ライター:高山豊明
はじめに
近年、医療現場においても業務効率化の重要性がますます高まっています。
特に、在庫管理は、医療行為の円滑な実施とコスト削減に大きく影響を与える重要な業務です。
しかしながら、従来の紙ベースの在庫管理では、作業時間や人件費がかさんでしまったり、情報伝達の遅れやミスが発生しやすいなどの課題がありました。このような課題を解決するために、クリニックの現場でも、クラウドによる在庫管理を検討され始めています。
そこで注目されているのが、多くのクリニックで導入されている在庫管理クラウドサービス「zaico(ザイコ)」です。株式会社ZAICO代表取締役の田村壽英氏に話を伺いました。
※掲載当時のインタビューに基づきます。
Q.サービスの概要と特長を教えて下さい
A.医薬品などの院内備品から、販売品までさまざまな物品の在庫管理、受発注の効率化をサポート
zaico導入で棚卸しにかかる時間が10分の1に短縮
はい、例えばですが、zaicoを導入した在宅診療クリニックでは、多くの種類の医療材料を管理する必要があり、従来は棚卸しに膨大な時間がかかっていました。しかし、zaicoを導入したことで、棚卸しにかかる時間が10分の1に短縮できたという声が聞かれています。
院長先生は診察室にいるので、スタッフに在庫管理を任せていると思います。在庫情報の入力や検索、発注処理などの作業は、見えないところで意外に作業時間がかかっているものです。その作業自体が大幅に効率化され、作業時間が大幅に削減されるという効果があります。
また、コスト削減効果も出ています。在庫切れや過剰在庫といった人的ミスはどうしても無くなりません。
在庫切れがあれば、少しコストが高くても別の代替品を使う必要がありますし、過剰在庫があれば無駄が多くなるだけでなく、保管スペースも使います。これらの発生を抑制することで、医療資材に関連する運営コストを削減することができます。
業務効率10倍とはすごいですね。在宅診療クリニック以外でもその効果は発揮されるのですか?具体的な導入メリットを教えて下さい。
作業時間とコストの削減です
他にもミス防止の効果が確認されています
たとえ、年に数回しか発生しないとしても、在庫の数が合わないのを単に「不明」と処理することは難しい。医療材料の紛失には社会的責任が伴いますからね。クラウドサービスならではのメリットもありますか?
情報共有の円滑化も大きなメリットです
クラウドベースのシステムですので、院内各部署でリアルタイムに在庫情報を共有することができ、情報伝達の遅れやミスを防止することができます。全体的な業務効率が向上し、医療従事者の負担軽減にもつながります。
なるほど。誰にでも使いやすいというのがウリと聞きましたが…
以前から悩まれていたクリニック様から「〝業務の属人化〟から脱却できた」という喜びのお声もいただいています
材料を管理する担当者が休暇や退職、産休に入った場合でも、スムーズに業務を継続できる体制が整いますので、人材不足の昨今、このような仕組みの意義は大きくなっているのではないでしょうか。
Q.プロダクト誕生のストーリーを教えて下さい
A.私自身の原体験から生まれた在庫管理システム
開発者の原体験から生まれた在庫管理システム
私の実家は様々な物品を取り扱う倉庫業の会社を経営していました。医療材料は扱っていませんでしたが、当時、在庫管理は紙ベースで行われていました。
そのため、担当者以外が管理するのは困難でした。担当者が休むと業務にならない。その担当者は仕事を休むことができない。だれも喜ばない状況がありました。
そこで、誰でも簡単に使える在庫管理システムの必要性を感じ、zaicoを開発したのです。スマートフォンで簡単に操作できるよう、ユーザーインターフェースにも工夫を凝らしているのは、そのような背景があります。
zaicoには、医療現場のニーズにも応えられる様々な機能があるんですよね?
医薬品、医療機器、消耗品など、様々な種類の医療資材の在庫情報を一元管理することができます
zaicoの具体的な機能
具体的には、DOCWEBのサービス紹介ページをご覧頂ければと思いますが、
バーコードスキャンや画像認識機能などを活用し、入出庫処理を効率的に行うことができます。また、発注点の設定や発注書の自動生成など、発注業務を支援する機能が充実しており、業務の効率化に役立つようになっています。
さらに、一部の業者にはzaicoを通して自動で発注することも可能ですので、ぜひご相談頂きたいと思います。
それから、過去の在庫データに基づいて、在庫回転率や在庫切れリスクなどを分析もできます。在庫状況や入出庫履歴などのレポート作成機能がありますので、事務長さんやスタッフの方は院長との情報共有にも活かして頂ければと思います。
Q.どんなクリニックの先生におすすめしたいですか
A.「患者と向き合う時間」を増やしたいクリニックにおすすめ
医療現場の負担を減らし、患者さんと向き合う時間を増やしたい
私たちは、医療現場の在庫管理を効率化し、コスト削減を実現することで、医療従事者が患者さんとの時間により多く使えるようになることを目指しています。
付帯業務が属人的になっていて業務負担に偏りがあったり、人材採用に困っていらっしゃるクリニックもあると思います。
本来のコア業務である「患者と向き合う時間」を増やしたいという院長先生にぜひ、ご活用頂きたいです。
Q.今後の展望について教えて下さい
A.機能拡充やAI技術の活用により、更なる進化を続ける
zaicoの今後の展望
例えば、AIを活用した画像認識機能の精度向上などが挙げられます。将来的には、医療従事者が、物品の取り出しなど、普段の業務を行うだけで在庫管理が完了するような、よりシームレスなシステムを目指しています。
また、在庫データの活用範囲を広げ、医療ディーラーやメーカーと連携することで、医療材料のサプライチェーン全体の効率化にも貢献していきたいと考えています。
インタビューありがとうございました!これからも、クリニック業務の合理化を進めていってください!
株式会社ZAICO
〒992-0021 山形県米沢市大字花沢331番地