「診療に全力を」診療所院長の想いを叶える事業承継

医療法人社団やまと(所在地:宮城県登米市、理事長:田上 佑輔、以下「やまと」)は、7月1日付で、あゆみホームクリニック仙台(所在地:宮城県仙台市、院長:星野 智祥、以下「あゆみ」)の事業を承継することを発表した。

【新名称】 医療法人社団やまと やまと在宅診療所あゆみ仙台
【院 長】 星野 智祥
【開設日】 2022年7月1日(金)

昨年5月、「あゆみ」は在宅医療専門の診療所として、宮城県仙台市若林区に開設された。現在の患者数は約250名。毎月25名程度の患者を周辺の医療機関やケアマネージャーから紹介を受けている。この度、診療体制や運営体制を強化し、これからも地域の在宅医療需要に応え続けていくために、「やまと」への事業承継に至った。

「やまと」は、「想いある医療者がチームとなり、持続可能な地域医療を実践していく」ことを目指し、現在、宮城県を中心に6カ所の在宅診療所を運営している。今後も、「あゆみ」が患者や家族、連携医療機関や関連事業所の方々と築いてきた信頼関係を大切にしながら、より一層、地域社会に貢献できる診療所を目指していく。

事業承継の背景

「あゆみ」の星野院長は、2015年から3年間、やまと在宅診療所 登米で在宅医療を学んだ。その後、自宅のある仙台市若林区のクリニックに勤め、この地域においても在宅医療のニーズが高いこと、ニーズに対して在宅医療を担う医師が少ないことを知り、昨年、在宅医療専門の「あゆみホームクリニック仙台」を開業。
当初は「最初の一年間で患者数100名」の計画でいたが、半年後には150名を超える患者を診療することとなり、このまま一人で経営者としての責務まですべて担わなくてはならない状況が続くと、院長自身が倒れてしまうという危機感を覚えた。
そこで、事業承継の実績もある「やまと」の田上理事長に相談したところ、このたび話がまとまった。

限られた医療資源を最大限に活用していくために

宮城県の「医師確保計画(令和2年度~令和5年度版)」によると、2016年度時点の人口10万人対医師数は242.6人で全国平均の251.7人を下回っており、県内医師数5,653人のうち77%が仙台医療圏に集中している状況にある。宮城県は2036年までに医師偏在を是正することを目指し、医師多数区域である仙台医療圏においては医師少数区域(仙南医療圏、大崎・栗原医療圏、石巻・登米・気仙沼医療圏)への医師派遣を行うことを求めている。
また、厚生労働省「医師・歯科医師・薬剤師調査」によると、全国的に医師の高齢化が進み、医師の平均年齢は医療機関全体で50.1歳、診療所では60.2歳。宮城県では 65 歳以上の医師の割合(19.4%)が全国(18.9%)に比べて高い状況となっている。
国は、超高齢社会での医療・介護需要増と医療・介護の担い手の不足に備えて、地域医療構想を策定した。病床の機能分化により、在宅医療の需要は今後ますます高まるとみられているが、365日24時間の対応が求められる在宅療養支援病院・診療所の運営は、個人開業医や少数の医師で診療体制を維持している医療機関にとって負荷が高い。

このような状況から、今後は、運営母体を超えた医療機関間での診療応援や、地域の医療体制を守りたい高齢の開業医からの事業承継の要望などが、ますます増加していくものと思われる。
「やまと」では、それらの要望に素早く応え、地域医療の課題を解決していくために、今後は次の3つに注力していく方針。

1.在宅診療アシスタント育成プログラムの開発
2.在宅診療所のバックオフィス業務(会計、労務、人事等)の標準化や集約化
3.DX化推進やAI活用等によるシームレスな病診連携

これらの取り組みにより、「やまと」以外の医療機関においても、医療者の業務のタスクシェア&タスクシフトを推進し、限られた医療資源を最大限に活用できる地域医療体制の構築を目指す。

本件に関するお問い合わせ先

医療法人社団やまと
所在地: 宮城県登米市迫町佐沼字南元丁72
電話番号: 0220-23-9832
URL:  https://yamatoclinic.org/