医療機関の受付・診察業務効率を大幅に改善するツールとして開発された「WEB問診SymView」。
2020年以降のコロナ禍においては、院内感染症対策ツールとしても効果を発揮しています。
多い時にはクリニックからの引合い件数が100件を超える月もあるほど、依然強い注目を集めているようです。
感染症対策ツールとしての活用方法や各医療機関での具体的な事例について、
株式会社メディアコンテンツファクトリーの営業担当の加藤氏、マーケティング担当の風間氏両名にお伺いしました。
診察前に必要な情報を入手できるWEB問診サービス「SymView」
-まず初めに、サービスの概要と特徴についてお聞かせください。
「SymView」は、これまで病院やクリニックに行ってから待合室で記入していた紙の問診票を、事前にWEB上で回答することができるクラウド型問診システムです。
患者さんの回答はデータ化されるため、現場の医療従事者が電子カルテに転記する手間を削減し、業務効率化を図ることができます。
一方、患者さんとしても待合室での滞在時間を減らせるため、双方にとってメリットを感じていただけるツールだと考えています。
2018年11月のサービスリリース以来、当初は、業務効率化を目的にお問い合わせをいただくことが多かったのですが、新型コロナ感染拡大以降は、感染対策ツールとして注目いただくようになりました。特に、2020年4月の一度目の緊急事態宣言発令以降は、感染対策のために導入したいという先生方より多数のお引き合いをいただいています。
また、コロナ禍で行われた2020年度のグッドデザイン賞では、WEB問診としてSymViewが初めて受賞をし、医療業界にとどまらず、社会的にも評価されるようになってきたと感じます。
当社としても、WEB問診が感染症対策を行う上で大きな意義があると考えており、医療現場に少しでもお役立ていただくために、「SymView Covid19 PROJECT」を立ち上げ、2020年4月よりSymViewの一部機能を無償で提供しております。
当初無償版のご利用期限は2021年4月までを計画しておりましたが、現在の感染状況を考慮し、2021年10月まで半年間延長することに致しました。
患者さん同士の接触時間を減らすだけでなく、事前トリアージが可能
-院内の感染症対策を行う上で、「SymView」が注目されている理由は何でしょうか?
「SymView」が感染症対策ツールとして有効であるポイントは、
患者さんの院内滞在時間を減らせる点、共有物による接触機会を減らせる点、来院前の事前トリアージができる点の3つであると考えています。
感染対策を行っていくためには、院内の滞在時間を短くして待合室が密な環境にならないようにするだけでなく、紙やバインダー、ペン、タブレットなど接触感染が疑われる共有物を減らすことも重要です。
「SymView」を利用いただいてこれらの機会を減らすことにより、患者さんはもちろん、先生やスタッフさんなど医療従事者の感染リスクを抑えることにも効果を期待できます。
また、コロナウィルスやインフルエンザなどの感染症が疑われる患者さんを診療する場合、院内の導線を分離したり、時間を分けたりといった対処が必要になります。その際事前にどんな症状なのかといった情報があれば、ある程度院内感染リスクを把握した上でコントロールすることが可能です。
現在当社では、こういった発熱外来の事前トリアージに特化した機能を持たせた問診票をご用意しており、SymViewの問診完了画面で、患者の症状に応じて受診方法を個別に案内できるようにしています。
例えば、コロナウイルスの感染疑いがある発熱の場合はオンライン診療を案内する、疑いがない場合は発熱外来での来院を促す、といった対応を可能にしています。
院内ゾーニングや予防接種時の混雑対策に活用
-感染症対策ツールとして利用されている医療機関の具体的な事例を教えてください。
発熱外来の指定医療機関であるグローバルヘルスケアクリニックの水野先生は、先ほど紹介した発熱外来に特化した問診票をリリースした直後にご連絡いただきました。
従来は患者さんから電話で聞き取っていた問診内容を、まずWEB問診で回答するようお願いし、来院した際にはある程度どういう状態かを把握しておくことで、その後の対応をスムーズに案内できるように役立てていただいています。
また、神奈川県にある海のこどもクリニックさんでは、患者導線を分けるために、クリニック内ではなく、同ビル内の別テナントで発熱外来を受け付けておられます。
本来であれば様々な書類などの持ち運びや受け渡しをしつつ診療しなければいけませんが、WEB問診で回答してもらえれば医師やスタッフはタブレットで確認しながら診療可能です。
必要に応じて検査方法や症状などWEB問診の確認画面にスタッフがメモを追記できるので、このような本来の診療スペースから離れた診療にも「SymView」は適していると思います。
コロナ禍によって引合い件数は全体的に増えましたが、なかでも増加が目立ったのが、インフルエンザウィルスワクチン接種のタイミングでした。
WEB問診による事前問診を活用することで、インフルエンザウイルスワクチンの接種希望者で待合室が混雑してしまう状況を回避したいという要望をいただくことが非常に多かったです。
予防接種については、当初「SymView」は自費負担での予防接種のみの対応でしたが、感染対策のために公費負担の接種においても活用するべきではないかということを先生側から声をあげてくださり、現在では東京都渋谷区や長崎県をはじめいくつかの自治体では公費負担予防接種でも使用できるようになっています。
今後コロナウイルスワクチンが順次国内に普及していき、どのように運営するかは各自治体が決めることになりますが、そちらにも使いたいという声をあげてくださっている先生もいらっしゃるので、引き続き協力しながら対応を進めていきたいですね。
各ユーザー様に合わせるカスタマイズ性の高さが好評
-感染症対策以外の部分では、どんな活用事例がありますか?
感染症対策以外では、ご利用いただくユーザー様の診療科目やそれぞれの診療スタイルによって活用方法は大きく異なります。
例えば、めまいを専門とする先生であればめまいに関する質問を深掘りして情報を引き出していくというケースもありますし、「家族でいびきの気になる方はいませんか」等、患者本人以外の方への質問を用意し、必要に応じて受診を勧める等、重症化防止や患者掘り起しに役立てるという使い方をされているケースもあります。
またオプション機能になりますが、WEB問診後にメールアドレスを登録しておけば、特定の患者さんに対して受診後のフォローメールを送信するということも可能です。
例えばインフルエンザウィルス薬投与後のお子さんの異常行動を心配される親御さんに向けて、「こういうことが起こり得ます」「こういうことが起きた時は連絡してください」というようなメールを送っておくことで、もし万が一何か起きてもパニックにならないように対処できます。
問診内容については各ユーザ様ごとにカスタマイズが可能で、カスタマイズ作業のご依頼やユーザー様からのお問い合わせは、電話やメールはもちろん、チャットサポートでも対応しています。
こちらは営業担当を仲介せずにサポートデスクに直結しているため、比較的タイムリーな対応が可能で、カスタマーサクセス向上にも一役買っていると考えています。
また、例えば「花粉症外来に特化した問診を追加した」、「発熱外来プロジェクトを立ち上げた」、といった事例についてはサイト上でアナウンスしており、ユーザー様が「ちょっとやってみようかな」と考えた時にスムーズに活用してもらえるよう取り組んでいます。
得られた知見をフィードバックして、積極的な情報共有を目指す
-最後に、今後の展望についてお話しください。
直近の部分では、まずは公費負担の予防接種にも「SymView」が使えるように機能面の改善やアップデートを含め、進めていきたいと思います。
また、WEBサイトを閲覧する習慣がない患者さんにとってみれば、まずはとにかくクリニックに電話をかけるということは当然ですが、こういった患者さんに対していかにWEB問診入力を促すかという点は引き続き努力が必要です。
この点に関して、公式LINEアカウントを作成するユーザー様が増加しつつあるので、それらをスムーズに活用できるようにアカウント開設や運営のサポートサービスの提供を開始しました。LINE公式アカウントでは、メニューを設置できるので、そのメニューにWEB問診入力画面のリンクを設定することで、利用率の向上を期待することができます。
さらに、カスタマーサクセスにも繋がる部分ですが、ここまで様々な診療科目の先生にご利用いただき、現場で先生方がそれぞれ使い方を工夫してご活用いただく中で、当社としても良い知見が溜まってきつつある段階だと考えています。
そういった貴重な情報を、当社がWEBサイト上で事例をアナウンスするという一方通行の共有だけでなく、先生同士・クリニック同士が積極的にシェアできるような仕組みを作りたいと考えています。
「SymView」を活用いただく医療機関が増えれば、ますます事前問診の質が向上し、感染症対策のみならず各種疾病の早期発見に繋がるケースも多くなるのではないかと期待しています。
弊社では、「導入しておわり」ではなく、「導入がスタート」だととらえています。それぞれのユーザー様が自院に即した活用ができるよう、営業やサポートは伴走者でありたいと考えています。今後もユーザー様とのコミュニケーションを大切にしながら、より良いサービスを目指していきたいです。
CPAカンファレンス2021(オンライン開催)登壇
【実際のクリニックでの活用方法を動画でご紹介】
感染対策〜ワクチン管理まで コロナ禍におけるWEB問診の徹底活用ー全国の活用事例を大公開ー(仮)
しらいし胃腸クリニック 院長
白石 良介氏
今回、お話を伺いましたメディアコンテンツファクトリー様には上記テーマにて2021年5月21日(金)より開催のCPAカンファレンス2021にご登壇いただきます。ぜひご参加ください。
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