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DOCWEB『院長が悩んだら聴くラジオ』この番組は開業医の皆さんが毎日機嫌よく過ごすための秘訣を語っていく番組です。 通勤時間や昼休みにゆるっとお聞きいただけると嬉しいです。
(高山)おはようございます。パーソナリティのドックウェブ編集長、高山豊明です。
(大西)おはようございます。パーソナリティのMICTコンサルティング、大西大輔です。
(高山)「院長
が悩んだら聞くラジオ」、第92回が始まりました。大西さん、今回もよろしくお願いします。
(大西)よろしくお願いします。
今日のテーマは何でしょうか。
(高山)引き続き、診療報酬改定の具体的な方向性についてお話しします。
今回は3番の項目に進んでいきたいと思います。
3番は「安心・安全で質の高い医療の推進」という項目ですね。
改定のたびに取り上げられるテーマですが、今回の変更点や重点的に評価されているポイントを教えてください。
(大西)質の高い医療と安心・安全という言葉が並んでいますが、ここは従来からDX(デジタルトランスフォーメーション)などが主なテーマとなっている項目です。
データの活用とアウトカム評価の推進
(大西)まず「アウトカムに着目した評価の推進」についてお話しします。国はデータを活用した診療実績の評価を推進しようとしています。
なぜデータを集めたいのかというと、診療報酬改定の際の評価がしやすくなるからです。
例えば、生活習慣病の患者さんにどのような傾向があるかが分かれば、「ここを改善しましょう」と提案しやすくなります。
これはすでに病院のDPC(診断群分類別包括評価)で実証されています。
DPCを分析することで、医療の無駄や質の向上を評価できたため、それを外来診療にも取り入れようとしているのが現在のフェーズです。
ただ、ここで大きな問題があります。外来にも「データ提出加算」という点数がついたのですが、なかなか算定が進んでいません。
高山さん、何が問題だと思いますか。
(高山)具体的な項目までは分かりませんが、何がネックになっているのでしょうか。
(大西)一番の理由は「よく分からない」ということで、算定が全く進んでいないんです。
クリニックの体制でデータを提出するという行為は、非常にハードルが高いのです。
まず、データを作成すること自体が難しい。これが今回の大きなポイントです。
クリニックにおけるデータ作成の壁
(大西)病院とクリニックの大きな違いは人員体制です。病院にはバックオフィス(事務部門)の人員がいますが、クリニックにはほとんどありません。
そのため、データを抽出して提出する作業が非常に苦手なのです。
(高山)確かに難しそうですね。
どうやってデータを抜き出してまとめればいいのか、手間もかかりそうです。
(大西)病院では約7割が算定していますが、クリニックではたった4%、10%にも満たない状況です。
調査の結果、誰もデータを作れないことが問題だと分かりました。
現在はデータ作成を支援するソフト会社や、電子カルテのアタッチメントなどの開発が進んでいます。
しかしそれ以前に、現場としては「そのデータが本当に必要なのか」という議論がないまま提出を求められていると感じています。
しかも、点数は一人あたり50点(500円)と低く、作成の手間を考えると残業が増えてしまう懸念があります。
働き方改革で残業が制限される中、日々の業務で手いっぱいのクリニックでは、データを作る時間を確保できず、結果として算定率が4%に留まっているのです。
(高山)その4%という数字は、私の体感ですが、事務長を専門で雇っているクリニックの割合(約5%)とほぼ一致するように見えます。
(大西)その通りだと思います。
事務長であれば受付スタッフに比べて多少の時間調整ができるかもしれませんが、データ提出加算はまとまった時間がないと作成できない内容です。
そのため厚労省としては、電子カルテを操作すれば簡単にデータが出せるような仕組み(HL7 FHIRなど)への移行を議論しています。
(大西)また、現場が混乱した理由の一つに、これまで誰も収集していなかった項目を要求されたことがあります。
(高山)それはまた患者さんに聞き直す必要があるということですか。
(大西)そうです。「要介護度」などの項目です。
外来患者さんの要介護度は、通常の診療ではあまり必要がないため、問診票やカルテに記載がないことが多いのです。
それを一から調査し、さらに血圧やヘモグロビンA1c、脂質の値といった検査結果も紐付けて提出しなければなりません。
検査をしない月もありますし、データの所在がバラバラな場合もあるため、非常に大変な作業になります。
医療DXとオンライン診療の普及
(大西)次に、DXやICTを活用した評価についてです。
国は「電子処方箋」と「オンライン診療」をさらに普及させようとしています。
これまでの改定では、主に院外処方が対象で、クリニック内でお薬を出す「院内処方」のデータは軽視されてきました。
しかし、患者さんにとっては院内も院外も関係ありません。
今回、補助金を活用して院内処方のデータも収集・調整できるような仕組みを整えようとしています。
これにより、電子処方箋は一気に普及する可能性があります。
外来管理加算の見直しとオンライン診療への誘導
(高山)オンライン診療についてはどうでしょうか。
(大西)国は医療費を抑制できるオンライン診療を推進したい考えですが、医療機関側にとっては収入減につながる可能性があり、普及が進んでいません。
(大西)例えば、病状が安定していてお薬だけを取りに来る患者さんの場合、国としてはオンライン診療や「リフィル処方箋」に移行させたいのです。
通院すると再診料や処方箋料、外来管理加算などがかかり、患者さんの自己負担も発生します。
これを「3ヶ月に1回の通院で良いのではないか」とする考え方です。
在宅医療でも同様です。
現在は訪問看護師やヘルパーが頻繁に訪問していますが、彼らを拠点として医師とオンラインでやり取りする「D to N(Doctor to Nurse)」という形態を評価しようとしています。
(高山)医療機関側が割に合わないと感じている部分を、どう解消していくのでしょうか。
(大西)やらない理由というのは、やるのが大変であるということか、やらないほうがメリットが大きい場合はやらないんですよね。
ということは、やらないほうがメリットが大きい状況を縮小するしかありません。
あとは、先ほど申し上げた手間を減らすしかありません。
(高山)移行しなければ、今までどおり医療費がかかるわけですよね。
同じ予算でもいいから、とにかく一旦オンライン診療を定着させようという戦略のほうが広がりそうだと、個人的には思いました。
(大西)細かいテクニカルな話をすると、今回「外来管理加算」という点数を財務省からなくせという指示が出ています。
この点数は何かというと、リハビリや処置がない患者さんに対して診察をした場合に52点ほど取れる点数です。
言い換えると、お薬だけの人に52点をあげる点数です。
この点数をなくしてみたら、外来の点数が一気にオンラインと同じ点数に近くなります。
(高山)その部分に関しては、自然にオンラインになりますね。
(大西)なりますね。そうなるとオンラインに向いている人たちは、検査の結果だけ聞きに来ている人や、お薬だけもらいに来ている人たちです。
あとは、細かく言うと在宅医療で月に2回の訪問を1回に減らすときにオンラインが向いています。
このような場面が決まってきているので、そこの評価を上げるのか、外来の評価を下げるのかというやり方になると思います。
(高山)今の説明でよくわかりました。これはオンライン診療、来ますね!
やらざるを得なくなりますよね、その層の患者さんに対しては。
(大西)その層の患者さんに対しては、やらざるを得なくなりますよね。
患者さんが1日に外来で70人来ているとします。そのうち20人は薬だけで来ているという人をオンラインに移行しないと、外来が混んでいるのに点数が低いとなっては嫌になってしまいます。。
(大西)人間の性ですから。さきほどのリハビリや処置をしないほうがいいケースもあります。
例えば、整形外科で電気をあてると35点。これはリハビリです。
鼻水や耳の処置をすると12点。これらは外来管理加算より点数が低いんです。
ですから整形外科や耳鼻科は、それらを積み重ねるのが単価アップになっています。
一方で内科はほとんどリハビリも処置もしないので、52点丸儲けだよねというのが財務省の指摘です。
まだ決まっていないのでやるかやらないかはわかりませんが、オンライン診療を進めるにはそこしか道がないんだろうなという感じはします。
(高山)なるほど。もうこれ時間の問題ですね。
(大西)そうです。
リハビリテーションの分散化と周産期医療の保険化
(大西)リハビリについても動きがあります。
リハビリは早期に始めるほど効果があることが分かってきたため、発症早期の評価を充実させる方針です。
また、現在は手薄な土日祝日のリハビリ体制を評価し、混雑を分散させようとしています。
多くの病院は土日休みですが、クリニックが土日にリハビリを提供すれば点数が上がるような仕組みになれば、サービス業として週末に稼働するクリニックが増えるかもしれません。
周産期医療(お産)についても変化があるようですね。
現在、出産費用には50万円の補助が出ていますが、東京都など都市部では平均60万〜70万円かかり、地域差が問題になっています。
国はこの差を是正するため、出産を一律で保険診療にすることを検討しています。
現在は、帝王切開などの異常分娩は保険診療ですが、自然分娩は自費診療という区別があります。
しかし高齢出産の増加などで帝王切開の割合も増えており、現場が複雑化しているため、全てを「手術」として保険で評価する方向に進むようです。
薬局の役割と対人業務の充実
(大西)最後に薬局についてです。
国は医薬品の安定供給を求めつつ、ジェネリック医薬品への移行を推進しています。
今後は「地域の医療供給拠点」としての機能が厳しく求められます。
具体的には、薬局薬剤師の「対人業務」、つまり服薬指導の充実が評価の柱になります。
お薬の重複や飲み残し(残薬)、処方のエラーを発見し、医師にフィードバックする機能が重視されます。
(高山)どのような薬局が評価されるのでしょうか。
(大西)例えば、多くの薬を飲んでいる患者さんの薬を整理し、減らすことができれば点数が上がります。
面白いのは、大手チェーン薬局は標準化された効率的な運営が中心で、実は点数が低い設定になっています。
一方で、個人薬局が質の高い「かかりつけ」としての対人業務をじっくり行うことで、より高い点数が取れるような仕組みになっています。
(高山)経営母体によって役割や評価の仕組みに違いがあるのですね。
(大西)その通りです。さて、今回は(カッコ)3番の項目についてお話ししました。
次回はいよいよ最後、4番目の項目についてお話しします。
(高山)ありがとうございました。続きは次回伺います。
(大西)ありがとうございました。
(高山)院長が悩んだら聞くラジオ、最後までお聞きいただきましてありがとうございました。
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この番組は毎週月曜日の朝5時に配信予定です。それではまたポッドキャストでお会いしましょう。さよなら。
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DOCWEB編集部(一般社団法人 DOC TOKYO)
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