患者から人気のあるクリニックへ到達できる「陰ほめ」とは?_Podcast『院長が悩んだら聴くラジオ』シーズン1_エピソード41全文書き起こし

患者から人気のあるクリニックへ到達できる「陰ほめ」とは?_Podcast『院長が悩んだら聴くラジオ』シーズン1_エピソード41全文書き起こし

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DOCWEB『院長が悩んだら聴くラジオ』この番組は開業医の皆さんが毎日機嫌よく過ごすための秘訣を語っていく番組です。 通勤時間や昼休みにゆるっとお聞きいただけると嬉しいです。

(高山)おはようございます。パーソナリティのDOC WEB編集長、高山豊明です。

(大西)おはようございます。パーソナリティのMICTコンサルティング、大西大輔です。

(高山) 院長が悩んだら聞くラジオ第41回始まりました。大西さんよろしくお願いします。

(大西)よろしくお願いします。今日のテーマは何でしょうか?

今日のテーマ:患者から人気が出るクリニックとはどんなクリニックか

(高山)今日のテーマは、前回振り返り会でもお伝えしましたが、患者とクリニックの関係性を強化するシリーズです。

まずは「患者から人気が出るクリニックとはどんなクリニックか」を一緒に考えていきましょう。

(大西)よろしくお願いします。

(高山)よろしくお願いします。

クリニックは人気商売?

(高山)今回のテーマは「患者から人気が出るクリニックとは」ですが、大西さん、そもそもクリニックは人気商売なのでしょうか?

(大西)そうですね。人気がないクリニックより、人気があるクリニックの方が良いに決まっています。

(高山)確かに、不人気だと寂しいですよね。

(大西)不人気だと、患者さんがいないように感じます。

(高山)嫌われている、避けられている印象を与えてしまいますからね。やはり人気のある先生、人気のあるクリニックの方が良いでしょう。

(大西)そう思います。ただし、人気があるからといって、経営がうまくいっているとは限りません。

(高山)外から見えるクリニックの様子と、中で働くスタッフが感じるクリニックの様子は違いますからね。

(大西)人気のクリニックの定義は2つあります。

1つは患者さんから、もう1つはスタッフからです。

この両者が一致していないと、なかなか難しいでしょう。

(高山)患者とスタッフ、両方から人気を得ることが必要ですね。

(大西)患者さんに人気があっても、スタッフがどんどん辞めてしまうクリニックもあります。

そういうクリニックは、労働環境に問題があるのかもしれません。先生が無理をしすぎているケースもあるでしょう。

患者さんからの評判は良くても、スタッフからは不満の声が聞こえてくるかもしれません。

(高山)今回は、患者さんから人気が出るクリニックについて絞って話していきましょう。

(大西)人気クリニックの定義付けが重要です。

診療科によって適正患者数は異なってきます。

たまに、患者数が異常に多いクリニックがありますが、何かカラクリがあるのかもしれません。

(高山)人気というより、集客のための仕組みが整っているということでしょうか?

(大西)人気があれば、患者さんが来て口コミが広がります。口コミが広がる仕組みを工夫しているクリニックはいいですね。

人気クリニックの秘訣:地域への溶け込み

(高山)つまり、良いクリニックとは、人気を作り出すのが上手な先生がいるクリニックということですね。

(大西)その通りです。例えば、地域活動に積極的に参加し、顔を知ってもらう努力をしている先生もいます。

医学会だけでなく、自治体の活動にも参加することで、地元の名士として認識されやすくなります。

近隣の小さなコミュニティにも顔を出すことで、親近感を持ってもらいやすくなるでしょう。

(高山)地域に溶け込んでいる先生ということですね。

(大西)そうですね。例えば、食事に行ったときに「先生、いつもありがとうございます」と言われるような先生もいれば、目立たないようにしている先生もいます。

どちらが良いかは分かりませんが、地域に溶け込むためには、飲食店も含め、様々な場所に顔を出すことが大切です。

(高山)人気の定義は、その地域でよく知られていることでしょうか?

(大西)知名度も重要な要素です。

もう1つは、分かりやすさです。「

あの先生のところに行くと、こんな効果がある」というように、メリットが分かりやすく伝わることも重要です。

クリニックの評価基準:腕前?それとも人間性?

(大西)「あそこの先生は優しい」「丁寧な対応をしてくれる」「受付のスタッフが元気」など、具体的な尺度がなくても、クリニックにはレッテルが貼られることがあります。

(高山)患者さん側からすると、医師の腕を正確に評価することは難しいですよね。

イメージが大きな影響を与えます。

(大西)先生方はGoogleの口コミを気にされることが多いですが、Googleの口コミは悪い評価が目立ちがちです。

(高山)良い口コミを作り出すのは難しいです。何か良い方法はあるのでしょうか?

(大西)ネット上では良い口コミは広がりにくいので、子供たちやその親、高齢者などのコミュニティに口コミが浸透していくことが重要です。

口コミは、ネットではなく、人から人へと伝わるものなのです。

医療関係者からの口コミも重要です。例えば、他のクリニックから紹介してもらえるようなクリニックは人気が出ます。

医療関係者との連携:紹介の連鎖を生み出す

(高山)他のクリニックから紹介してもらうためには、どうすれば良いのでしょうか?

(大西)他の診療科の先生方と連絡を取り合い、良好な関係を築くことです。

内科、整形外科、皮膚科、耳鼻科など、様々な診療科の先生と連携することで、紹介の連鎖が生まれます。

(高山)ライバルではなく、同じ地域の異なる診療科の先生と仲良くするということですね。

内科の中でも、循環器、消化器、内視鏡の専門医など、得意分野が異なる先生方と情報交換することで、お互いにメリットがあります。

(大西)看護師や訪問看護ステーション、在宅医療に関わる薬局なども、口コミを広げる上で重要な役割を担っています。

影褒め:人脈作りの鍵

(大西)地域で人気を得るためには、患者さんに直接アプローチするよりも、医療関係者からの口コミが重要になるということですね。

私はこれを「影褒め」と呼んでいます。陰で褒められるようなクリニックを目指すべきです。

(高山)「影褒め」とは面白い表現ですね。人をやる気にさせるには、陰で褒めるのが効果的だと言います。

影褒めを広げるにはどうすれば良いのでしょうか?

(大西)自分自身が影褒めをすることです。

自分が誰かを褒めることで、回り回って自分に返ってくるのです。

褒め合う文化を作ることが大切です。もちろん、根拠のない褒めは意味がありません。

クリニックの評価は、腕前ではなく、人間性や雰囲気に左右されることが多いです。

「性格が良い」「感じが良い」などは褒めやすいポイントです。腕が良いかは、実際に診察を受けてみないと分かりません。

(高山)腕前を評価するには、自分よりも高いレベルの医師でないと難しいでしょう。

(大西)風邪で受診した際に、医師の腕が良いか悪いかは判断できません。診察を受けて、薬を処方されるだけです。

よほど特殊なケースでない限り、標準治療が行われるでしょう。だからこそ、人格を磨くことが重要なのです。

人格とは、人を褒め、認められることです。他のクリニックを認め、褒めることで、紹介してもらえるようになります。

人気獲得の意外なメカニズム:ライバルを褒める

(高山)人気を得るためには、ライバルだと思われがちな他のクリニックを褒めることが重要だというのは、意外な発想ですね。

面白い仕組みです。

(大西)患者さんに「どのクリニックが良いと思いますか?」と聞かれた際に、「あそこの先生は感じが良いですよ」と答えることで、その患者さんはそのクリニックを受診するかもしれません。

そして、その患者さんが「良かった」と言って戻ってきたら、紹介したあなたの人間性が評価されるのです。

逆に、「あそこは良くない」などと否定的な発言ばかりしていると、孤立してしまいます。人気の出し方を間違えている先生が多いのです。

(高山)人気が出ると、患者数が増え、離れていかなくなりますね。

(大西)どんどん増えていきます。ただし、人気が出ると待ち時間が長くなってしまい、患者さんが他のクリニックに移ってしまう可能性もあります。

「あそこは混んでいるから、近くにクリニックを開業すれば儲かるだろう」と考える人が出てくるかもしれません。

しかし、実際にはうまくいかないことが多いです。発想が間違っているのです。

(高山)マーケティングの深層心理ですね。試行錯誤しながら学ぶしかないのかもしれません。

本当のマーケティング:教科書に書かれていないこと

(大西)マーケティングのメソッドを学ぶ先生は多いですが、教科書に書かれていることと、実際に現場で体験することは違うと感じています。

マーケティングの教科書に「影褒め」という言葉は出てきません。ライバルに差をつける方法ばかりが書かれています。

(高山)ポジショニング戦略などですね。

(大西)私はコンサルティングの際に、「陰で褒めまくれ」とアドバイスしています。

先生方は驚かれますが、医療はネットワークビジネスなのです。AさんがBさんを、BさんがCさんを紹介する、といったように、紹介の連鎖が生まれます。

医療行為の価格は同じですし、やっていることも同じです。いかに良いネットワークを作るかが勝負なのです。

(高山)ネットワーク商売ということですね。

(大西)いわゆるマルチ商法のような悪い意味ではありません。

「人脈商売」と呼ぶ方が適切でしょう。人脈作りは、影褒めが鍵となります。改めて聞かれると、意外と答えられない人が多いのではないでしょうか。

(高山)私も今日お話を聞くまでは、「影褒め」という言葉は思いつきませんでした。

(大西)今日知ったのですから、明日から実践してみてください。クリニックで人気を得るための方法は、影褒めです。

私はずっと影褒めを提唱してきましたが、なかなか広まりません。

(高山)これから一緒に広めていきましょう。

(大西)人に直接褒められるのも嬉しいですが、陰で褒められるのはもっと嬉しいです。

(高山)本当にそう思います。

(大西)影褒めのポイントは、人格を褒めることです。

見た目や仕事の能力ではなく、「性格が良い」「雰囲気も良い」といった、目に見えない部分を褒める方が効果的です。

(高山)なるほど、面白いですね。

医療は地域ごとにネットワークが形成されているので、自分のエリアでいかに人気を得るかが重要です。

影褒めは、そのための重要な手段となります。

(大西)自分発信で良いブーメランを作り出すことが大切です。世の中には悪いブーメランが多いですが、良いブーメランを生み出していきましょう。

「勝ちたい」「出し抜きたい」といったよこしまな思いは、ネットワーク作りを阻害します。

そうした先生方には、1年目、2年目、3年目はそれでも良いかもしれませんが、長く続けたいのであれば、人格を磨く必要があると伝えています。

10年目の先生であれば、その重要性を痛感しているはずです。

(高山)各地域のクリニックの先生方、今年は影褒めからスタートし、影褒めで締めくくる1年にしてください。

集中的に影褒めを実践してみてください。

(大西)そうですね。

(高山)今回は「患者から人気が出るクリニックとは」というテーマでお話しました。続きは次回にしたいと思います。大西さん、ありがとうございました。

(大西)ありがとうございました。

(高山)院長が悩んだら聞くラジオ 今回もお聞きいただきましてありがとうございました。

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この番組は毎週月曜日の朝5時に配信予定です。それではまたポッドキャストでお会いしましょう。さよなら。

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