2040年に向けた地域包括ケアの組替え法-診療報酬動向2026年度 具体的方向性(2)-_Podcast『院長が悩んだら聴くラジオ』シーズン1_エピソード91全文書き起こし

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DOCWEB『院長が悩んだら聴くラジオ』この番組は開業医の皆さんが毎日機嫌よく過ごすための秘訣を語っていく番組です。 通勤時間や昼休みにゆるっとお聞きいただけると嬉しいです。

(高山)おはようございます。パーソナリティのドックウェブ編集長、高山豊明です。

(大西)おはようございます。パーソナリティのMICTコンサルティング、大西大輔です。

(高山)「院長が悩んだら聞くラジオ」、第91回が始まりました。大西さん、今回もよろしくお願いします。

(大西)よろしくお願いします。
今日のテーマは何でしょうか。

(高山)前回に引き続き、改定の基本方針に沿った具体的方向性についてです。その2番目として「地域包括ケアの方向性」を深掘りしていきたいと思います。

(大西)地域包括ケアは、毎回の改定でお話ししているテーマですね。

今回の新しいトピックとしては、ターゲットとなる年が「2040年」に変わったことが非常に大きなポイントです。

これまでは「2025年に向けて」とされていましたが、2040年に再設定されたことで、全体的な動向も変化しています。

(高山)2040年頃を見据えた医療機関の機能分化・連携、そして地域における医療の確保がテーマですね。

具体的にはどのような方向性が掲げられているのでしょうか。

2040年の人口動態と地域医療構想の拡大

(大西)2040年頃の人口動態予測では、85歳以上の方が増え、医療と介護の両方を必要とする複合ニーズが高まります。

これらの方々をどうケアしていくかが重要です。

まず一つ目は、新しく策定される「地域医療構想」についてです。

その際、病院だけでなくクリニックの役割も含めようという方針が示されています。

地域医療構想は、簡単に言えば地域包括ケアの仕組みを地域全体で考えるものです。

これまでは病床(ベッド)の削減ばかりが議論されてきましたが、今後は外来診療の必要性やクリニックの過不足についても議論に含まれることになりました。

(高山)なるほど。

(大西)地域包括ケアシステムを進めるにあたり、都心部は外来診療が非常に多い一方で、地方部は全く足りていないという現状があります。

こうした状況を地域ごとに融通し、最適化していこうという考えが一つ目に盛り込まれています。

「治し、支える医療」への転換

(大西)二つ目は「治し、支える医療」の実現です。これまでの医療は、病気を治す「治療」がメインでした。

しかし今後は、状態をそれ以上悪化させないことや、寝たきりの状態であっても在宅で支え続けることが重視されます。

地域包括ケアの3つの柱は「医療」「介護」「生活」です。だからこそ「治し、支える医療」と表現されています。

(高山)「支える」という部分に「生活」の視点が含まれているのですね。

(大西)その通りです。これまでの「治す医療」一本槍からの転換は、非常に大きな違いです。

三つ目は、突然体調を崩した際や、在宅・介護施設で過ごされている方をサポートする「後方支援機能」を持つ病院を正しく評価しようという方針が示されています。

かかりつけ医機能の明確化と正当な評価

(大西)そして、クリニックにとってのメインテーマとなるのが「かかりつけ医機能、かかりつけ歯科医機能、かかりつけ薬剤師機能の評価」です。

機能を適切に評価するために「かかりつけ医機能報告制度」が深く関わってきます。

これまで「誰がかかりつけ医なのか」という定義は曖昧でしたが、国としてはこの定義を明確にしたいという思惑があります。

(高山)なるほど。

(大西)患者さんの視点では、受診している内科、皮膚科、耳鼻科、整形外科などはすべてかかりつけ医と言えます。

しかし今回の改定では、かかりつけ医を「最初に行くクリニック」と位置づけ、そこから各診療科へ紹介していくイメージで、主に内科などがどのように評価されるかが焦点になります。

外来医療の機能分化と逆紹介の推進

(大西)次に「外来医療の機能分化と連携」です。

現在、大病院への紹介件数が増えすぎていることが課題となっています。これまでは大病院へ直接来院するケースが多く、医療資源の無駄が生じていました。

軽症の風邪などはかかりつけ医が診て、重症化した場合に大病院へ送るという流れが理想ですが、大病院へ紹介したきり患者さんが戻ってこないという現状があります。

(高山)大病院から地域のクリニックへ戻る仕組みが必要ですね。

(大西)大病院から地域のクリニックへ患者さんを戻す「逆紹介」を適切に評価する方針です。

また、入院患者が退院した後の在宅医療や訪問看護(訪看)の評価も進められます。

他にも、人口や医療資源の少ない地方部において、どのように医療機能を確保していくかが議論されています。

(高山)なるほど。

(大西)医療従事者の確保が難しくなる中で、必要な機能を維持するための施策です。

これは前回の内容とも重なる部分ですが、改めて重要性が示されています。

さらに「医師の地域偏在対策の推進」も掲げられています。

地域包括ケアの課題は、地方部ほど高齢者の比率が高いことです。

一方で都心部は比較的低いですが、今後15年ほどで都心部も地方部も高齢者だらけになる世界がやってきます。

(高山)15年後の世界ですね。

(大西)都心部では介護や在宅医療が不足し、地方部では外来クリニックそのものが足りなくなるというミスマッチが生じます。

これを地域ごとに改善していこうというテーマです。

(高山)医師の偏在対策も、人口動態に従って年々変化しているのですね。

(大西)収益が見込めない地域での開業は難しいため、過疎地にはなかなか医師が定着しません。

そこに高い評価をつけるのか、あるいは保険料の問題をどう整理するのかといった難しい課題があります。

地方部を中央が支える形を模索せざるを得ません。

(高山)そうですね。

(大西)中央部は税収が多く、地方部は少ないという格差があります。

現在、東京都の税収を地方へどう割り振るかといった議論も出ているほどです。

誰も地方に行かない現状をどう変えるか、診療報酬でどのように評価するかが今後の見どころです。

(高山)なかなか難しそうな課題ですね。

(大西)現場でも、都心部のサポートが多いのですが、たまに地方部に行くとやはり患者さんの数が少なく、経営が成り立たずに医療機関が消えてしまうリスクを実感します。

「街づくり」と「医療」は非常に密接に関わっていると感じます。

(高山)資料を見ながら聴くと、より理解が深まりますね。

(大西)クリニックに関することに絞って深掘りすると、まず、かかりつけ医かどうかで機能が大きく変わります。

内科であれば、かかりつけ医として在宅医療や時間外対応が求められるようになります。

一方で、専門科はどうなるのでしょうか。

皮膚科や耳鼻科などの、かかりつけ医をサポートする立場にある診療科は、かかりつけ医とどう連携していくかが重要になります。

今回の改定で、内科とそれ以外の診療科での機能分化がより鮮明になっていくでしょう。

(高山)そのあたりは、これまでも議論されてきたことですね。

(大西)「かかりつけ医機能報告制度」の策定時に、かかりつけ医の本質について議論されました。

診療報酬改定は「制度の変更」「補助金の活用」「報酬自体の評価」の3つが一体となっています。

(高山)かかりつけ医の実装もいよいよ本格化しますね。

(大西)研修の受講や、現在の点数体系の中にどう組み込むかが議論されています。

具体的な点数としては「機能強化加算」と「地域包括診療料」が2本の柱となります。

これらの中に、在宅対応、時間外対応、お薬の一元管理、紹介・逆紹介といった、かかりつけ医としての機能を明確に定義した点数が盛り込まれました。

(高山)実態を伴う評価になるということですね。

(大西)「やります」という宣言だけで終わらせず、実際の活動を正しく評価する仕組みです。

具体的には「データ提出加算」などの点数が、このかかりつけ医関連にも関わってくる可能性があります。

(高山)変わりゆく地域の人口動態に合わせた医療のシフトチェンジや体制整備が主な内容であると理解しました。

(大西)その通りです。

(高山)ありがとうございます。

今回は地域包括ケアシステムの具体的方向性について語っていただきました。

次回はさらに次の項目に進みますので、リスナーの皆さんもDOC WEBから資料をダウンロードして参照してください。

大西さん、今回もありがとうございました。

(大西)ありがとうございました。

(高山)院長が悩んだら聞くラジオ、最後までお聞きいただきましてありがとうございました。

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この番組は毎週月曜日の朝5時に配信予定です。それではまたポッドキャストでお会いしましょう。さよなら。

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