PODCASTエピソードはこちら
DOCWEB『院長が悩んだら聴くラジオ』この番組は開業医の皆さんが毎日機嫌よく過ごすための秘訣を語っていく番組です。 通勤時間や昼休みにゆるっとお聞きいただけると嬉しいです。
(高山)おはようございます。パーソナリティのDOC WEB編集長、高山豊明です。
(大西)おはようございます。パーソナリティのMICTコンサルティング、大西大輔です。
(高山) 院長が悩んだら聞くラジオ第39回始まりました。大西さんよろしくお願いします。
(大西)よろしくお願いします。今日のテーマは何でしょうか?
今日のテーマ:クリニックの美化意識について
(高山)今日のテーマは、クリニックの美化意識についてです。
(大西)美化意識とは、一般的に工場などで実践されている5S、整理・整頓・清掃・清潔・躾を徹底していくことです。実はクリニックにもこの5Sが当てはまるため、今日はこれらについて考えていきたいと思います。
(高山)それでは今回もよろしくお願いします。
(大西)お願いします。
クリニックにおける5Sの重要性
(高山)今回はクリニックの美化意識についてです。冒頭に5Sの話がありましたが、先生方にはあまり馴染みのない言葉かもしれませんね。
(大西)そうですね。開業時に5Sを意識している先生は少ないように思います。
私が最初に勤めていた会社はメーカーで、工場に行くと必ず5Sが掲げられていました。
どんなに古い工場でも、ゴミの処理や整理整頓は徹底されていて、気持ちよく仕事ができる環境が整っていました。
(大西)私も以前メーカーに勤めていたので、工場の5Sはよく覚えています。さて、クリニックでこの5Sを意識することは、なぜ重要なのでしょうか?
クリニックは清潔でなければならない場所です。清潔さを保つことは、感染症対策にも繋がります。
例えば、インフルエンザが流行する時期には、マスクの着用や手洗いはもちろん、検査キットの置き場所なども重要です。
コロナで直面したように、発熱患者とそうでない患者の動線を分けることも大切です。これらは全て、清潔な環境を維持することに繋がるのです。
クリニックの清潔さを保つ理由
(高山)患者の動線を整理するという意味もあるのですね。
(大西)そうです。クリニックの美化を考える上で、スタッフ・患者・医師、全員が意識しなければ、クリニックはどんどん汚れていきます。
患者さんがクリニックを汚してしまうケースもありますし、トイレの清潔さも重要です。クリニックのトイレが汚いと、患者さんはもう来たくなくなってしまうかもしれません。
(高山)飲食店のトイレもそうですが、クリニックのトイレが汚いのは特に問題ですね。医療施設だからこそ、清潔であることが当たり前という感覚があります。
(大西)そうですね。私はクリニックのトイレに入ると、細かいところまでチェックしてしまいます。
例えば、トイレットペーパーのストックを隠す、芳香剤の香りをきつくしすぎない、自動洗浄機能を備えるなど、患者さんが快適に利用できるよう配慮することが大切です。
(高山)内装を設計する際、トイレは後回しになりがちですが、清潔さにこだわってほしいと思います。
予算の都合で削ぎ落とされやすい部分ですが、クリニックの印象を大きく左右する重要なポイントです。
清潔で使いやすいトイレとは
(大西)清掃のしやすさも重要ですね。
例えば、便器の下に何かがこぼれてしまった場合、床材に抗菌加工が施されていれば掃除しやすいですし、掃除機も使いやすい場所にコンセントを設置するなどの工夫が必要です。
オープニング研修では、書類の置き場所をマスキングテープで示すなど、整理整頓を徹底させています。ハサミやボールペンの位置まで決めてしまうこともあります。
(高山)そこまで徹底されているのですね。
(大西)はい。所定の位置を示したマップを作成し、引き出しの中も写真に撮って整理整頓の状態を可視化します。
そして月に一度、美化委員会がチェックを行います。掃除機はマキタのハンディ掃除機とルンバのようなロボット掃除機の二刀流がおすすめです。
家庭用の掃除機は吸引力が弱く、すぐに壊れてしまうことがあるので、業務用のものを選ぶと良いでしょう。
先生方の整理整頓術
(大西)医師は片付けが苦手な方が多い印象です。
医師は、業者からもらったカレンダーや資料、勉強のための本などで、どうしても物が溜まりがちです。
これらの物をどう捨てるかが問題です。
(高山)書類はどのように整理すれば良いでしょうか?
(大西)ゴミ箱の上にダンボールを置いて、1ヶ月経ったら中身を全てゴミ箱に捨てるというルールを設けています。
医師は忙しいため、自分で捨てる時間がないので、この方法であれば自動的に不要な物を処分できます。
(高山)なるほど、仕組み化することで整理整頓を維持するのですね。
(大西)そうです。医師は必要な書類とそうでない書類を判断するのが難しいので、1ヶ月間保管することで、本当に必要な書類かどうかを見極めることができます。
整理整頓と清潔の定義
(高山)整理整頓の定義について、詳しく教えていただけますか?
(大西)整理とは、必要な物と必要でない物に分けて捨てることです。私はこれを断捨離と呼んでいます。
整頓とは、適切な場所に配置することです。
断捨離と適正配置によって、物が減り、汚れる原因もなくなります。
さらに、物がずれることもなくなり、清潔な状態を保つことができます。整理整頓は、汚れの原因を根本から断つための重要な取り組みです。
(高山)散らかっている状態も「汚れている」と定義するのですね。
(大西)そうです。患者さんは、クリニックの細かい汚れにも気づきます。例えば、本棚に埃が溜まっているのを見ると、不衛生な印象を受けてしまうかもしれません。
患者さんは、クリニックが清潔であることを当然のことと考えているため、少しでも汚れがあると気になってしまうのです。
患者さんの目線を意識したクリニック作り
(高山)患者さんの目線を意識したクリニック作りが大切なのですね。
(大西)はい。患者さんの動線は特に清潔に保つ必要があります。
オープニング研修では、書類の置き場所をマスキングテープで示したり、ハサミやボールペンの位置まで決めるなど、整理整頓を徹底しています。
A4サイズの書類は所定の位置に置く、引き出しの中も写真に撮って整理整頓の状態を可視化し、月に一度チェックを行うなど、細かいルールを設けています。
クリニックの清潔さを維持するためのチェック体制
(高山)美化委員会によるチェックはどのくらいの頻度で行うのですか?
(大西)月に一度チェックを行います。チェックされるとなると、スタッフは嫌でも整理整頓や清掃を行うようになるので、清潔な状態を保つことができます。
また、抜き打ちチェックを行うクリニックも多いようです。
院長がチェックする日を事前に知らせずに、抜き打ちでクリニックの清潔さをチェックすることで、スタッフの意識を高めることができます。
清掃に対する意識改革
(高山)清掃のレベルは個人差がありますよね。どのように基準を設ければ良いでしょうか?
(大西)綺麗な状態を写真に撮って、その状態に近づけるように指導しています。
オープニングの際にクリニック全体の写真をたくさん撮っておき、常にその状態を維持できるよう意識を高めることが大切です。
清掃は「おもてなしの心」で行うべきです。患者さんの立場でクリニック全体をチェックし、駐車場やトイレなど、細かい部分まで気を配る必要があります。
ユニフォームの清潔さについて
(大西)清潔さはユニフォームにも影響しますね。
スクラブなどのユニフォームは、2着ずつ程度提供するのが一般的です。
しかし、人によって洗濯の頻度が異なり、2回着たら洗う人や1週間洗わない人がいます。
お互いに気にはなっているものの、なかなか言い出せないことが多いようです。
毎日洗う必要はありませんが、ルールを設けて、例えば2色のユニフォームを配布し、交互に着用するようにすれば、清潔さを保つことができます。
クリニックを「自分の家」と思ってもらう工夫
(高山)クリニックを綺麗に保つために、他に何か工夫していることはありますか?
(大西)入職時の研修では、机や椅子の下に保護フィルムを貼る、椅子は持ち上げて運ぶ、引きずらないなど、細かいルールを説明しています。そして、「このクリニックは先生方の持ち物です。皆さんの家だと思って大切に使ってください。」と話しています。
(高山)なるほど。しかし、なかなか「自分の家」という意識を持つのは難しいかもしれませんね。
「自分の物だったら、そこまで綺麗にしません」という人もいるかもしれません。
しかし、基準を明確に示し、「これ以上でないとダメなんだ」と伝えることが重要です。
「これくらい大丈夫だろう」という考え方が、クリニックの汚れに繋がってしまうのです。
パソコンや配線などの汚れ対策
(大西)パソコンや配線なども汚れやすいですね。
パソコンは黄色く変色したり、配線に埃が溜まったりと、どうしても汚れてしまいます。
配線を設置する際に、埃が溜まりにくい配置にする、定期的に掃除するなど、具体的なルールを決めておくことが大切です。
ケーブルが絡まっていると埃が溜まりやすいため、整理整頓を心がけましょう。
静電気によって埃が集まりやすいため、定期的な清掃が必要です。
躾と意識付けの重要性
(高山)躾はどのように行えば良いでしょうか?
(大西)躾とは何かを考える際に、自分が苦手だからといって諦めてはいけません。
できないことは業者に任せるなど、工夫が必要です。
整理整頓の業者に依頼するという方法もあります。
(高山)整理整頓の業者もあるのですね。
(大西)はい。整理整頓を代行してくれる業者に依頼することで、クリニックの清潔さを維持することができます。
実際に、整理整頓の業者に依頼してクリニックの環境が劇的に改善したケースもあります。
まとめとして
(高山)今日は5S 整理・整頓・清掃・清潔・躾について詳しくお話いただきました。非常に細かい部分まで気を配る必要があるのですね。
(大西)細かいからこそ、クリニックは綺麗になるのです。
綺麗さを保つことは難しいですが、5年後、10年後のクリニックのためにも、5Sを徹底していくことが重要です。
躾が良いと接遇も良くなり、クレームも減るなど、良いことづくめです。各クリニックでぜひ実践していただきたいと思います。本日はありがとうございました。
(大西)ありがとうございました。
(高山)院長が悩んだら聞くラジオ 今回もお聞きいただきましてありがとうございました。
この番組への感想は「#院長が悩んだら聴くラジオ」でXなどに投稿いただけると嬉しいです。番組のフォローもぜひお願いします。
この番組は毎週月曜日の朝5時に配信予定です。それではまたポッドキャストでお会いしましょう。さよなら。