#3 令和6年度診療報酬改定 短冊解説―大西大輔氏

令和6年度診療報酬改定 短冊解説

令和6年度診療報酬改定に関して公表された短冊で、クリニックに関係する個別改定項目を解説します。

解説する項目

1.初・再診料

・初再診料の引き上げ
・外来・在宅ベースアップ評価料(Ⅰ)(1日につき)
※医療関係職種の賃金の改善を実施している場合の評価
・時間外対応加算の算定ケースの見直し

2.医療DX

・医療情報・システム基盤整備体制充実加算→医療情報取得加算
・医療DX 推進体制整備加算の新設
・在宅医療DX情報活用加算の新設
・訪問看護医療DX情報活用加算の新設

3.情報通信機器を用いた診療に係る評価

・在宅持続陽圧呼吸療法指導管理(CPAP)の情報通信機器を用いた診療を実施した場合の評価の新設
・小児特定疾患カウンセリング料の情報通信機器を用いた診療を実施した場合の評価の新設
・通院精神療法の情報通信機器を用いて行った場合の評価が新設

4.リハビリ

・疾患別リハビリテーション料のリハビリ職種ごとの区分の新設

5.生活習慣病

・生活習慣病管理料の見直し
・特定疾患療養管理料の対象疾患から生活習慣病の削除
・特定疾患処方管理加算1の削除
・特定疾患処方管理加算2のリフィル処方のケースも可能

6.かかりつけ

・地域包括診療料・地域包括診療加算の算定要件の見直し
・小児かかりつけ診療料の算定要件の見直し

7.在宅医療

・往診に関する評価の見直し
・在宅時医学総合管理料及び施設入居時等医学総合管理料の見直し

8.精神

・通院・在宅精神療法の60 分以上の精神療法を行った場合と30 分未満の精神療法を行った場合の評価の見直すし
・早期診療体制充実加算の新設

9.処方箋料

・一般名処方加算の見直し

10.その他

・検査、処置及び麻酔の見直し
 眼底三次元画像解析/細隙灯顕微鏡検査(前眼部及び後眼部)
 耳垢栓塞除去(複雑なもの)/トリガーポイント注射

診療報酬における書面要件の見直し

文書による提供等をすることとされている個々の患者の診療に関する情報等を、電磁的方法によって、他の保険医療機関、保険薬局又は患者等に提供等する場合は、「医療情報システムの安全管理に関するガイドライン」を遵守し、安全な通信環境を確保するとともに、書面における署名又は記名・押印に代わり、本ガイドラインに定められた電子署名を施すこととする。

書面掲示事項のウェブサイトへの掲載(経過措置あり)

保険医療機関及び保険医療養担当規則等について、書面掲示することとされている事項について、原則として、ウェブサイトに掲載しなければならないこととする。

講演者プロフィール

MICTコンサルティング
大西大輔氏

医療機関へのシステム導入の実績があり、診療所・病院・医療IT企業のコンサルティングおよび講演活動、執筆活動を行う。

2001年 一橋大学大学院MBAコース修了
2001年 医療系コンサルティングファーム「日本経営グループ」入社
2002年 医療IT総合展示場「メディプラザ」設立 (~2016閉館)
2007年 東京、大阪、福岡の3拠点を管理する統括マネージャーに就任
2013年 「電子カルテクラーク養成プログラム」を共同開発
2016年 コンサルタントとして独立し、「MICTコンサルティング」を設立
2018年 MICTコンサルティング株式会社を設立(法人化)
2019年 一般社団法人リンクア(医療介護教育)を設立