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DOCWEB『院長が悩んだら聴くラジオ』この番組は開業医の皆さんが毎日機嫌よく過ごすための秘訣を語っていく番組です。 通勤時間や昼休みにゆるっとお聞きいただけると嬉しいです。
(高山)おはようございます。パーソナリティのDOC WEB編集長、高山豊明です。
(大西)おはようございます。パーソナリティのMICTコンサルティング、大西大輔です。
(高山) 院長が悩んだら聞くラジオ第60回始まりました。大西さんよろしくお願いします。
(大西)よろしくお願いします。今日のテーマは何でしょうか?
今日のテーマ:学習する組織づくり
(高山) 今日のテーマは「学習する組織づくり」です。少し大きなテーマですが、お話を伺いたいと思います。
(大西) 組織は成長するために存在するので、学習は必須ですよね。
今日、お話したいと思っているのは、そういう組織を作るための基本要素は一体何なのかということです。
(高山) なるほど。組織を進化させるにはどうすれば良いのか。
「院長が悩んだら聞くラジオ」ですから、院長が機嫌よく過ごすための組織づくりについて、深掘りしていきましょう。
お願いします。
(大西) よろしくお願いします。
学習する組織づくりの基本要素
(高山) 今回のテーマは「学習する組織づくり」です。院長にとっても、自ら学習してくれる人たちが集まっている組織の方が、非常にやりやすいですよね。
過去のエピソードで、院長のリーダーシップの類型についてお話したことがありますが、今回のテーマはリーダーシップの類型に関係なく、組織づくりにおいて共通する部分についてです。よろしいでしょうか?
(大西) そうですね。リーダーシップの類型は、自分に合ったやり方や組織の人数、メンバーの個性によって決まってきます。
今回の話はそれとは少し違って、どのような組織を作ることで、院長が機嫌よく過ごせるのか、という点が前提にあります。
理想の組織像:全員が幸せを感じながら働ける組織
(高山) 院長が理想とすべき組織像とは、どのようなものでしょうか?
(大西) 重要なのは「帰属意識」と「仲間意識」です。組織に所属していることを、スタッフ全員が幸せに感じている状態が理想的ですね。
(高山) 理想的ですね。全員が幸せを感じながら働ける組織…
(大西) そうです。スタッフが不満や不平を言わなければならない組織は、かわいそうな組織だと思います。
不満や不平は何も生み出しません。
そうした感情が生まれてしまっている時点で、組織として厳しい状況と言えるでしょう。
(高山) 私自身も小さな組織を運営していますが、組織づくりは難しいと感じています。
リーダーは、誰だって変な組織を作りたいなんて思っていませんよね。
(大西) そうですね。
(高山) できるだけ皆が楽しく働いてほしい。
一つの目標に向かって、皆で力を合わせて進んでいくのが理想です。でも、なぜか不平不満が出てきてしまう。
これが人間というものなのかもしれませんが…。
お互いに期待していることが実現しなかったり、様々なすれ違いが生じて、雰囲気が悪くなってしまう。
こうしたことが起こる原因は何でしょうか?
最も重要なのは「信頼関係」
(大西) 組織運営において最も重要なのは「信頼関係」です。
そして、その信頼関係を築くための「土台作り」が不可欠です。
例えば、院長が率先して不平不満や愚痴を言っていたら、土台は揺らいでしまいますよね。
まず大前提として、院長は不平不満を言ってはいけないんです。
(高山) でも、不満がたまってしまうことはありませんか?
(大西) それはあります。でも、言ってはいけないんです。
これがリーダーというもの。私自身も、10人、20人、30人規模の組織を経営していた頃に、心を許している相手に愚痴をこぼしてしまった経験があります。
そうすると、あっという間に組織内に広まってしまうんですよね。
「大西さん、こんなこと言ってたよ」と。本当に反省しました。
言って良いのは目上の人だけ。
院長には目上の人がいませんから、私たちのような外部コンサルタントに話すしかないですね。
(高山) なるほど。内部の人には言ってはいけないんですね。
これはリーダーのあるべき姿の一つとして、心に留めておきたいと思います。
帰属意識や仲間意識の高いチームを作るための要素
理想的な組織像である、帰属意識や仲間意識の高いチームを作るための要素は何でしょうか?
重要な3つの要素
(大西) 3つの要素が重要だと考えています。
1つ目は「心の安定を保つこと」、2つ目は「方向性、ベクトルを合わせること」、3つ目は「教える体制を作ること」です。
見て覚えるのではなく、きちんと可視化された教育体制が必要です。
(高山) 心の安定は土台ですね。働く人の心の安定は重要です。ベクトル合わせは、やっているようで、なかなかうまくいかないことが多いですね。
(大西) 年に一度の方針発表会は必ず実施するべきです。
方針を変更する際にも、全員を集めて話し合うことが大切です。
「私は、こういう方向に進みたいと考えている。皆はどう思うか?」と。
(高山) 教える体制づくりとは、どのようなものでしょうか? 現場で教えているから大丈夫、というわけではない?
(大西) そうですね。特にクリニックは、この部分が弱いことが多いと感じています。
経験者の集まりなので、「これくらいは分かっているだろう」という前提で物事が進みがちです。
初めて来た人は、驚くかもしれません。
(高山) 前回のエピソードでも話しましたが、最近は未経験者を採用するクリニックが増えています。
だからこそ、教える体制をしっかりと整え、「分かっているでしょう」ではなく、丁寧に指導していくことが重要です。
(大西) 院長が教えられないこともたくさんあります。
例えば、院長は診察はできても、診療報酬には詳しくない、など。
受付業務が放置されているケースも多いですね。
心理的安全性の確保
(高山) なるほど。この3つの土台が、クリニックによって出来ているかどうかは、どのように見分ければ良いのでしょうか?
コンサルタントの立場から見て、分かりますか?
(大西) 会議の様子を見れば分かります。私はよく「業務改善会議」を実施しています。
現状の課題を挙げ、その解決策を話し合う会議です。
これを実施することで、3つの要素がどの程度整っているかが見えてきます。
(高山) 心の安定は、心理的安全性の確保とも言えますね。
会議で発言しやすい雰囲気があるかどうか、ということでしょうか?
(大西) そうですね。院長だけが発言している会議は良くありません。
活発に意見を出し合える雰囲気があるのが理想です。
心理的安全性の話をすると、会議の雰囲気も徐々に良くなっていくケースが多いですね。
(高山) なるほど。院長も、この辺りをしっかりと勉強する必要がありますね。
(大西) 院長が決めたことを報告するだけの会議なら、開催する意味がありません。
活発な議論があってこそ、健全な組織と言えるでしょう。
(高山) 健全な組織を目指していくために重要なのは、ベクトル合わせです。
働いている目的やクリニックが目指す目標が共有されていないクリニックは多いのでしょうか?
(大西) 多いですね。
目標を発表した時に、「初めて聞きました」というような顔をしている人がいるようでは、共有されているとは言えません。
(高山) 発表する側からすると、「過去に何度も言っているはずなのに…」と思ってしまうかもしれません。
(大西) それは、伝わっていないということです。
腹落ちしていないんですね。
どうすれば伝わるのかは永遠の課題ですが、伝わらないと思って話すことが大切です。
1回では伝わりません。2回、3回と繰り返す必要があるでしょう。
(高山) 100回くらい繰り返す?
(大西) 100回でも200回でも。朝礼、会議、飲み会など、様々な機会を利用して、最初の10分間だけでも時間をとって、繰り返し伝えることが重要です。
(高山) 目標は数字などで明確なので分かりやすいですが、目的やビジョン、理想像などの話は、少し現実離れしていると感じてしまう人もいるかもしれません。
「本当ですか?」と白けてしまう人もいるのではないでしょうか。
(大西) それは、院長への期待値が低いからだと思います。
理念を語る時の院長の目の輝き、恥ずかしげもなく語る姿は、とても素敵です。
逆に、恥ずかしそうに、ぼそぼそと話す姿は、嘘っぽく見えてしまいます。
(高山) なるほど。話し方についても、アドバイスをいただきたいですね。
(大西) それは、ベクトル合わせについてお話する際に、改めてお伝えしたいと思います。
(高山) そうですね。
日々テレビを見ていて、政治家のスピーチをよく目にしますが、「この人は本当にそう思って言っているのだろうか?」と思ってしまいます。
ほとんどの場合、言わされているだけですよね。
(大西) 考えていないのでしょう。
どうしても、リーダー像と重ね合わせて考えてしまうんですよね。私が知っている人で言うと、田中角栄は話が上手でした。
小さい頃から見ていましたが、迫力がありました。アメリカ大統領のトランプも、かなり練習しているのでしょうね。
(高山) そうですね。スピーチコンサルタントなどもいますし。
日本の総理大臣の、あっけらかんとした態度は、少し苦手です。
(大西) あれがスタンダードになっているのが残念ですね。サラリーマン総理大臣のようで、嫌ですね。
教える体制の構築
(高山) 3つ目の要素である「教える体制づくり」についてですが、これも出来ていないクリニックは多いのでしょうか?
(大西) 最近、この件に関する相談がとても多いです。
マニュアルがない、手順書がない、ティーチングばかりでコーチングができていない、など。
一緒に改善に取り組んでいますが、初めてマニュアルを作る人は、なかなかうまく作れないようです。コツがあります。
(高山) 是非、そのコツを教えていただきたいです。
まとめ
(高山) 今回は「学習する組織づくり」のための要素を3つ挙げていただきました。
次回からは、まず1つ目の「心の安定」、心理的安全性をどのように作っていくかについて、深掘りしていきたいと思います。
続きは次回に持ち越しです。
大西さん、今回もありがとうございました。
(大西) ありがとうございました。
(高山)院長が悩んだら聞くラジオ 今回もお聞きいただきましてありがとうございました。
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この番組は毎週月曜日の朝5時に配信予定です。それではまたポッドキャストでお会いしましょう。さよなら。
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DOCWEB編集部(一般社団法人 DOC TOKYO)
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