患者と治療のマッチングを支援する新ソリューション「Ubie Decision Support Information」

Ubie株式会社(本社:東京都中央区、共同代表取締役:阿部 吉倫・久保 恒太)は、「テクノロジーで人々を適切な医療に案内する」というミッション実現に向けて、疾患の患者と治療のマッチングを支援する新ソリューション「Ubie Decision Support Information」の効果検証を複数の医療機関で進め、2021年初頭より本格的に提供開始する。
第一弾として、患者が「AI問診ユビー」で慢性閉塞性肺疾患(COPD)と関連する回答をした際に治療法・薬剤情報の選択肢を医師に表示する。当該領域に豊富な知見をもつアストラゼネカ株式会社との協業で効果検証を進め、さらに効果的なソリューションへ進化させていく。

※慢性閉塞性肺疾患(COPD)について
慢性閉塞性肺疾患(COPD:chronic obstructive pulmonary disease)とは、従来、慢性気管支炎や肺気腫と呼ばれてきた病気の総称。タバコ煙を主とする有害物質を長期に吸入曝露することで生じた肺の炎症性疾患であり、喫煙習慣を背景に中高年に発症する生活習慣病。(出処:一般社団法人呼吸器学会ホームページ)

背景

・「エビデンス・ベースド・メディスン(EBM)」浸透によるアップデートの加速

現在利用可能な最も信頼できる情報や科学的根拠を踏まえて患者にとって最善と考えられる治療を行う「エビデンス・ベースド・メディスン(EBM)」が1990年代より提唱され、徐々に医療界に浸透してきた。一方で、このEBMによる日進月歩の知見をアップデートする負担は加速度的に増しており、日々の診察・治療に追われる医師にとっては難しい状況である。

 

・従来の「病名辞書」に紐付いた情報の表示に対するニーズ

「AI問診ユビー」ではこれまでも医師の診察に役立ててもらうための参考情報として、患者の回答内容に応じた「病名辞書」を表示してきた。もっとも、診療所や夜間救急外来等において非専門領域の疾患を診察する際には医師も知識が十分でない場合も多く、より充実した情報を表示してほしいというニーズが多くの導入医療機関からあった。

本ソリューション概要

・疾患の見逃しを防ぐ表示

医療機関向けサービス「AI問診ユビー」において患者が気管支喘息と慢性閉塞性肺疾患(COPD)を同時に疑われる回答をした際、見逃しを防ぐため「喘息とCOPDのオーバーラップ(ACO)のフローチャート(ACOの診断と治療の手引き2018)」の情報を医師閲覧画面に表示する。

 

・患者の治療に必要な情報表示

医師閲覧画面に従来から表示されてきた「病名辞書」に加えて、表示された情報をクリックすると、医師が判断する症状の程度に応じた治療法・薬剤情報が表示される。治療法は医学的なガイドラインに基づいたもの。なお、薬剤情報については公平性と倫理の観点から、アストラゼネカ社製の薬剤以外も同時かつ並列に表示する。製薬企業が持つ薬剤に関する正確かつ深い知見をより多くの臨床現場へ届けるべく、今回の協業に続いて表示可能な情報をさらに充実させていく。

今後の展望

・地域医療のゲートキーパーである診療所(クリニック)のエンパワーメント

地域医療における患者の窓口として診療所(クリニック)は極めて重要な存在。診療所での診察に基づき必要に応じて適切な病院へ紹介するなど「ゲートキーパー」とも言える機能が求められる。しかし専門分化した医学的情報を各診療所の医師が少人数で網羅するのは困難を極め、診療を難しくしている。こうした困難な状況にある診療所の医師を同社のサービスでエンパワーメントし、医療の質の均てん化に寄与していく。

 

・ペイシェント・ジャーニーを包括的にサポートするサービス構築

当ソリューションは、「AI問診ユビー」を用いて医師の診察をサポートするもの。もっとも、サポートが必要なのは診察時に限らない。そもそも医療機関にかかるか、どの医療機関にかかるべきか、診察を受けた後の経過観察によって再診を受けるかなど、患者・医師は共に判断が難しい局面と何度も直面する。患者中心に医療のプロセスを俯瞰した「ペイシェント・ジャーニー」全体で接点となるソリューションを開発・提供し、包括的にサポートするサービス構築を目指していく。

本件に関するお問い合わせ先

Ubie株式会社

所在地:東京都中央区日本橋室町1-5-3 福島ビル6階

電話番号:03-4405-2169

URL:https://ubie.life