オンライン診療の利便性が高まる一方で、「そもそもどのように予約を増やせばいいかわからない」「一度診た患者にリピーターになってもらうことが難しい」――。
こうした「新規集患」「再来院」はオンライン診療を行うクリニックに共通する課題です。
「患者体験の向上」
「経営効率化」
「患者リピート促進」
この三要素を同時に実現することが、今後のクリニック経営の鍵となっています。
そうした課題と向き合い、今も進化を続けているオンライン診療システムがあります。
LINE公式アカウントを活用し、LINE上で予約・問診・診療・決済・CRMを一元管理できる「Medibot（メディボット）」は、自由診療・保険診療を問わず、患者体験と経営効率の両立といった成果をあげています。
今回は、「Medibot」を開発した株式会社ソラリウム 代表取締役の中山氏に、その特徴や開発の背景、そして今後の展望についてお話を伺いました。
サービス概要と特徴
本日は「Medibot」についてお話を伺います。
株式会社ソラリウム、代表取締役の中山様よろしくお願いいたします。
よろしくお願いいたします。
クリニックのLINE公式アカウントで、予約から診察・決済・CRMまでを一元化
まずは「Medibot」の概要と、強みを教えてください。
「Medibot」は、
クリニックのLINE公式アカウントの中で予約から決済までを完結できるオンライン診療システムです。
具体的には、
予約・問診・オンライン診療・外来受付・オンライン決済といった一連のフローを、すべてLINE上で行えるため、オンライン診療だけでなく外来を行うクリニックでもご活用いただける設計になっています。
電子カルテやレセコンシステム（WebORCA）とも連携し、診療から会計まで一気通貫で管理できるのが特徴です。
予約の導線はLINEとは別に、Webブラウザからも受付でき、患者さんの使い方に応じて柔軟に選択できます。
なるほど。
専用アプリを使わず、馴染みのあるLINEだけでオンライン診療を提供できるのは患者さんにとってもハードルが低いですね。
従来のオンライン診療システムは、患者に専用アプリのダウンロードを求めるものが一般的でした。
そのため操作が複雑になり、通知に気づかないことも多く、予約率や継続率が低下しがちです。
さらに、アプリのダウンロードや操作方法をスタッフが案内する必要があり、医療機関側の負担も大きくなっていました。
一方、LINEなら誰もが使い慣れており、通知も自然に届くため、予約から受診、決済までストレスなく完結できます。
LINEだからできる“患者フォローと再診率向上”の仕組み
LINEでは、トークの内容や問診の回答に基づいたユーザー情報の収集が可能です。
「Medibot」ではそれらに基づいたマーケティング施策の環境を整えています。
たとえば、
問診で特定の回答をした患者さんにだけフォローアップの自動配信を行ったり、
診察から一定期間が経った患者さんに自動で再診促進メッセージを送ったりすることが可能です。
オンライン診療だけでなく、CRMや再診率向上まで支援できるシステムということですね。
はい。
私たちは「Medibot」を単なるツールの提供に留めず、導入後の運用支援や成果改善まで含めた運営支援の仕組みとして位置づけています。
クリニックごとの異なる課題や目標に合わせて、最適な使い方や運用設計までサポートしています。
現場の課題に寄り添う「運用サポート」の仕組み
クリニック側がこの仕組みを運用していく上で、どのような準備が必要になるのでしょうか?
導入クリニックではどの立場の方が運用されていますか?
事務長や外部マーケターが管理を担い、現場スタッフが患者対応や予約管理を行う形や、
大手法人ではマーケティング部門で管理されるケースもあります。
ただ「体制を整えるのが難しい」「オンライン診療のノウハウがない」という声もあります。
そこで弊社では単に「Medibot」をシステムとして提供するだけではなく、”しっかりと売上が伸びる”初期構築を行っています。
オンライン診療を「始めるだけ」では意味がありません。
しっかりと予約率や売上向上の設計を支援し、現場がシステムを最大限活用できるよう体制を整えています。
なるほど。LINE上での患者データ活用やマーケティング機能は標準装備で、プロによるオンライン診療導線の構築もできるということですね。
はい。特に外来のみでオンライン診療のノウハウがなかったクリニック様からご好評をいただいています。
弊社にはクリニックマーケティングの知見を持つコンサルタントが多数在籍しており、初期の運用設計からしっかりと支援できる体制を整えています。
導入が特に有効なクリニック像
自由診療・保険診療を問わず幅広いクリニックに対応
どのようなクリニックの先生方に特におすすめのシステムですか？
「自由診療／保険診療」そして「外来／オンライン診療」、このすべての領域に対応していますが、
大きく分けて三つのタイプのクリニックにおすすめです。
まず一つ目は、すでに自由診療を行っているクリニックです。
美容皮膚科や美容外科、AGAなど、オンライン診療を新たに取り入れたい先生に多く導入いただいています。
LINE上で問診から決済まで完結できるため、アプリを追加して管理する患者さんの手間が減り、途中で離脱しにくく再診につながりやすい点が評価されています。
二つ目は、保険診療を中心に行っているクリニックで、新たに自費診療を始めたい先生方です。
たとえば内科で美容内服薬やAGA治療薬をオンライン販売したいといったケースですね。
初めての自費診療・初めてのオンラインという「二重の初挑戦」でも、弊社がマーケティング設計からサポートいたしますので、スムーズに立ち上げていただけます。
そして三つ目は、すでに他社のオンライン診療システムを導入しているが、運用面で課題を感じているクリニックです。
「患者情報を活用できない」「アプリの操作が煩雑で離脱が起きる」といった悩みをよく伺います。
「Medibot」ではLINEという慣れ親しんだ環境の中で、患者さんを「友だち登録」という形で管理でき、
自院専用の患者プラットフォームとして資産化できるのが大きな違いです。
自由診療・保険診療を問わず、既存システムに課題を感じている先生にも向いているんですね。
実際、導入いただいたクリニックの中には、予約率が10〜20％改善したという事例もあります。
LINE通知によるリマインド配信や、問診未回答者への自動メッセージ送信など、患者さんが自然に診療プロセスへ戻ってくる流れを作れるのが大きな特徴です。
それはかなり効果的ですね。
中には、予約・問診・オンライン診療といった別の複数ツールを組み合わせていた先生もいらっしゃいましたが、
「Medibot」で統一することで運用負担が減り、結果として月間売上が数百万円単位で改善したというケースもあります。
処方薬の配送に関して、薬局さんとの連携はどのような形になっているのでしょうか？
大きく二つのパターンがあります。
弊社の場合、導入先は自由診療クリニックが一番多く、院内処方で対応される先生が多いです。
この場合は在庫管理や配送管理はクリニック側で行われるため、弊社システム上でヤマト運輸さんの伝票作成画面と連携したり、在庫管理のための決済データを出力する機能をご提供しています。
保険診療のクリニックで院外処方が前提の場合は、患者さんが「どの薬局で処方を受けたいか」を選択できるようにしており、個別にクリニックと門前薬局などと連携して対応いただくケースが多いです。
誕生ストーリー
自分たちが欲しかったオンライン診療システムから生まれた「Medibot」
このプロダクトは、どのような経緯で生まれたのでしょうか？
ソラリウムの創業は2021年で、当初はオンラインAGAクリニックを自社で運営するMS法人としてスタートしました。
私自身も診療オペレーションに携わり、薬の仕入れから配送まで、一通りの業務を経験しました。
当時、弊社では自社のオンライン診療事業で広告費を相当額投じながら集患を行っていましたが、既存のオンライン診療システムでは予約率やマーケティング機能がどうしても不足しているという課題がありました。
そうした状況の中で、「LINEでオンライン診療をやるのが一番良いのではないか」と考えました。当時、LINEでオンライン診療を行うというのはまだ主流ではなく、私たちを含めても数えるほどの事業者しか存在していなかったと思いますが、
「自分たちにとっても患者さんにとっても最適な仕組みを作ろう」と自社サービスのためのシステム開発を始めたのが、「Medibot」誕生のきっかけです。
最初は自社運営の現場課題を解決するための取り組みだったんですね。
そうなんです。
最初は完全に社内利用目的でしたが、導入を見た他の先生から「このシステムはどこの会社のものですか？」と聞かれるようになり、
「ぜひ外部にも提供してほしい」という声が増えて、正式にプロダクト化しました。
「いいね」と言ってくださった他のクリニックの先生方は、どんな点を評価されたのでしょうか?
一番大きいのはやはり「クリニックの公式LINEアカウントの中で全てが完結する」という点です。
それまでのオンライン診療サービスは、いわゆるプラットフォーム型が主流でした。
つまり、何百というクリニックと何千という患者さんをマッチングさせる”モール型”の仕組みです。しかも、患者さん側は専用アプリをインストールしないと使えないケースがほとんどでした。
患者さん目線では、診療を受けるためにアプリを入れて予約操作をするのは手間がかかります。
一方、クリニック側からすると、特に自由診療の場合、せっかく広告費を使って集患しても、プラットフォーム上で他院に患者が流れてしまうリスクがあります。
さらに、患者データも完全に自院で管理できるわけではなく、プラットフォーム側の仕様に依存してしまうという課題がありました。
弊社が開発したオンライン診療システム「Medibot」であればクリニックの公式LINEアカウントの中で、患者さんが診療から決済まで完結できます。患者さんは慣れたLINEの中で診療体験を終えられ、クリニック側は一人ひとりに合わせたフォローや再診促進を行いながら、患者データを自院で保持できる。
この「患者にもクリニックにもストレスのない仕組み」という点を、多くの先生方から評価いただきました。
まさに、現場から生まれた合理的なプロダクトですね。
「Medibot」の機能改善とアップデート体制
現場の声を反映し、2週間ごとのペースでアップデート
リリース後の開発体制についても伺いたいのですが、「Medibot」はどのように機能改善を進めているのでしょうか?
「Medibot」は、実際にご利用いただいているクリニックの声をもとに、2週間ペースで機能の追加や改善を行っています。
2週間単位でのアップデートはかなり早いですね。どのような要望が多いのでしょうか?
最近多いのは、会計や決済の効率化に関する改善です。
たとえば、クレジットカードの事前登録機能を追加しました。
これにより、診療後に患者さんの決済操作を待たずに、スタッフの方が請求や確認を行えるようになりました。
ただし、先にクレジットカード登録を求めると予約率に影響することもあるため、クリニックの方針で柔軟に選択できるようにしています。
また、外来とオンライン診療を併用するクリニックも多いため、外来の予約・会計とオンライン診療の決済を一元管理できるようにするなど、現場の運用に寄り添った改善を重ねています。
まさに現場の課題を”すぐに反映できる”体制ですね。
事例紹介
実際に導入されたクリニックの事例を教えてください。
東京都内で産婦人科・女性泌尿器科を中心に診療されているAクリニック様の事例をご紹介します。
Aクリニック様では、開業準備の段階から、「患者さんに快適な診療体験を提供することが成功につながる」という理念のもと、予約から決済、再診促進までを一気通貫で管理できる仕組みを求めていらっしゃいました。
そこで「Medibot」を導入いただき、予約→事前問診→オンライン診療→決済→フォロー配信までをオールインワンで統合。
導入後は、予約取得時のCV計測に基づく配信設計によってリピート導線を可視化し、LINE友だち登録直後から育成ステップを段階的に設計できるようになりました。
結果として、スタッフの負担を減らしつつ、患者さんへのフォローや再診案内をスムーズに行えるようになり、開業から早期の黒字化を実現されています。
「一気通貫 × 伴走支援」というAクリニック様の狙いに対し、「Medibot」がツールと運用の両面で支援できている事例です。
開業初期から運用や分析の体制を整えながら、早期に軌道に乗せられたわけですね。
他のクリニックでも同様の成果が出ているのでしょうか？
弊社が他の導入クリニック様に行ったヒアリングでは、予約・問診・決済などのオペレーション工数を平均で約65％削減（222時間→77時間）できたという結果も出ています。
「Medibot」は単なるオンライン診療ツールに留まらず、業務効率と患者フォローの両立を支える運用基盤として活用いただいています。
今後の展望――医療DXとAI活用で進化するオンライン診療プラットフォーム
では最後に、今後の展開や会社としてのビジョンをお聞かせください。
大きく二つの構想があります。
一つは、これまで強みとしてきた自費診療だけでなく、在宅診療・薬局・歯科など、より広い領域への展開です。
最近ではこうしたオンライン診療が少なかった領域でもお問い合わせが増え、導入が進んできています。
今後も医療業界全体で「オンラインを前提とした新しい診療体験」を提供していきたいと考えています。
もう一つは生成AIの活用です。
弊社の開発責任者がAI領域のバックグラウンドを持っており、AIをプロダクトに深く組み込んでいます。
たとえば、診察履歴から自動で文字起こしやカルテ作成を支援したり、過去のチャットデータから最適な回答テンプレートを自動生成する機能を開発中です。
さらに、現在マーケターが手作業で行っている患者ごとの配信設計を、AIが「このタイミングでこの内容を送ると予約率が上がる」と提案できる仕組みも構想しています。
最終的には、医療現場の作業負荷を減らしながら、患者満足度とクリニックの収益を同時に高めるAIプラットフォームを実現していきたいと考えています。
医療業界全体におけるDX推進の中で、AIを中核に据えた構想ですね。
はい、まさにそうです。
我々としては「医療×DX」という軸で、単なる業務効率化ツールではなく、診療体験を根本から刷新し、クリニック経営全体の収益性を最大化できる存在になりたいと考えています。
LINEによる一気通貫型の設計と、運用サポート・AI活用によるクリニック経営全体の合理化。
患者満足度と経営効率を両立する仕組みとして、今後のさらなる進化が楽しみです。
開業医へのメッセージ
最後に、開業医の先生方へのメッセージをお願いします。
オンライン診療は「売上が上がる設計」が大切です。Medibotでは、LINEを活用して患者様との継続的な接点を作ることで売上を最大化します。
弊社では【無料オンライン相談会】を実施しております。まずは一度お話を聞かせていただけないでしょうか？
「何から始めればよいのかわからない」「オンライン診療の勝ち筋は？」「Medibotについてもっと知りたい」など、どのようなことでも構いません。
お話できる日を心より楽しみにしております。
本日はありがとうございました。
ありがとうございました。
【編集後記】
「Medibot」の取材を通じて印象的だったのは、使い続けるほど再診率や予約数が向上していく設計思想です。LINEによる一気通貫の仕組みと、運用サポート・AI活用により、継続的な成果につながる点が特徴的でした。
オンライン診療の導入や既存システムの見直しを検討されている先生方は、詳細資料もご参照ください。
【会社概要】
会社名：株式会社ソラリウム
代表取締役：中山 詩文
設立：2021年6月
所在地：東京都渋谷区渋谷2-21-1 渋谷ヒカリエ33階
事業内容：オンライン診療ツール「Medibot」の開発・医療DX支援
開業準備や開業後に役立つメルマガを定期的にお届けします
- 開業に役立つ記事・動画が見放題
DOCWEB限定動画や厳選された情報で、円滑な開業準備をサポート！ - クリニックに合った製品・サービスがすぐに見つかる
手間なく、効率的に情報収集。DOCWEBならではの充実した比較・検討が可能！ - 気になる製品・サービスの資料を無料ダウンロード
詳細情報をすぐに確認でき、納得の選択ができる！
DOCWEB編集部（一般社団法人 DOC TOKYO）
DOCWEB編集部は、2016年の設立以来、一貫してクリニック経営者の皆さまに向けて、診療業務の合理化・効率化に役立つ情報を発信しています。
クリニックの運営や医療業務の改善に関する専門知識をもとに、医療機関の実務に役立つ情報を厳選してお届けしています。
