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DOCWEB『院長が悩んだら聴くラジオ』この番組は開業医の皆さんが毎日機嫌よく過ごすための秘訣を語っていく番組です。 通勤時間や昼休みにゆるっとお聞きいただけると嬉しいです。
(高山)おはようございます。パーソナリティのドックウェブ編集長、高山豊明です。
(大西)おはようございます。パーソナリティのMICTコンサルティング、大西大輔です。
(高山)院長が悩んだら聞くラジオ、第87回始まりました。大西さん、今回もよろしくお願いします。
(大西)よろしくお願いします。今日は実はゲストが来ているんですよね。
ゲストを迎えて:漢方処方の可能性
(高山)そうなんです。ポッドキャストを始めてもう87回目になりますが、初めてのゲストをお迎えしての回になります。嬉しいですね。
今日のテーマは「漢方」です。漢方処方を、クリニックでどのように展開していくかというテーマになります。
(大西)漢方というと、最近、取り入れる先生方が増えてきていますよね。ツムラさんやクラシエさんなどが、勉強会を開いて、先生方にもっと使ってください、と働きかけているようです。
その背景には、高齢者を中心に、なんとなく調子が悪いという方が増えていることがあるのかもしれません。
そうした方々のフォローアップとして、漢方が必要とされているのかもしれませんね。
(高山)それでは、この後「漢方処方の可能性」について、深掘りしていきたいと思います。よろしくお願いします。
(大西)お願いします。
ゲスト紹介:VARYTEX株式会社 飯塚様
(高山)ということで、この後ゲストをお迎えして進めていくのですが、その前に少しお話をしておくと、クリニックの診療は保険診療が中心ですが、それに加えて自費診療を行う、あるいは自費診療のみで運営されている先生もいらっしゃいます。
保険診療は国が定めたルールの中で行うため、自由度が低く、閉塞感を感じている先生も多いのではないでしょうか。
決められたことを粛々とこなしていく、という開業医人生を送っている方も多いと思います。
しかし、これまでニーズはあったけれども、なかなか手がつけられなかった分野に目を向けてみると、漢方もその一つではないでしょうか。
これまで、漢方処方には高いハードルがあったのでしょうか。
(大西)婦人科などでは、以前から漢方が使われてきました。
西洋薬が少し強すぎると感じる場合に、加味逍遙散などを処方する、といった具合です。
一方で、内科や精神科、耳鼻科の先生方の中にも、漢方を使いたいと考えて、一部取り入れてきたという経緯があります。
(高山)私も最近、風邪でかかった内科の先生から、咳止めとして漢方を処方されました。
何か新しい動きが出てきているのかな、と感じています。
(大西)コロナの熱が出た時に麻黄湯が使われたり、インフルエンザにも使われたり、結構使われてきました。
これは、ある意味、様々な人が試してみて「これ、いいね」と口コミで広がっていった側面もあるかもしれません。
漢方というのは、そういう漠然とした広がり方をしてきた部分があったのかな、と感じています。
先生方に「どうやって勉強しているのですか?」と聞くと、勉強会に参加したり、本を読んだり、という答えが返ってきます。
大学時代には、それほど重点的に学んでこなかった先生も多いのかもしれません。
授業はあっても、メインの科目ではなかった、ということでしょうね。
(高山)それでは、本日のゲストをお迎えしたいと思います。VARYTEX株式会社の飯塚さんです。飯塚さん、おはようございます。
(飯塚)おはようございます。よろしくお願いいたします。
(高山)飯塚様は、VARYTE株式会社で取締役CCO、プロダクトデザイナーとして、日本初とも言える「漢方処方のDX化」に挑戦されている、この事業の牽引役のお一人です。
本日はよろしくお願いします。
(飯塚)はい、楽しみにしてます。よろしくお願いします。
漢方処方のDX化とは?
(高山)早速ですが、ずばり、漢方処方をDX化すると、どうなるのでしょうか。
(飯塚)漢方診療においては、これまで習得が難しいとされてきた複雑な漢方の理論を、データやテクノロジー、直近ではAIを駆使して、適切な漢方診療・漢方処方を行う手助けをさせていただきます。
あるいは、その先の患者さんに対して、適切な漢方の情報や養生法などをDXを通して提供することで、治療への貢献はもちろん、漢方の進化にも貢献することを目指しています。
弊社は創業5年目のスタートアップでして、約2年前に、漢方では唯一かつ最大の学会でいらっしゃる日本東洋医学会様と共同開発協定を結ばせていただいたり、
AI研究を牽引する東大・松尾研発のPKSHA Technology様からのご投資をいただいているという背景もございまして、漢方×AI化・DX化という領域で、社会実装をするための基盤や土台を据えた上で、ソフトウェアやサービスの開発・運営をしております。
漢方DXの具体的な仕組み:「KAMPO 365 works」と「KAMPO PASSPORT」
(高山)問診から、その人の体質(証)を割り出し、処方を導き出す、という部分を、まずプログラム化されたのですね。
(飯塚)そうです。漢方の理論自体が非常に複雑なアルゴリズムになっておりますので、それをシステムに落とし込むアルゴリズムを作るのに、だいぶ時間をかけてきました。
(高山)そのアルゴリズムや、それを裏付けるエビデンスなどは、日本東洋医学会様と共同で開発されているのですね。
(飯塚)はい。代表の平野がツムラに20年近く在籍しておりましたので、漢方における上流から下流まで全てを知っている人間ということもあり、その背景も大きかったかなと思います。
(高-山)問診から始まり、証を割り出し、その証と現在の症状を掛け合わせて、処方を導き出す、という流れでよろしいでしょうか。
(飯塚)はい、そうです。
(高山)このDX化というのは、単に漢方薬をお渡しして、その飲み方や作用を説明するというところに留まらず、その先のクリニック経営までサポートするようなものなのでしょうか。
(飯塚)私たちが提供している製品「KAMPO 365 works」には、大きく3つの価値があると考えています。
一つは、先ほどお話しした「診断支援」です。漢方のデジタル問診票を使って、診断を効率化するというものです。
もう一つは、「患者満足度」に繋がる部分です。
そして、これが新しい取り組みになりますが、「保険外収益」を生む仕組みも作らせていただいています。
保険外収益を生む仕組みと今後の展望
(高山)保険外収益というと、自費診療とは別に、保険診療を行いながら、さらにプラスアルファの収益を得られる仕組み、ということでしょうか。
(飯塚)はい。昨今の診療報酬の据え置きや、物価・人件費の高騰など、クリニックや病院の経営を圧迫する要因は様々です。そうした課題に対して、私たちのサービスでは、漢方と密接な関係にある「養生」という観点から、患者さんの体質(証)に合わせて、食品などの商品提案をさせていただいています。
(高山)なるほど。
(飯塚)また、「KAMPO PASSPORT」という患者さん向けのアプリケーションも提供しています。漢方の説明は専門的で難しく、家に帰ると忘れてしまう、という声も多いため、養生法や漢方の情報を、先生から患者さんに簡単に共有できるような仕組みを作りました。
その中には、「AI養生アドバイザー」という機能も搭載しており、患者さんの年齢・性別や処方された漢方薬の証などに基づいて、AIが養生のアドバイスをしてくれます。
こうしたコミュニケーションを、先生や医療機関の代わりに行うことで、アフターフォローを充実させ、患者さんが服薬を継続できなかったり、体調が改善しなかったりした場合に、再診を促すといったサポートも可能になります。
(高山)なるほど。これまでの「渡しっぱなし」と比べると、得られる情報量が全く違いますね。
漢方処方の現状とDX化への期待
(高-山)ちなみに現在、日本では、漢方処方を行っている先生は、何人くらいいらっしゃるのでしょうか。
(飯塚)クリニックの先生に限らず、全医師32万人の中で、約8割の先生が漢方を処方したことがある、というデータが出ています。漢方というと、少しニッチな領域だと捉えられがちですが、処方されている先生は、実はかなり多いのです。
(高山)私も高校生の時に、アトピーで皮膚科にかかった際、漢方を処方されたことがあります。その時の思い出は、「飲みづらいな」というものでした。
(飯塚)患者さん側からすると、美味しくない、というイメージがありますよね。
(高山)「これは甘めだからいけると思うよ」と言われても、全く美味しくない。即効性があるわけでもないので、途中でやめてしまう患者さんも多いのではないでしょうか。
(飯塚)そうですね。私たちのシステムは、漢方を飲みやすくするものではありませんが、先ほどお話しした養生アドバイザーや「KAMPO PASSPORT」といった機能で、服薬継続のサポートをしていきたいと考えています。
(高山)LINEと連携して、患者さんが気軽に「飲めていない」といった状況を報告できたり、それを先生にフィードバックできたりする仕組みは、非常に有効ですね。
漢方DXの導入状況と今後の展開
(高山)現在、このサービスの導入状況はいかがでしょうか。
(飯塚)クリニック様、病院様、薬局様にご導入いただいており、累計で200施設様ほどにお申し込みいただいております。
病院では、東京女子医科大学様や慶應義塾大学病院様などにご導入いただいています。
(高山)「KAMPO 365 works」は、クリニック様向けの製品ですので、多くはクリニック様にご利用いただいています。
(高山)大きな病院では、漢方専門の診療科に導入されている、ということですね。
(飯塚)そうです。病院様ですと、漢方専門の先生が複数名いらっしゃるケースが多いため、「KAMPO 365 works」を派生させた「KAMPO 365 custom」という製品を、ご導入いただいているケースが多いです。
(高山)クリニックでは、どのような点が評価されているのでしょうか。
(飯塚)やはり、「診断支援」「患者満足度の向上」「保険外収益」の3点に価値を感じていただいているようです。
(高山)それでは、この後、診断支援、患者満足度の向上、保険外収益という3つの価値について、さらに詳しくお伺いしていきたいと思います。
続きは次回にしたいと思います。飯塚さん、今回はありがとうございました。
(飯塚)ありがとうございました。
(高山)院長が悩んだら聞くラジオ、最後までお聞きいただきましてありがとうございました。
少しでも気に入っていただけましたら、番組のフォローをぜひお願いします。新しいエピソードがいち早く届きます。
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この番組は毎週月曜日の朝5時に配信予定です。それではまたポッドキャストでお会いしましょう。さよなら。
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