて現在急速に広がるオンライン診療について、今回は産婦人科の領域に絞ったルナルナユーザーの声を集め、患者視点ではどのようなメリットや課題があるかを明らかにした。今後の世の中にオンライン診療が選択肢として定着するのか注目される。

※令和2年4月10日 新型コロナウイルス感染症の拡大に際しての電話や情報通信機器を用いた診療等の時限的・特措的な取扱いについて

https://www.mhlw.go.jp/content/R20410tuuchi.pdf

■6つのニュースポイント
1.産婦人科のオンライン診療経験者は、わずか1.3%
2.オンライン診療の受診内容としては「薬の処方」が第1位。ピル処方で活用される傾向。
3.オンライン診療の魅力は時間の短縮。6割以上が「30分未満」で受診から診療まで完了!
4.対面診療のメリットはやはり安心感と柔軟さ。これからの時代は使い分けがカギ?
5.オンライン診療を経験した患者の9割以上が「また利用したい」と回答
6.産婦人科に特化した『ルナルナ オンライン診療』が全国でも導入拡大中

産婦人科でのオンライン診療の経験者はわずか1.3%…!受診内容は「薬の処方」が過半数

Q. これまで、対面診療やオンライン診療で産婦人科を受診したことがありますか。

最初に、産婦人科を受診した経験をたずねてみると、「対面でのみ受診したことがある」49.1%が最も多い結果となった。オンライン診療を受けたことのある人は、「オンラインでのみ受診したことがある」0.3%、「対面でもオンラインでも受診したことがある」1.0%を合わせても1.3%と、対面診療と比較するとまだまだ未経験の人が多いことがわかる。

Q. 受診内容として当てはまるものを教えてください。(複数回答:上位5つ)

次に、 対面とオンライン、それぞれの受診内容を聞いてみた。
オンライン診療での受診内容は、「服用する薬の処方」50.5%が2位以降に差をつける形で1位となっており、対面診療の場合は、やはり「がん検診」41.6%、「妊婦健診」39.1%、「妊娠検査」37.8%などが上位となった。オンライン診療の受診内容1位である薬の処方の内訳としては、「ピル処方(避妊目的)」44.6%、「ピル処方(月経困難症など治療目的)」39.3%、「緊急避妊薬(モーニングアフターピル)」16.1%となり、薬の処方に関してはオンライン診療に置き換わるケースが多いことがわかる。

オンライン診療を受けるきっかけは「感染症予防」が1位!新型コロナウイルスの影響?

Q. オンライン診療を受診した動機を教えてください。(複数回答)

オンライン診療を受診した動機についてたずねると、「感染症の予防になるから」39.6%が1位という結果となり、今回の新型コロナウイルスの感染拡大の影響がうかがえる。2位は「通院が面倒だから」37.4%、3位は「待ち時間が煩わしいから」28.6%と続き、移動時間や待ち時間が発生する通院を手間と捉えている人も多い様子。

Q. オンライン診療を受診した医療機関について教えてください。

オンライン診療を経験した女性を対象に、受診した医療機関について聞いてみると、「初診で、オンラインで受けられるクリニックを探して受診した」48.5%が最も多い回答となった。一方でかかりつけの婦人科でオンライン診療を受けた人は17.5%にとどまっている。感染症予防の意識からか、かかりつけの医療機関ではなくわざわざオンライン診療を受けられるクリニックを探した人が多かったのかもしれない。

「時間短縮」、「安心感」…。オンライン診療・対面診療、それぞれの魅力とは?!

Q. オンライン診療を受診した際、メリットとして感じたことを教えてください。(複数回答:上位5つ)

では、具体的なオンライン診療のメリットとはどのようなものなのか。
メリットの1位としてあげられたのは「通院や待ち時間がなく時間が短縮できる」77.3%で、自宅などでも受けられるオンライン診療はやはり時間の短縮が大きな魅力のひとつとなっている。
2位は「薬が自宅へ届く」65.9%となり、産婦人科のクリニックは院内処方のケースも多いことなどから、処方までオンラインで行えるという利点が多くの患者に選ばれた。オンライン診療を受診した動機としては1位だった感染症予防の観点は、3位の「感染症などのリスクが減る」46.6%であげられ、やはり上位だったものの、実際のオンライン診療患者からすると、時間の短縮や薬の郵送などの方がよりメリットとして感じられている。

Q. 対面診療のメリットとして感じている点を教えてください。(複数回答:上位5つ)

では、対面診療のメリットはどのようなものなのか。結果は、「対面で話せることで安心できる」73.5%、「触診などがあるため、診療に対する納得感が大きい」69.9%、「心配があれば予定になかった検査などもその場でしてもらえる」55.9%が上位にあがった。
やはり対面診療には医師と直接話せるからこそ得られる安心感や、その場で治療や検査などの様々な対応・選択ができる柔軟さがあるため、そこを魅力と捉えている人が多いのかもしれない。

実際はどのくらいかかる?オンライン診療と対面診療の所要時間

Q. 受診のためにかかる所要時間はどのくらいでしたか。

時間についての回答が多くみられたため、続いてはオンライン診療と対面診療の気になる時間について詳しく比較してみた。
その結果、なんとオンライン診療の所要時間(受診から診療完了まで)は、「30分未満」64.0%が最も多くなり、「30分から1時間」24.4%と合わせると、約9割の患者が1時間以内で受診を終えられている。
一方で対面診療の場合は、通院時間や待ち時間も含めて聞いているため、「30分未満」と回答した人は8.8%にとどまり、「1時間から2時間」47.0%が最も多い結果となった。3時間以上を要する人も10%以上にのぼるように、オンライン診療と比べると所要時間が2、3倍になることが多い様子。

それぞれの診療形式における課題も比較!

Q. オンライン診療を受診した際、不安に感じたことや改善すべきと感じた点を教えてください。(複数回答:上位5つ)

次に、それぞれの診療における課題についても聞いてみた。
オンライン診療を受診した際に不安に感じたこととしては「触診や検査がないため、不安が残った」、「薬がきちんと届くのか心配だった」が同率で27.9%と最も多い結果となった。これは対面診療のメリットとしてあげられた回答の裏返しの結果となり、受診内容によってはきちんと医師にカラダの状態を確認してもらったり、検査をしてもらいたいときもあるため、オンライン診療だけでは不安なケースもあると思われる。
また、薬がきちんと届くかの不安については、まだまだオンライン診療の仕組みが日常生活に定着していないからこそ生まれる懸念点なのかもしれない。

Q. 対面診療の課題や、改善して欲しい点があれば教えてください。(複数回答)

一方、対面診療の課題としては、「診療や会計の待ち時間が長い」67.3%が1位となり、待ち時間が最大の懸念点であることがうかがえる。2位には「予約の時間通りに診療が始まらない」46.9%があげられ、そのときのクリニックの状況などによってなかなか時間が読めない点が、対面診療を受ける患者にとってのストレスとなっている。
オンライン診療と対面診療、どちらにもメリットやデメリットはあることがルナルナユーザーの声により改めてわかったが、だからこそ今後はどちらかだけを選ぶのではなく、世の中の状況や自分が受診したい内容によってうまく使い分けることで、より自分にあった診療のかたちを見つけられるのではないだろうか。

産婦人科のオンライン診療、経験者は今後も利用したいが多数派。未経験者は受診への迷いが…

Q. 今後もオンライン診療を利用したいと思いますか。

オンライン診療を実際に経験した人を対象に、今後もオンライン診療を利用したいかを尋ねてみると「対面診療が難しいときは利用したい」51.8%、「今後も積極的に利用したい」41.2%となり、合わせると9割以上の人が今後も利用したいと回答した。
利用したい理由としては以下のような自由回答が寄せられた。
・仕事をしながらの通院は難しいため
・子連れでの病院通いが大変で、自宅に薬が届くと便利。また時間を気にしたり予定を合わせる必要がないため
・検査結果の説明程度ならば逆にオンライン診察の方が時間の無駄がなく働く女性にはとても良いシステムだと思ったため
・近くに産婦人科がなく、いつも電車に乗って行かないといけないのがすごく面倒だったが、オンラインなら家で話せて、薬も自宅に届くのですごく楽

Q. 産婦人科のオンライン診療を受けたことがない方へ。機会があればオンライン診療を受けたいと思いますか。

まだ産婦人科のオンライン診療を受けたことのない人へ利用意向を聞いてみると、「わからない」45.9%が最も多い回答となった。オンライン診療についてはまだ情報も少なく、判断に迷う人は多いのかもしれない。
「受診してみたい」と回答した人は37.7%となり、その理由としては「待ち時間が削減できると思うから」71.6%、「感染リスクが減ると思うから」56.3%が上位となった。
一方で「受診したくない」16.4%の理由としては、「診療は対面でないと不安だから」78.0%が最多の回答となっている。また「電話やビデオ通話は苦手だから」34.0%となり、コミュニケーションは対面の方が良いと感じている人も一定数いることがわかる。

今後のオンライン診療の行方は?

Q. 産婦人科のオンライン診療について望むことや、助けられた経験などあれば教えてください。

最後に、産婦人科のオンライン診療にまつわるエピソードや今後望むことを聞いてみると、沢山の自由回答が寄せられたため、その一部を紹介する。

【オンライン診療で助けられたこと】
・オンライン受診は待ち時間を家で過ごせるというメリットが大きいと思います。以前、不妊治療で3年間婦人科に通院しましたが待ち時間が長く、後で計算すると合計6日分となっていました。
・産婦人科はなんとなく行きづらいが、オンラインであれば気軽に相談や質問ができる。
【今後望むこと】
・ピルの処方などはオンラインで済むようにしてほしい。そのために仕事を休まなければいけないので。
・まずはオンラインで診断してもらって必要なら来院することで、待ち時間や通院の手間を省くことができると期待している。
・診療だけではなく、心のケアをしてくれるカウンセラーなどとセットで受診できるシステムがあるといい。

今回の意識調査では、8,000人以上の女性の声が集まり、産婦人科のオンライン診療についての注目度がうかがえる結果となった。オンライン診療はまだ情報が少ないこともあり安心感などの面で懸念点も多いことがわかった反面、拘束時間など対面診療における課題をクリアできるケースもあることも見えてきた。
『ルナルナ』を運営するエムティーアイのグループ会社、(株)カラダメディカでも『ルナルナ』と一部機能を連携した産婦人科のオンライン診療システム『ルナルナ オンライン診療』(https://lp.telemedicine.lnln.jp/p.html)を提供している。新型コロナウイルスの感染症拡大の影響もあり、新しい生活様式が求められている。そのひとつとして、病院受診はオンラインでの受診が提案されていることからも、今後はオンライン、対面のどちらのメリット・デメリットも正しく理解した上で、オンライン診療が選択肢のひとつになればと考えている。

調査実施時期 : 2020年6月4日(木)~6月8日(月)
調査方法および人数 :『ルナルナ』、『ルナルナ ベビー』にてアンケート調査。10代~50代以上の女性、8,241名

ルナルナについて

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概要:ライフステージや悩みにあわせて女性の一生をサポートする健康情報サービス
<無料コース>生理日予測を始めとする、女性のカラダとココロの健康管理サービス。過去の生理日から生理日・排卵日を予測し、日々の体調変化を知らせる。
<ベーシックコース>デリケートな女性のカラダとココロの健康情報サービス。生理日管理に加えて、本人にあったカラダやお肌、ココロの状態を365日サポート。
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課金額(税抜)
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