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DOCWEB『院長が悩んだら聴くラジオ』この番組は開業医の皆さんが毎日機嫌よく過ごすための秘訣を語っていく番組です。 通勤時間や昼休みにゆるっとお聞きいただけると嬉しいです。
(高山)おはようございます。パーソナリティのDOC WEB編集長、高山豊明です。
(大西)おはようございます。パーソナリティのMICTコンサルティング、大西大輔です。
(高山)「院長が悩んだら聞くラジオ」、第99回が始まりました。大西さん、今回もよろしくお願いします。
(大西)よろしくお願いします。
今日のテーマは何でしょうか。
(高山)今日のテーマはなんと第2回目のゲスト回ということで、拍手でお迎えしたい感じです。
大物ゲストを呼んでおります。テーマとしてはAI活用ですね。
昨今話題ですが、いよいよ国も動き出したということで、AI活用を本格的に取り上げたいと思います。
(大西)診療所もAIをだいぶ使い始めていますが、少しセキュリティ面が不安なままスタートしているので、その辺りゲストの方によく聞きたいなと思います。
やはり個人情報の塊をどうAIが活用していくか、医療にとってはかなりセンシティブな問題だと思うので、その辺りをお聞きできたらいいなと思います。
(高山)この後、医療業界でのAI活用について語っていきたいと思います。よろしくお願いします。
(大西)お願いします。
診療報酬におけるAI活用の評価と現状
(高山)診療報酬にもAI活用が盛り込まれるというお話をお聞きしたのですが、その辺り少し詳しく教えてください。
(大西)過去、前回の改定でも、内視鏡関連のAIや、最近流行っている画像AIというものが盛り込まれていました。
AIが画像を分析して病変を発見する、そんなAIがありました。
今回はどちらかというと、生成AIについての評価や内容が2026年の改定で盛り込まれてきたので、
画像AIという一般的なAIから生成AIの分野に入ってきたなというのが現状です。
(高山)いよいよですね。生成AIを使って医療現場をどう変えていこうとしているのでしょうか。
(大西)現場はやはりテキストデータが医療には多いのですよね。
カルテ、看護記録、書類など、様々全てAIが活用できる場面があると医療の世界では考えています。
実は看護師さんは普段のラウンド中に色々なところでお話を聞いて、それをカルテや看護記録にまとめるのですが、
大体は全部仕事が終わって残業してやっています。
そんなことやっている場合じゃないよねということで、音声からAIにするとか、過去のサマリーをAIがまとめるとか、そんなことをしています。
(高山)今回、診療報酬にはそういったところが評価されるということでしょうか。
(大西)これまでの評価と少し変わっているのが、何かを入れたらお金がもらえるというのが診療報酬の仕組みなのですが、
今回はそれを活用して効率化ができたら人員配置を削減するという立て付けなんですね。
これはおそらく人手不足の問題とかなりリンクしていて、現在、私たち日本という国は人手不足が深刻です。
その際に看護師さんも事務さんも採用が難しいのであれば、配置基準を下げてでもいいのではないか。
その時にAIが出てきたという感じです。
(高山)なるほど。看護師の配置基準や人数問題というのは、本当にここ何年も一番のテーマだったと思います。
ただ現実的に看護師をそうやってきっちり揃えるということが難しくなってきているという背景もある気がします。
一方でAIが活用できそうな段階になってきているので、活用すれば人数が少し減っていても同じ医療を提供できると国が判断したということですね。
(大西)AIもそうですし、RPAもそうですし、見守りセンサーなど色々な分野であるのですが、
何が生産性を高めるのかという時に、タイムスタディを取った結果、書類系や文書系が一番効率が高そうだということが分かってきました。
中医協の会議の中でもはっきりとAIが有効であると見えたので、動き出したということなのだと思います。
医療現場におけるAIの活用目的と今後の展望
(高山)なるほど。実際医療現場で、すでにAI活用は進んでいるものでしょうか。
(大西)私自身はクリニックが専門のコンサルタントなので、クリニックに特化して言うと、カルテのAIはすごく進んでいます。
(高山)というのは、カルテの機能の1つとして生成AIが盛り込まれているということでしょうか。
(大西)そうです。AIというシステムに関しては、音声をテキスト化するAI、テキストを今度は書類化するAI、
それをサマライズするAIと色々なフェーズがあるのですが、かなり音声系のAIとサマライズ系のAIがカルテに向いています。
例えば患者が喋ったこと、先生が喋ったこと、そういったことを分析して、当然その中からどんなお薬を…そこまではこれからの世界ですが、
導き出すかとか、どんな病気を類推するかとか、さらには診療報酬の点数まで行けたら、一気に医療の現場は変わると思います。
(高山)そうですね。レセプトまで行けると本当に無人化時代が到来という感じです。
このポッドキャストでもずっと言っていますが。
(大西)私の仕事がなくなるという。で
も私はクラークの育成が専門なので、医療事務の存在すら診療所の現場ではなくなるかもしれません。
私はいろいろな原稿で、AIと付き合う方法みたいなことを書き出しています。
(高山)なるほど。今色々なところで、生活の中にもChatGPTなどがあり、一説によるともう家族よりも親身に答えてくれるみたいになっています。
そう感じる人が増えているくらいですから、クラークに関してもそんなに専門的な人じゃなかったとしても、
電子カルテに入力している右端にクラークを支援するようなAIが出てきて、
「今先生こうやって言ってたからこれでいいんじゃないの?」みたいなトスアップをしてもらって、
「じゃあそれ入力する」みたいなことができます。今GoogleのGmailでも、劇的に変わりました。
AIが勝手に生成してくれて、めちゃめちゃ楽だなと思っています。
(大西)こんな風に返事したらどうですかって出ていますよね。
(高山)もう自分が書くよりうまいじゃないかと思って。
(大西)ですから私たち現場で言うと、患者の言っていることの全部はいらないし、先生が言っていることの全部はいりません。
カルテに残すべき基本情報というのが明確にあるので、最低限の部分だけ貼れば、後で読み返しやすいのです。
これまでクラークの育成で難しかったのは、この取捨選択ということがすごく難しかった点です。
例えば、この情報はS(サブジェクト)の情報なのか、O(オブジェクト)の情報なのかというのが、意外に判別が難しくて。
慣れれば判断できるのですが、それが難しい。
例えば熱を測る時に、家で測った熱はサブジェクトに書こう、今日クリニック内で測った場合はオブジェクトに書こう、
とルールを作るわけです。でもAIは賢いので、「いつ」という情報から紐付けし、「今回」というふうにしてくれます。
「何度以上だとコロナの検査が必要だよね」とか、「何度以下ならいらないよね」というのも38.5度とか決めておけば、分解してくれます。
非常に人間より賢いわけではなくて、人間のノウハウをちゃんと再現することがだんだんできてきているのかなという感じがします。
(高山)そうですね。そのうち人間よりも賢くなるのではないかということをすごく感じています。
実際、医療現場でのAI活用の目的がどんどん変化していくのかなと思います。
今は人材が少ないから一人当たりの生産性というか、効率を上げていこうというのが現状だと思うのですが、その先はどうなのでしょうか?
私たちとしては医療の質を上げていくようなイメージになっていくのかなと思うのですが、いかがですか?
AIの二次利用と患者情報の取り扱い問題
(大西)次のステージは二次利用だと思います。
データがカルテに蓄積されていく。そのカルテのデータを分解して活用していく。
例えば、私たちは世界で一番最初に高齢化の国を作る日本です。
今後、ドイツやスペイン、イタリア、中国といったところは同じ道を辿ります。韓国も同じ道を辿ります。
その時に、私たちが作っている今のデータが非常に役に立つと思います。
例えば高齢者がどういう病気や疾患をし、どういうプロセスで治療したり亡くなっていくのかというのがすべてライフログという形で取れます。
それらを分析すれば当然海外の人たちは買いたい情報なわけです。
その時に、二次利用の一番の難しさは匿名性だと思います。
勝手にデータを抜いて患者さんに許可を得ずに使うことはやはりできません。
その辺りが少し有耶無耶なのがすごく今怖いなと思っていて、これが今日のゲストにつながっていくのかなと思います。
(高山)そうですね。医療の質を上げていくためにも二次利用や研究が進みやすくしてあげることは大事だと思うのですが、
その一方で、患者情報の取り扱い問題は全く解決していないということですね。
(大西)これはすごい怖さで、ChatGPTに患者の個人情報ごと投げてしまっている先生もやはりいるわけです。
(高山)そうですね。
(大西)誰の許可を得てやっているのだろうかと思いながら、すごいなと思って見ています。
本来は許可を得るべきことだと私は思うのですが、患者さんに「すいません、ChatGPTに投げていいですか?」と許可は得にくいですよね。
(高山)言う必要はないだろうという今のグレーな期間なのかなと。
(大西)一応厚労省や経産省の電子カルテのガイドラインではそれはダメだとは書いてあるのですが、読んでいないのでしょうね。
ゲスト紹介:AIBTRUST株式会社 森岡氏
(高山)浸透していないという意味でのグレー期間なのかなと思うのですが、そこでそういった問題をどう解決していけばいいのかということで、
今回ゲストでAIBTRUST株式会社の森岡さんにお越しいただいています。
そのあたりの専門家ということでお話をお聞きしたいと思います。
おはようございます。
(森岡)こんにちは。AIBTRUST株式会社の森岡です。よろしくお願いします。
(高山)よろしくお願いします。
(大西)お願いします。
医療現場におけるAI利用の課題:同意取得と監査
(高山)話の流れ的に、患者情報をどう扱うべきか、今現状どんな問題があってどう解決していけばいいのかというところをズバリ教えていただきたいのですが。
(森岡)AI利用、特に現場でのAI利用ですね。
先ほど大西さんもおっしゃっていましたが、ChatGPTに入れちゃうみたいなことが起きたりしています。
問題は2つあります。1つは同意取得という問題です。
一次利用ならOKという話があるのですが、LLMという脳みそにデータを入れた瞬間に第三者提供になってしまいます。
一次利用かつ第三者提供しないようなAIというのは、要は学習させないということになってきます。
ではこのAIが本当にいいのかというのがまず問題として1点あります。
もう1つは使った後の監査の問題です。
医療現場で使った場合、監査はどうなっているのかと言うと、アメリカのFDAなんかはそこを徹底的にやっていまして、
AIの監査プログラムをAPIで提供して、全部のログとプロンプトの内容を監査するようになっています。
変なことをアウトプットして、それが間違った医療につながると大問題になってしまいます。
AI利用の同意の問題と、監査の問題。
この2つが大きな課題として日本にはあると思っています。
(高山)なるほど、ありがとうございます。
それを日本の医療の課題として捉え、解決するために会社を作られて現在活動を始められたところだと思うのですが、
少し順番が逆になりましたが、簡単に自己紹介をしていただいてもよろしいでしょうか。
(森岡)私、AIBTRUST社長を務めさせていただいている森岡と申します。
私自身は元々ずっとIT畑におりまして、特徴的なところでいくとFacebookの日本の初代副代表を務めさせていただき、そこの成長に寄与したという点と、
その後KDDIに転身し、そこの子会社を作って社長を6年間やってまいりました。その時にキャリアデータを使った広告事業などでうまくいったというところです。
最後にLINEヤフー社、実はここはFacebookの前の古巣なのですが、LINEヤフー社に行きまして、まずデータソリューション統括本部というところでデータを扱う部分の統括本部長を務めました。
と同時に、ちょうど生成AIが急激に伸びている最中でしたので、生成AI統括本部を作れと孫さんに言われまして、それを作ったという経緯になります。
(高山)なるほど。それで医療の課題にも気づかれ、そこを改善していこうと取り組まれているわけですが、実際目の当たりにした医療現場はいかがですか?
(森岡)やはりなかなか同意の問題であったり、医療データの使い方であったり、この辺りはまだこれから皆さんが勉強されていく部分なのかなと思っています。
AIBTRUSTが提供する解決策:ブロックチェーンとダイナミックコンセント
(高山)なるほど。実際想像するに、先ほど大西さんも話していましたが、いわゆるシャドーITというか、
勝手にされていっているというのが現状なのかなと思います。これからは先ほどおっしゃっていた監査も含めて、
あとは同意ですね。この同意と監査について、どう解決していくべきだとお考えですか?
(森岡)我々はAIBTRUSTで解決策を世の中に提供しております。
1つは同意の部分に関してですが、我々の場合はブロックチェーンというものを使いまして、
まずカルテ情報を病院内のデータベース内で分散化してしまいます。バラバラにしてしまうのですね。
ブロックチェーンでバラバラにしたデータを結合させるためのキーというものがありまして、このキーを患者様に返してしまいます。
そうすると、このデータを管理できるのは患者になるわけです。
これを私たちはデータ返却と言っていて、患者主権のデータ管理に戻しているということです。
(高山)リスナーさんが初めて聞くキーワードが今さらっと出てきたので、少し解説を入れていただきたいのですが。
暗号化キーを医療機関が管理するのではなく、そのキー自体を患者個人に渡してあげることで、データが完全に患者に戻るキーということですね。
それを患者に渡すことで患者主権のデータ管理になりますよと。その状態にしていくことを「情報返却」と呼んでいるということですね?
(森岡)そうです。わかりやすく言うと。
(高山)情報返却というのは造語ではなくて、そういったデータを扱う専門家からすると専門用語として通常使われている言葉ということでよろしいでしょうか?
(森岡)この言葉は半ば造語ですね。
(高山)なるほど。
(森岡)わかりやすく言うとというところになるので、実際には患者主権のデータに戻すということであります。
(高山)なるほど、ありがとうございます。
(森岡)そうしますと、患者が自分の医療データをコントロールできる状態になります。
そうすると、医療機関の人がAIを使いたいと言った時に、患者に「使っていいですか」と聞けるんですね。
患者が許可すれば、そのキーをもう1回病院やお医者さんに渡すことができます。
そうしますと、これは同意を取ったということになりますので、医療現場での生成AI活用が自由にできます。
この同意を取るという行為を厚労省も推進していますが、
「ダイナミックコンセント」と言いまして、都度同意を技術的に取っていくということになります。
(高山)なるほど。
ダイナミックと聞くと、IT用語的には動的みたいなイメージを受け取るのですが、
その反対の静的というのがあるとするならば、静的な同意の仕方と動的な同意の取り方というのがあるのでしょうか?
(森岡)そうです。静的な同意の仕方はもう皆さんご存知の包括同意契約ですね。
一番最初に包括的に取ってしまうと。
でもAIの場合はバージョンアップしたり、色々な進化がずっとありますので、包括同意を取った時点から進化してしまうと、もう1回取り直さないといけなくなります。
(高山)なるほど。
(森岡)そこの進化に対応するためには、都度ダイナミックに取っていくことが求められており、これ自体は世界の標準的な考え方になっています。
(高山)なるほど。どこまでどういうふうな活用ができるのかがどんどん広がっていっているので、
最初に包括で同意を取っていたとしても、その範囲を超える利用になってくるということですね。
(森岡)そうです。そういうことがどんどん起こり得るということです。
もう1つは、AIに使う際には、我々のデータはカルテデータをブロックチェーンに分散する時にFHIRという「ファイア」規格に変換します。
これは国際標準の規格になります。
そうしますと、同意を取る時に、あなたのどのファイアリソースを何の目的に使いますかということと合わせて同意を取ります。
ブロックチェーンの良いところは、これを全部記録に残して、かつトレーサビリティと言いまして追跡可能になるんですね。
ですから、ログが全部残ります。
このこともとっても大事でして、このAIにはこのファイアリソースを使いますということが全部紐付いていくわけです。
ですから、そこの同意が取れているというダイナミックコンセントは、これまで技術的に難しかったのですが、
それを我々が実現できたということになります。
(高山)なるほど。その利用の範囲を提示し、それに同意をしてもらった内容が、その範囲を超えていないかとか、
その目的通りに使われているかということがトレーサビリティではっきりするわけですね。
(森岡)そうですね。
(高山)それは監査のところでしょうか。
(森岡)そうですね、監査の部分にも該当します。同意の部分にも該当します。
(高山)なるほど。そうするとかなり患者さんとしては安心ですね。
(森岡)安心です。今までの包括同意契約やそれに類するものですと、患者さんは何に同意しているかいまいちわかっていないんですね。
何か「いいよ」と言わないと進まないんでしょ、みたいな感じでついつい同意してしまうのですが、それを悪用するケースもなくはなくて。
実はアメリカでも先週ぐらいに大問題が起きていまして、ニュースになっています。
アメリカは同意がなくても医療目的であればデータは自由に使えるんですね。
しかし、その中でも医療目的外に使うケースがすごく増えまして、それで使っているということが、ある意味問題になりました。
電子カルテメーカーがこぞって、医療目的外に使っているだろうということで、情報を流通している会社を訴え始めまして、結構訴訟になっています。
(高山)なるほど。日本でも起こり得ますよね。
起こり得ますね。日本人のものの、グローバルな犯罪になっていますので。
(盛岡)そうです。犯罪とするつもりでやっているわけではないのですが、おそらくマーケティングデータであったり、
企業の広告に使ったりするのにも、医療情報というのはすごく有益な情報ですので、アメリカなどで使われていたわけですよね。
それが大問題になってきて、要するにそうなるということはトレーサビリティが超重要だという論争になってきているということですね。
(高山)データの流通というのは国内にとどまらないですよね。
そうすると、うっかり医療現場で「このAIに食べさせようかな」と気楽に使ってしまうと、日本だけではなく世界に広がってしまうわけですね。
(森岡)そうなんです。アメリカだったら自由に使えるけれど日本は使いにくいと言われたりしますが、
同じような課題は世界共通であるのかなという状況になっています。
ヘルスインタビューと生成AIの具体的な活用シーン
(高山)具体的AIBTRUSTトラストさんはどんなサービスを提供されているのでしょうか?
(森岡)医療のDXシステムという形で、ヘルスインタビューという商品を、受付からカルテ入力までのところ、
カルテではないのでカルテ入力までのすべての機能を備えたDXシステムを提供しております。
その中には、患者さんへの情報返却の機能であったり、生成AIが使える機能も実装しております。
(高山)生成AIというのは例えばどんな場面で使うような機能なのでしょうか?
(森岡)これからどんどん想像力が膨らんで広がっていくと思いますが、我々が提供しているのは3つです。
1つは、医療現場のお医者さんやコメディカルが、患者の情報を使って、例えば診療のアドバイスをしたり、
カウンセリングをしたりといったものの中身を、まず一旦生成AIに出してそれを読みながら提供するとか、
抜け漏れのないチェックをするためのAIを作ったりといったことができるようになります。
あとは色々なサマリー系や書き物系ですね。
これも患者データを使えますので、患者が許可すればそれを生成するというようなAIです。
2つ目は、院内スタッフ用のマニュアルAIです。
院内スタッフが、患者データは関係ないのですが、院内のマニュアルをどんどんそのAIにアップロードすれば、それが簡単に聞けるようになります。
最近の看護師さんの離職理由で、コミュニケーションの問題が多いのですが、大体聞いた時に先生から怒られたりするわけですよね。
(高山)忙しいですからね。
(森岡)「そんなのも知らんのか」とか、「なんで知らんだ」みたいに怒られてしまうのですが、
AIだったら聞きやすいというのがあるので、マニュアルを全部入れておくと、まずはAIに聞くということが可能になります。
こういったことも新しい時代の使い方としてあるのかなと。
(高山)なるほど。
(森岡)最後に患者向けAIですね。
アプリケーション上で病院が提供する患者向けAIというのも作れます。
自分のファイアリソースを使って、病院から提供されたAIにまずは一旦相談するとかですね。
これを提供するかしないかは病院の判断ですが、そういったものを作ることもできるようになっています。
(高山)なるほど。そういった機能を最初から例示的にというか、ニーズのあるものだけまずは用意されて提供されていると理解したのですが、
提供されているそのダイナミックコンセントを実現する仕組みや、生成AIの仕組みを使っていくと、
今後、病院の中で「こんなのあったらいいな」というものを、サービス上で独自で各病院が作っていけるみたいな機能もあるのでしょうか?
(森岡)おっしゃる通りです。
我々のAIは、企業側が提供するAIではなくて、病院ごとにカスタマイズして作れるAIになっています。
これを「RAG(ラグ)AI」と言います。
通常の生成AIですと世界中のインターネットを検索してその答えを無理やり出してくるのですが、
それを医療でやると、ハルシネーションという嘘をつくということが起きてしまいます。
それを防ぐ意味で、指定したドキュメントだけを見に行くということが可能になっています。
我々のAIはアップロードしたデータだけしか見に行きません。
ですので、論文であったり、マニュアルであったり、ガイドラインであったり、
そういったものをどんどんアップロードすれば、それに沿った答えを出してくれます。
(高山)なるほど。病院独自の何かを作ることがしやすくなっているということですね。
(森岡)そうですね、病院独自、もしくはお医者さん独自という形になってきます。
(高山)なるほど。色々なAIを作ってしまいそうですね。
(森岡)どんどん作れると思います。
色々な発想が生まれて、逆に教えてもらえるとどんどん進化するかなと思っています。
あとは学会標準AIという形で、学会が作ったAIを提供するということも考えています。
(高山)それは診療ガイドラインに沿った何かということですね。
(森岡)そうです。アップデートは学会側でしてもらう形でやれば、最新の状態で生成AIが稼働し始めるので、
この辺りは聞きやすくなるのではないかと思います。
(高山)なるほど。そういった生涯学習やアップデートにも活用できそうですし、
患者データが使いやすくなる環境を用意することによって、
AIで分析をして新たな知見を見出して論文化するとか、そういった研究活動にも寄与するような感じですね。
(森岡)おっしゃる通りです。まさにそんな形で使っていただきたいと思っています。
導入事例とクリニックにおけるメリット
(高山)ありがとうございます。
そういったAI活用ですが、現在、医療機関では森岡さんのシステムに関してはどのくらい導入が始まっているのでしょうか?
(森岡)もう本当に売り出したばかりでございまして、導入していただいているところはまだ3件です。
引き合い自体は十数件いただいているところで、今どんどん広がりを見せているところです。去年の年末ぐらいにローンチしたばかりですので。
(高山)年末に発表されてもうすでに3病院で使われていて、その病院というのは結構大きな規模の病院ですか?
(森岡)いえいえ、クリニックです。
(高山)まずはクリニックということですね。
(森岡)大きな病院からも今ほぼ決定している状態で、あとシステムの連携の部分が大きな病院ですと少しありますので。
(高山)そうですよね。
さすがに導入する時に壁はありますよね。
(森岡)そんなにすぐにはというわけではないですが、導入は決定して、システムの仕様を細かく詰めているところが何件かあります。
(高山)そうですね。まだまだお聞きしたいことたくさんあるのですが、この番組はクリニックの先生向けの番組ですので。
クリニックでの活用において、何か喜ばれている点というのはどういった点にありますか?
(森岡)まずAI活用に関しては、非常に多岐にわたるというかカスタマイズできる点においてすごく喜ばれています。
病院ごとに業務プロセスが違うと思いますが、それを変えなくていいという部分においてすごく喜んでいただいているのが1点と、
あとはやはり患者同意が完璧にできているということで、病院経営上安心できるということです。
普通のAIソリューションの提供を考えられたりしたみたいですが、同意の責任は病院さんで取ってねと言われるケースが多いみたいでして。
(高山)なるほど。
(森岡)そこはしっかり担保できるということで安心いただいているケースが非常に多いです。
安心安全なAI活用のために
(高山)なるほど。安心して使えるAIというのは今までなかったので、そういった面でガイドラインや個人情報保護法などに抵触しない環境づくりに寄与されているということですね。
最後に、クリニックの先生にぜひメッセージを訴えたいことについて、一言いただければと思います。
(森岡)AIがどんどん進んでいくと思います。
AIという言葉は氾濫していくと思いますが、AIを使いこなすためにはAIとは何かということもご理解いただきながら、一緒に作っていく必要があると思います。
そのためには、まず法律というものがあるということで、どういったところが規制になっていて、
どういったところがOKなのかをご理解いただくのがありがたいですし、一緒に話して突破していく形になっていくと思います。
もう1つは、AIに指示を出すためのプロンプトというものがあります。
これも書き方次第で出力のアウトプットが大きく変わります。
このプロンプトが今後ちゃんと書ける人と書けない人でAIの使い方が大きく変わると思います。
ですから、まずプロンプトという言葉とどういったものかを検索してご理解いただくと、もっともっとAI活用が進むのではないかと思います。
(高山)ありがとうございます。
この番組を聞いてAIを活用してみようかなと興味を持った先生も多いかと思いますので、
やっていくうちに「ここどうなのかな」とか「どうプロンプトを書けばいいのかな」とすごく実践的に困ることもあるかと思います。
ぜひリスナーの皆さん、この番組に質問をお寄せください。
私たちが回答できるものは回答し、難しそうなものはまた森岡さんに登場していただいてお答えしていきたいなと思っておりますので、
よろしくお願いいたします。
まとめですね。大西さん、今日のお話伺って感じたことなどお願いします。
(大西)AIを活用する上で、安心安全であるということはすごく大事な概念だと思いました。
その上で、これから全国医療情報プラットフォームであったり、電子カルテの情報共有サービスがおそらく来年再来年と始まってきます。
国も当然FHIRの中でそういうことをするのですが、私が今一番危惧を持っているのは、
電子カルテメーカーがどれくらいこのAIに対してちゃんとした理解を持っていて、
それに対してちゃんとした取り組みをするのかというところをすごく疑問に思っています。
ですから、このサービスみたいに「俺が守るよ」、それはカルテとは別枠で守っていくよというサービスがあることは忘れてはいけなくて、
絶対にChatGPTが保証してくれるわけもなく、オープンAI、Googleが保証してくれるわけもないので、
そこの責任の線引きは自分で守る、自己防衛がすごく大事だなと受け取りました。
今日少し分からなかったことが先生たちにもたくさんあると思うのですが、1個だけ考えて欲しいのは、
安心安全なAIを使うためにはブロックチェーン内の技術を使ってしっかりと自分で防衛をすることが大事なんだということが分かればいいかなと思いました。
ありがとうございました。
(高山)ありがとうございました。ということで、今日は医療機関におけるAI活用ということで、
ゲストに森岡さんをお招きしてお送りしてまいりました。
今後もより具体的に、気持ちだけじゃなくて機嫌を良くするだけじゃなくて、
具体的なIT活用の回を増やしていきたいなと思いますので、引き続きリスナーの皆さんもご質問をお待ちしております。
ぜひよろしくお願いします。
では続きは次回にしたいと思います。大西さん、森岡さん、今回もありがとうございました。
(森岡)ありがとうございました。
(大西)ありがとうございました。
(高山)少しでも気に入っていただけましたら、番組のフォローをぜひお願いします。新しいエピソードがいち早く届きます。
番組への感想はハッシュタグ「#院長が悩んだら聞くラジオ」をつけて投稿いただけると励みになります。
この番組は毎週月曜日の朝5時に配信予定です。それではまたポッドキャストでお会いしましょう。さよなら。
ゲスト:森岡 康一氏(AIBTRUST株式会社 代表取締役)
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DOCWEB編集部(一般社団法人 DOC TOKYO)
DOCWEB編集部は、2016年の設立以来、クリニック運営・医療業務・医療ITに関する情報を中心に、複数の医療機関やサービス提供事業者への取材・情報整理を通じて、医療現場と経営の実務に即した情報整理・比較を行っている編集チームです。
公開情報や取材内容をもとに情報を精査し、医師が状況に応じて判断できるよう、比較・検討の材料を提供しています。

