小規模なクリニックは患者とのコミュニケーションに悩んでいる

ドクターズ・ファイル編集長 大石真由佳

クリニックのDX化によって地域医療サービスの向上に貢献する、株式会社ギミック(本社:東京都渋谷区、代表取締役:横嶋 大輔、以下「ギミック」)は日本全国の351人の開業医に「患者とのコミュニケーション」について、アンケート調査を実施した。その結果、医師の28.8%が患者との関係に悩んでいることが明らかとなった。

調査結果の概要

クリニックの規模別、医師の年代別で調査結果を集計した。規模別でみると、従業員4名以下の小規模なクリニックの医師の40.0%が「患者とのコミュニケーションに悩んでいる」と回答している。「5~9人」で26.6%、「10人以上」だと19.0%となっている。患者と接する機会の多い小規模なクリニックほど、割合が高くなっている。

年代別でみると、「40代以下」で30.2%、「50代」が21.1%、「60代以上」が33.0%となっている。若い、もしくは高齢の医師ほど「患者とのコミュニケーションに悩んでいる」ことが明らかとなった。

さらに、医師の年齢とクリニックの規模を合わせて集計すると「医師:40代以下・規模4人以下」のクリニックで66.7%、「医師:60代以上・規模4人以下」のクリニックで40.7%が「患者とのコミュニケーションに悩んでいる」と回答している。

「医師が若い、あるいは高齢で患者と直接接する機会の多い小規模なクリニック」ほど、患者とのコミュニケーションに悩んでいる実態が浮き彫りとなった。

増加する「ペイシェント・ハラスメント」が背景か

医療従事者が患者やその家族から受ける暴力・暴言は「ペイシェント(患者)・ハラスメント」(ペイハラ)と呼ばれ、各地で深刻化している。一昨年には大阪のクリニックで25人が犠牲になった放火殺人や、昨年には埼玉で医師が殺害された立てこもりなど、医師らを狙った事件も相次いでいる。

今、厚生労働省も対策に乗り出すなど「ペイシェント・ハラスメント」は社会問題となっている。

日々、医師と接するギミックの担当者も「ペイシェント・ハラスメント」に悩む医師の声を聞くことが多くなっている。

「医師が若い、あるいは高齢で患者と直接接する機会の多い小規模なクリニック」ほど「患者とのコミュニケーションに悩んでいる」という今回の調査結果の背景には、「当たりやすい相手に不満をぶつける」という「ペイシェント・ハラスメント」の増加も背景にありそうである。

集計方法

・集計期間:2023年3月24日(金)~10月30日(月)

・調査数:全国の開業医351人

・調査方法:インターネットでのアンケート

調査結果

規模別の内訳

規模・年代別の内訳

・40代以下

・50代

・60代以上