医療法人化のメリット・デメリット(後編)

前回はフローチャートに基づいて医療法人化のメリットについてお伝えしました。(前回の記事はこちら)今回は医療法人化のデメリットについてお話させていただきます。以下の通りです。

医療法人化のデメリット

(1)解散時に残余財産の帰属先が国等となる

出資持分に応じた払戻が無いため、医療法人の解散時に残余財産が国等に帰属してしまいます。よって、解散が想定される場合は、注意が必要となります。

(2)接待交際費に限度額がある

個人にはない年間800万円という上限があります。また、法人の利益を内部に過大に留保した場合(計算上1億円超)は限度額がゼロになり接待交際費が全て損金不算入となるため注意が必要です。

(3)小規模企業共済の脱退

小規模企業共済とは、個人事業主の退職金として国の機関が運営しており、税制上の恩恵もあります。しかし、医療法人化は、小規模企業共済の脱退要因となります。

(4)事務手続きの煩雑化と運営コスト等上昇

設立等については都道府県の認可が必要となります。また、法務局へ役員変更等の登記も毎年必要となります。したがって、運営上の事務負担は個人と比べ格段に増えます。また、ケースによっては都道府県による立ち入り検査等の指導が強化される可能性も有ります。

(5)財務内容等の情報が公開される

決算後に都道府県に提出作成した財務等の計算書類などが閲覧に供されるため、第三者が法人の財務内容等について知ることが可能になってしまいます。

(6) 社会保険の加入義務

法人化すると、職員のみならず院長も加入義務が生じます。よって、大幅な負担増が予想されます。


上記が全てではありませんが、ひとたび、医療法人化となれば、簡単には後戻りはできないことからメリットのみならず、デメリットもしっかり検証したうえで決断することが重要といえます。


丹羽 正裕 (にわ まさひろ)

丹羽会計事務所 税理士

「顧客本位」をポリシーとして、診療所を中心とした顧問に携わるかたわら、講演・執筆活動を精力的に行っている。また、MMPG(メディカル・マネージメント・プランニング・グループ)に所属しており、医業界を中心として活躍中。 http://www.niwa.biz/

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