
(高山)おはようございます。パーソナリティのDOC WEB編集長、高山豊明です。
(大西)おはようございます。パーソナリティのMICTコンサルティング、大西大輔です。
(高山)院長が悩んだら聞くラジオ、第103回始まりました。
(大西)よろしくお願いします。今日のテーマは何でしょうか?
診療報酬改定の短冊、残りの内容を解説
(高山)今日のテーマは、シーズン2に入ったのですが、実はこの時期やはり診療報酬改定の時期ですので、
シーズン2っぽくはないのですが、引き続き今回も残りの短冊を処理していきたいなと思っています。
(大西)短冊が出てから、2月の13日に確定版の短冊が出ました。それからずっとお問い合わせや対応をお互いにしているのですが。
今回の改定はそんなに大きな改定ではないものの、やはりクリニックの内科を中心に厳しい内容になっているので、
今日はそのあたりを話せればなと思っています。
(高山)それではこの後、残りの短冊の内容を解説していただきたいと思います。よろしくお願いします。
(大西)お願いします。
生活習慣病管理料の変更点と療養計画書の手続き簡素化
(高山)ということで、今日は生活習慣病管理料と特定疾患療養管理料、それから外来データ提出加算、この3つについて解説いただきたいのですが、よろしくお願いします。
(大西)お願いします。
まず大前提として、生活習慣病管理料や特定疾患療養管理料というのは、内科やかかりつけ医が算定している点数になっています。
令和6年、前回の改定で、生活習慣病の人は特定疾患を取らずに生活習慣病管理料に、という変更がなされました。
そもそも厚労省としては1と2という2つの点数を作って、生活習慣病管理料1は包括、2は出来高で算定できるように設計をしました。
しかし、やはり突貫工事で作ったためか、いくつか問題が出てきて、それを今回修正したというのが今回の内容です。
(高山)なるほど。
(大西)まず問題の1つ目は、生活習慣病管理料2の算定の時に、併算定できる項目というのが少し設計が甘かったのですね。
要は、あれもこれも取れなくしすぎてしまって、使いにくい点数になってしまった。
そこで、今回は生活習慣病とは直接関係ない医学管理等、時間外対応や、書類の作成など、そういった時に取れる点数が取れるように変更になりました。
ですから簡単に言うと、併算定の範囲が広がったということで、生活習慣病管理料2はより使いやすくなったかなというのが1つの変更です。
2つ目は、在宅自己注射指導管理料の点数、簡単に言うと家で自分で注射を打つという管理料なのですが、
それと生活習慣病管理料を併算定してよい場合といけない場合を明確にしました。
例えば糖尿病の患者さんで、在宅自己注射も糖尿病だとします。
これは一連の診察行為なので取れません。
一方で、糖尿病の患者さんだけれどもリウマチの患者さんというように、2つの主病があるケースの場合は、
糖尿病のお薬を飲みながらリウマチの注射は取れるという風に明確にしたのです。
こうすることによってこちらも使いやすくなったかなと。
今回の1番の大きな変更は、生活習慣病管理料1は包括系の大きな点数なのですが、
調査してみたところ、検査が包括されるので、現場はできるだけ検査しないような流れになってしまったのです。
(高山)どうしてもそうなってしまいますよね。
(大西)検査した方が損になってしまうからです。検査はなるべくしないようにした。
そしたらびっくりしたことに、1年間1回も検査しない患者さんがいました。それは少し問題だよねということで、
6ヶ月に1回検査をすることを要件としました。
これで検査しない患者さんは減るのではないかという厚労省の思惑です。
最後、これ少し大きな話なのですが、生活習慣病管理料1と2は療養計画書という書類を作る必要があります。
この書類の作成が非常に負担なのです。
要は、目標設定シートのようなもので、あなたは体重を落としましょうねという目標設定をして、
4ヶ月に1回ぐらい書類を交わしながら打ち合わせをする。
その際に1回だけでいいのですが、先生や、患者さんのサインが要るのですね。
(高山)それをなくしますというのが出ましたね。実質、口頭でも合意できているからいいでしょうということですよね。
(大西)結局サインをしたかしていないかのチェック機能がないというのと、代筆などをしてしまっている人もいるかもしれないですし。
(高山)実際そうですよね。それはいろんなケースがあるでしょうけれども、書かざるを得ないなどがあるかもしれないですね。
(大西)実はこの裏にあるのが、療養計画書自体をデジタル化するという話なのです。
(高山)なるほど。
(大西)だからデジタル化する時はデジタルサインになる。
厚労省は今、合意形成、同意形成というのはマイナンバーで紐づけようとしています。
だから療養計画書をデジタルで作成して、患者さんに同意を得る時は、マイナンバーカードをかざしたら同意ができると。
そうすることを考えると、そもそも手書きのサインは今時どうなのかという話になってしまったのですね。
(高山)いや本当ですよ。これは全然話が違いますけれど、世の中的にもうハンコやサインは、本当意味がなくなってきていますよね。
(大西)例えば契約書のサインは今、電子署名に変わっていますよね。
その時に収入印紙がいらないという仕組みになっているでしょう。
あれは何なのでしょうね。その時に印刷すると収入印紙が要って、デジタルにすると要らないという。
(高山)それが法律の面白いところであり、不便なところでもありますね。
(大西)誘導したいがために収入印紙はカットしてくれているのでしょうけれど、僕らからすると収入印紙は税金ですから、
免除されるとなって、結局デジタルサインが増えたねという。
それと同じです。療養計画書を作成する時に、次の改定、令和10年の改定でデジタル化がもうほぼ見えているので、
デジタル化する前段階として今のうちにもうサインというナンセンスなことはやめて、
療養計画書をデジタルにした場合はサインをいらないようにしたいのだと。
(高山)理解しました。
(大西)あと、サインをもらうと患者さんが非常にたくさん質問するのですよ。これなぜサインしなければいけないのですかって。
(高山)余計な時間がかかってしまいますね。
(大西)そうすると診察が遅れてしまうので、というのもあるのかなという感じがします。
(高山)現場の使い勝手としてはそうですよね。そういう書類整備のために診療時間が奪われてしまうというのは、コストもかかりますしね。
(大西)そうなのです。そういうことを考えるといい変更かなと私は思います。
眼科・歯科医療機関連携強化加算の新設
(高山)1個質問していいですか。生活習慣病関連で、眼科医療機関連携強化加算60点というのが新設されたようですが、
これはどういう風に読み解くのですか?
(大西)これは、元々生活習慣病、特に糖尿病ですが、糖尿病の患者さんは糖尿病網膜症という病気が併発するのです。
網膜の病気ですが。将来的には失明や白内障などになりうる病気なのですね。
だからそれを早めに発見するために眼科に行ってくださいというのが、今まで努力義務だったのです。
努力義務にしても誰もやらないからお金にしたということかなと。
(高山)これは紹介をしたら、患者1人につき年1回に限り600円か。60点。600円。渋いと言えば渋いですね。
(大西)紹介状が250点ですから。
(高山)そっか、それプラスですね。
(大西)ただその250点プラス60点で310点でしょう。そう考えると大きいです。
(高山)患者負担が結構大きいんですよね。
(大西)だから60点しか付けられなかったというのはあるのかなと。
やはりただでさえ生活習慣病管理料は高いので、
患者さんから見ると「眼科行ってくださいね」とこれまで言われていたのが、
「眼科に紹介状書くのでこれを持って行ってください」にした瞬間に、急にドーンと点が上がるので。
え、行かないです、になってしまうわけですよね。
あるいは紹介状いらないです、になってしまうわけです。
今回の多分点数の肝は、紹介状を出して連携強化加算を取るのか、
あえて紹介状を出さずに強化加算だけ取るのかというのが肝なのだと思います。
紹介状は出す度にお金がもらえるのですよ。
(高山)なるほど。
(大西)この点数は年1回しか取れないのです。
(高山)ということは、こちらの点数を取った方が患者さんのために、患者負担を少なくするためにはということですかね。
(大西)その通りです。3割負担で考えると180円。
180円払って眼科の紹介状を書く、みたいなイメージなのかなと。
ただこれによって眼科に行く人が増えたら厚労省としては万々歳なので、うまく使ってほしいなというメッセージが入っていて。
その下に書いてある歯科医療機関連携強化加算も同じ目的ですね。
(高山)そうですね。これって紹介状がいらないパターンもあるわけですね。元々患者さんが通っていて。
(大西)だから紹介状が必要というのを先生が紹介してあげるという口利き料が250点なのです。
(高山)承知しました。
(大西)これはどちらかというと連携加算なので、自分が行っている眼科に行く時にも取れるのではないかなと。
だからその辺りが、行ってくださいという形なのか、
この書類書いておきますのでこれを持って眼科さんに行ってくださいとなるのか、その辺りの運用の細かい要件、留意事項で決まるのですが。
そういうのが少しこれから細かく出てくるのではないかなと思うのですが。
点数が低いからどれぐらい効果あるのだろうねというのはありますが、眼科さんとしてはすごく期待しています。
これで眼科受診が増えたらいいなと。
特定疾患療養管理料からの除外と病名整理の動き
(高山)分かりました。生活習慣病管理料について、333点と、1が700点と取りにくくなっていると。
(大西)720から670ぐらいの点数ですが。疾患によって点数が違うので。
これを取りにいく時に、僕の見立てで言うと、影響としては、1の算定が減り、2の算定が増える。
あるいは1の時に検査のところをどういう風に逃げていくか、ということが考えられます。
どちらにしても厚労省としては、検査しない患者さんが減り、2が増えたら医療費自体は下がっていくという感覚なのかなと。
続いて特定疾患療養管理料ですね。
(高山)お願いします。
(大西)この点数は、令和6年の前までは生活習慣病も該当していました。
(高山)ええ。
(大西)令和6年に生活習慣病を外されて、次に考えられたのが、特定疾患療養管理料を算定している病気の上位何件というランキングを資料で作ってみたのですね。
そしたら、1位が胃潰瘍でした。厚労省はこれに気づいてしまったのですね。胃潰瘍多すぎないかと。
現場の話で言うと、生活習慣病管理料が333点。特定疾患療養管理料が225点。
これに外来管理加算と特定疾患処方管理料が加わって点数はほぼ一緒なのです。
特定疾患で取っても生活習慣病で取っても変わらないように点数設計したのだけれど、特定疾患の方が月に2回算定できるのですね。
ということは特定疾患の方が得だよねと思っている先生はまだいるのです。
その時に胃潰瘍をつけている先生が多かったという立て付けで。
そこで胃潰瘍をつけるのを付けにくくしようという今回の動きです。
特定疾患の中で消化性潰瘍、いわゆる胃潰瘍や十二指腸潰瘍の場合、非ステロイド性抗炎症薬、
いわゆるロキソニンの投与を受けている場合は除外するというルール変更をしました。
これを行うと、ロキソニンが入っている成分のもの全部出せなくなってしまうので。
ロキソニンというお薬、ロキソニンのテープ、そういったものが全部出せなくなるので、
胃潰瘍という病名を安易につけるのをやめるのではないかという厚労省の思惑ですね。
(高山)牽制的な意味合いが強いですね。
(大西)現場は賢いので、じゃあカロナールを使いましょうかとなる。
カロナールは禁忌ではない。そういう風に逃げていくのかなと。
あと胃潰瘍をつけないで胃炎にするかとかね。
これで今度胃炎が増えていったらまた厚労省が牽制するのでしょうね。
(高山)消えそうですね、文言が。
(大西)ですから胃炎は消されてもおかしくないかなと。
(高山)おかしくないですよね、胃炎や十二指腸炎など。
(大西)調査してみたら面白かったのが、1位が胃潰瘍で2位が喘息だったのですよ。
(高山)喘息ですか。
(大西)喘息はこの特定疾患かというと微妙でしょう。
でもそれよりもこの胃炎の方がもっと微妙なので、胃潰瘍を少し一旦潰しての胃炎も消すかもしれないなと。
(高山)いろんな状況の患者さんがいますからね。
胃炎と言っても。必要な方もいらっしゃいますから一概には言えないかもしれないですけれど。
(大西)つけやすすぎる。胃が痛いです、で出せるわけじゃないですか。
もしかしたら、患者さんが来て胃薬を出してほとんど診察もせずにというケースもあるかもしれないですね。
(高山)穿った見方をすればそうかもしれないですね。
少しツッコんだ話なのですが大丈夫ですか、大西さん。
(大西)大丈夫です。なぜかと言うと、特定疾患が狙われているよということを皆さんに伝えたいからです。
(高山)なるほど。強めに伝えているわけですね。
(大西)特定疾患療養管理料が将来どういう風に再編するかのジャブが今打たれたので。
次の令和10年の改定は結構気をつけてという。
病名整理をそろそろしなければいけないぐらいレベルの病名が違うのですよ。
(高山)粒度が合っていないみたいな。
(大西)例えば癌の患者さんと胃炎の患者さんを併記するって。
(高山)網羅性を優先した結果こうなっているのだと思いますけれどね。
(大西)結局特定疾患というのは厚労省がそれを特定に管理することによって医療費が下がる項目なのです。
(高山)そもそもそうですね。
(大西)だからその中の病名を全部ここに放り込んだわけですよ。
でも胃炎って慢性疾患だろうか?とか。
そんなことも言い出すと結構整理がそろそろ入ってもおかしくないなという感じはするので、
皆さん今回のやつはジャブだということを覚えておいてください。
(高山)分かりました。
(大西)あと最後、外来データ提出加算だけ少し話させていただきますと。
外来データ提出加算から充実管理加算への名称変更
(高山)お願いします。
(大西)今回外来データ提出加算というのは、前回の生活習慣病管理料に紐づいた形で元々あった点数なのですね。
厚労省の指定したデータを提出すると、その点数が取れるという。
それに対して点数的には50点、その生活習慣病管理料に加算できるという点数でした。
今回は名称も変更されて点数も30点になったということになります。
(高山)なるほど。
(大西)これ結構大きな現場へのインパクトで。まず名称が、充実管理加算という名前に変わりました。充実管理加算。
ページで言うと504ページですね。
点数が30点、20点、10点という点数に。
要件としては、30点取れるケースは、たくさん生活習慣病の患者さんを診ているケース。
2番目の20点取れる要件は、中くらい診ているケース。
3番目のケースは、ほとんどあまり診てないケース。
という風に3段階評価したのですね。
たくさん、中くらい、診てないの要件は出てないのでこれから出てくると思うのですが。
点数を下げた理由を現場に行って、厚労省の方々と少しディスカッションしたら、元々使われてないそうです、この点数、50点。
だから厚労省としてはせっかく作った点数がなぜか使われなかった。
理由は2つあったのですね。
1つは、データを作るのがめちゃくちゃ大変だった。
(高山)医療機関側がデータを作成する労力がかかるということですね。
(大西)50点に見合わないからやらなかった。
(高山)なるほど。
(大西)という話が1つ。
2つ目は、そもそも50点いらないという、もう十分生活習慣病管理料が高いからいらないという。
この2つの要件から考えるとこの点数そもそもいるかな?ということが厚労省は見えてしまうわけですよね。
4%しか算定していない点数はいずれなくなる点数なのです。
これはラストチャンスですね。
名称変更して点数下げてデータを作ることも簡素化するからどれぐらい算定が伸びるだろうかを見て。
伸びなかったらそもそもこの点数をなくす可能性もある。
(高山)少し先細り感のある変更内容ということですね。
(大西)ただ僕は充実管理加算という言葉がすごく気になっていて。
(高山)おっしゃる通りですね。
(大西)生活習慣病管理料充実管理加算。
ということは、生活習慣病管理料を算定する時に先ほど療養計画書の話があったじゃないですか。
あれデジタル化するじゃないですか、将来。したら自動的にデータ取れるんですよ、厚労省。
(高山)そうですね。
(大西)ということはデータ要件はデジタル要件に変わるので、そうすると基本的にこの充実管理加算たくさんやっている人にあげる加算、
中くらいにやっている加算、あまりやってない時の加算に変わってくるのではないかなと。
厚労省って名称変更は必ず意図があるので。
意図をちゃんと読み取ると、データを提出することの評価ではなくて、実績評価に変わるのだなと私は読みました。
(高山)充実管理加算のこの内容がまだ理解できていないのですが、30、20、10の違いというのは、
(大西)患者さんの数です。
(高山)数ですか。一人に対しての充実度ということですか?
施設内の、患者さんの人数、対象としている人数によって、
たくさんやっている所に関しては30点、少ないところは10点ということですか。
(大西)相当の実績などと書いてあるのですよ。
じゃあこの相当の実績ってこの実績は何?という話なのですが。
脂質異常症の管理につき相当の実績を有していること。
(高山)まだわからない感じですね。
(大西)わからないのですよ。
ただこれ相当の実績って数え方としては数しかないのかなという。
十分な実績と相当な実績なので、多いことを十分と呼んでいて、少ないことを相当と呼んでいて、それ以外を一番下の点数にしているから。
これから十分な実績とは何か、相当な実績とは何か、というのが通知が出ます。
(高山)そうですね。ではこちらは今後の続報を待つという形にしましょうか。ということで今日はこんなところですかね。
(大西)そうですね。
(高山)次回は最後にしたいと思うのですが、処方箋関係を解説していただきたいと思います。それでは続きは次回にしたいと思います。今回もありがとうございました。
(大西)ありがとうございました。
(高山)少しでも気に入っていただけましたら、番組のフォローをぜひお願いします。新しいエピソードがいち早く届きます。
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DOCWEB編集部(一般社団法人 DOC TOKYO)
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