- 医療の効率化で社会保障の持続可能性を確保
- 医療データの標準化・共有化
- 特に画像診断AIが先行して推進されている
少子高齢化社会において、健康寿命の延伸と社会保障制度の持続可能性を確保するため厚生労働省の取り組み。
膨大なデータを活用し、より正確かつ効率的な診療を実現するために、予防・介護・医療データの標準化・共有化やAI技術導入が推進されている。
≪クリニック向け医療AI入門:今後どうなる?知っておきたい基礎知識≫
- AI導入でサービスの高度化と現場の負担軽減
- ビッグデータの活用による研究や適切な治療の提供
- 医療・介護の現場で患者の過去の医療等情報を確認
- 国民が自分のスマホ等で健康・医療等情報を確認
- 全ゲノム情報等を活用して新たな診断・治療法等を開発
データヘルス改革の中でも、厚生労働省は特に画像診断支援AIの開発と導入を推進している。
診断支援医療機器、特に画像診断機器は、すでに豊富な医療データが存在し、ディープラーニングとの親和性が高いと考えられており、他のサービスに先んじて実用化され始めている。
この取り組みはAMED(日本医療研究開発機構)の支援のもと、医療機器メーカーとの連携で進められており、クリニックでも高度な診断機器を導入しやすくなっている。
≪クリニック向け医療AI入門:今後どうなる?知っておきたい基礎知識≫
AIを効果的に活用するためには、データの一元化と標準化が不可欠である。厚生労働省は、データヘルス改革の一環として、電子カルテや診療情報の標準化を進めている。
これにより、医療機関の間での患者情報の共有が簡便になり、医療データがAIによって容易に活用できる基盤が整備されることになる。
厚生労働省は「AIホスピタル構想」を推進し、AIを使った診療記録の自動作成や患者とのコミュニケーション支援システムの開発を進めている。これにより、医師や看護師が患者対応に専念できる時間が増え、クリニックの業務効率も大幅に改善されることが期待されている。
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参考文献
厚⽣労働科学研究:医療現場における医療 AI の導入状況の把握、及び導入に向けた課題の解決策の検討のための研究(令和5年度)
一般社団法人 人工知能学会:医療AIに対する患者の意識調査(令和4年度)
首相官邸資料:データヘルス改革について(令和2年11月2日厚生労働省)