CRMとAIで作る「また来たくなる」クリニック_『院長が悩んだら聴くラジオ』シーズン2_エピソード108全文書き起こし

DOCWEB『院長が悩んだら聴くラジオ』この番組は開業医の皆さんが毎日機嫌よく過ごすための秘訣を語っていく番組です。 通勤時間や昼休みにゆるっとお聞きいただけると嬉しいです。

(高山)おはようございます。パーソナリティのDOC WEB編集長、高山豊明です。

(大西)おはようございます。パーソナリティのMICTコンサルティング、大西大輔です。

(高山)院長が悩んだら聞くラジオ、第108回始まりました。

(大西)よろしくお願いします。今日のテーマは何でしょうか?

(高山)先週に引き続きAIツールなんですけども、かかりつけ医とAIツールということで話していきたいと思います。

(大西)よろしくお願いします。

今回CRMの話をしようかなという背景には、これからおそらく外来患者が減って在宅患者が増えると思うんですよね。

やっぱり高齢化が進んでいくので。

その時に、今までの競争が変わってきたなというのを最近すごく感じています。

昔の新規開業の先生が、いい場所で開業すればうまくいく時代がずっとあったんですよ。でも今って、いい場所かどうかはさておき、患者が増えないなって人を結構見るようになってきた。

これって何なんだろうって思った時に、もしかして新規患者獲得競争って終わりつつあるのかなって感じがちょっとしちゃってるんですよね。

(高山)今後かかりつけ医というのが名実ともに必要になってくる。

こういう世界に入ったのかもしれないですね。

この後、かかりつけ医なんですけども、CRMと絡めてAIツールに関して話していきたいと思います。よろしくお願いします。

(大西)お願いいたします。

CRM(カスタマー・リレーションシップ・マネジメント)とは

(高山)冒頭にCRMというキーワードが出てきたんですが、初めて聞く方もいらっしゃるかもしれないので、説明が必要かと思います。

CRMというのはカスタマーのリレーションシップのR、Mというのがマネジメントですかね。

カスタマーなので患者とはちょっと違いますけども、一般用語なので利用者だったりとか患者とか消費者だったりお客さんということですね。

Cとの関係性をマネジメントするシステムというのがCRMということで、これがまさにかかりつけ医という考え方とマッチするんじゃないかという話ですね。

(大西)厚労省も確実に意識していて、今回の生活習慣病管理料、いわゆる生活習慣病の点数なんですが、ここにもCRMの概念が入っているんですよね。

簡単に言うと、一人の患者が来て、今回出された指標が「継続率に注目しなさい」という指示が出ているんですよ。

(高山)継続率ですね。

(大西)要は、生活習慣病、例えば高血圧だとすると、高血圧の患者さんが来ました。

1回目診察をして、2回目、3回目、4回目と薬飲んで治していく、あるいは付き合っていく。

こういう病気って慢性疾患なので、途中離脱が確実にあるんですよね。なぜ薬を飲まなくなるんですか、患者って。

(高山)面倒だからですかね。来院が面倒になる。

(大西)薬飲むのが面倒な人がそもそも飲まないんで。

例えば私が高血圧だとすると、ある一定程度血圧が下がってきたら薬をやめちゃうんですよね。

血圧が下がった理由を、自分なりに解析して「痩せたからかな」とか「薬効いたんだ」とか。

でもここ大きな落とし穴があって、飲んでる薬は下げる薬であって、飲まなくなったら上がるんですよ勝手に。

下げる事が目的じゃなくて、低く維持する事が目的だという事を患者が分かってないんですよね。

血圧がアップダウンするというのはすごく心臓にも悪いし血管にも悪いし。

よくこんな話をして、水道の蛇口を流す時に、強い水で流し続けるとホースが壊れていくんですよね。

パンパンに膨らんで縮んで、膨らんで縮んで。

これでゴムというのは当然摩耗するので、血管も同じように高い低い、高い低いとかしてはいけないわけですよ。

だから血圧の薬を飲み続けてくださいと言うんだけど、患者は分かってなくて、血圧下がったらもう飲まなくていいのかなと思って急に来なくなる。

連絡すると「治った」と言うんですよ。

だからこの辺が継続の難しさ。

要は、先にどう説明をちゃんとできてるか、ちゃんと理解させてるかと。

継続する事が意味があるという事が伝えきれてない先生は当然離脱が増えていく。一番まずかったのが多分これまでの「3時間待ち3分診療」という考え方ですよね。

すごく待たされて薬だけ渡されて「お疲れ、お大事に」というこの流れがとても患者を不満にさせていた。

どうすればいいかという事が今すごく注目され始めてるわけです。

(高山)そこに手が入り始めたのが最近ということなんですね。

(大西)実は厚労省は前回の改定から言っているんですよ、令和6年。

令和6年の時に、生活習慣病をどう克服していくのか、どう減らしていくのかというのはすごく注目されたテーマだったんだけど。

それを受け止めた先生と受け止めれなかった先生がいるんじゃないかな。

(高山)最近かかりつけ医という言葉が、古くされているというよりも脚光を浴びてきているというか、

まさにこれからやらなきゃいけないよねという風に受け取れるようになってきている感覚があるんですけど、現場の先生としてはどうですかね。

(大西)言葉が今まで定義されていなかったので、言い換えた方が分かりやすくて。「かかりつけ患者」。

要は自分の主治医がいて、その主治医に毎回相談に行ける関係というのがかかりつけ医ですと。

そうするとCRMの概念そのままなんですよね。

ロイヤルカスタマーと、ロイヤルカスタマーをサポートするドクターなんですよね。

ここにすごく重要な視点は、ファンでなきゃいけないんですよ。

(高山)ファン。

(大西)そのクリニックのファン、その医師のファン、そのスタッフのファン。

(高山)ロイヤルカスタマーという言葉も今CRMの世界ではすごく注目されていて、

例えば言いふらし屋さんであったり、いいアドバイスをしてくれるお客さんであったり。

そういうのって結局患者が患者を作り出していくので、口コミというところと、それに対する対策。

その時に先生たちがよく言うのが「嫌な口コミを書かれた」とか。

これ難しいですよね。

いい口コミってなかなか書かないですからね。

だから嫌な口コミばっかりフォローしてるんですよね。

でも実はいい口コミにこそ重要なテーマがあって、悪い口コミの中にもヒントがあったりというところを一般企業ではちゃんとサポートしているんですよね。

そう考えるとかかりつけ医とは何かというと、そういう関係にちゃんと向き合ってるドクターというのが意味だと思っていますね。

(高山)かかりつけ患者という視点があるという話で。

先生からしたらそうですよね、かかりつけ医として自分を慕ってきてくれる患者のこと。かかりつけ医と言うと一方的じゃないですか。

患者さんが選ぶみたいな。双方向で関係性を作っていくのがCRMという考え方ですかね。

(大西)結構ブランディングマネジメントにも近いですよね。

我々はどういう医療をするんだ、それに共感した人が顧客である。

それに共感するお互いの切磋琢磨の中でいいブランドができていくということだと思うんだけど。

自動的に患者が来てた時代はあんまりそういうこと考えなくてよかったというのが悲劇だよね。

(高山)それはそうですね。

(大西)開業すれば儲かるという時代はもう完全に終わった。

どうやったら儲かるんですかといったら、いいクライアント顧客を継続的にフォローアップすることが重要ですよという言い方をしてるかな。

(高山)時代変わっちゃったということで、受け入れるか受け入れないかというのは出発点ですよね。

CRMとAIの融合で変わる関係構築

(大西)ここで注目すべきはCRMとかそれを動かすためのAIとかに注目されているんだけど、AIが入ってくることでCRMも進化しているんですよね。

CRMってデータベースに聞こえるんですよ。顧客リストを作り、そのリストを分析してフォローしていくというツールに見える。

でもこのCRMの言葉をちゃんと定義すると、リレーションシップ、要は関係づくりをマネジメントするんだから、患者さんが自動で来る仕組みを作るしかないんですよ。

患者さんはなぜ離脱するのか、患者さんはなぜ来たくなるのか、患者さんはどうしたらまた次回も来ようと思うのか、このプロセスを全部マネジメントするというのがAIが向いてたという話だね。

(高山)大体満足させるようなコミュニケーションって型もありそうですし。

やればいいことなんだけどもちょっとしたこと手を抜いてしまうから感動を与えられなかったりとか関係性を作れないということなので、

AIであればテキストになるか自動音声だとちょっとまだ響かない世界かもしれないんで、

テキストで適切なタイミングに適切なメッセージを伝えてあげることによって関係性が深まっていくと。

自動化できるのはめちゃくちゃ楽ですよね。

(大西)AIが考える世界ってまずパターン処理をするわけだよね。

こういう患者がこういう傾向があるよねと。

その傾向がある人にはこういうのが刺さるよねと。実行しよう。これまですごく人間がやってたんですよ。

パターン処理。

実行までAIが考え始めてるから結構怖いというか、使えばいいのになと思うわけですよね。

(高山)先生の分身として患者さんの関係を作ってくれる可能性ありますからね。

(大西)やりっぱなしにしないというのがすごい。

(高山)ちゃんとやってくれますよね。

(大西)すごいなと思って。

僕もそうなんですけど、最近感じるのは過去のクライアントを掘り起こしたいと思った時に過去のリストをどっから抽出してエクセルに落として、

エクセルに落として今度フォーマットで案内文を書いて、押して。

だんだん面倒くさくなる。

でもそれはAIに任せれば、リストにデータさえ送り込んであと考え方だけ教えれば勝手に動き出すので。

(高山)さっきの患者さんが生活習慣病管理で継続しないという話ありましたけど、クリニック側もそうですよね。

そういうカスタマーリレーションシップを作るための面倒くさいからやめちゃうみたいな。

(大西)今年やって来年やめちゃうという人結構多いからね。

なぜ毎年毎年やらないんだって。成果出なかった。

成果って1年じゃ出ないよね、2年、3年、4年しないと出ないよねという世界なんだけど。

人間って、継続力弱いかもしれない。

(高山)継続力は結構課題ですよね。

(大西)なんとなく分かりますよね。

生活習慣病ってまさにそこじゃないですか。結局生活習慣が悪いからそこ直さない限り治らないですよって。

生活習慣って食事と運動じゃないですか。

これ何十年前から食事と運動と言い続けてるのに全く国がどんどん悪くなっている。

そこには何か重要なリピートする難しさというのがあったんじゃないかな。

慢性疾患や自費診療におけるCRMの実践

(大西)僕今生活習慣病をベースにこのCRMの話をよくするようにしていって、いつも言うのが考えて実行して失敗してまた考えて実行して失敗して、このPDCAサイクルもCRMに組み込むといいんだけど、一番大事なことは誰がやっても同じ結果が出ることしなきゃいけない。よく質問されるんだよね。CRM導入したいんですけど、CRMの会社がデータベースをドンって渡して「これで管理してください」って管理するんだけど途中でよく分かんなくなっちゃって途中で離脱するってよく聞く話なんですよね。

(高山)中小企業に限らずかもしれないですが、企業でも起こっていることだと思うんですよね。

CRM入れてもやっぱりデータを入れきれなかったりとか、データを入れきって満足するか疲れちゃうか。

その後の行動が大事なんですけど、入れるのが仕事になっちゃってできない。

でもこれAIがやってくれるような世界というのは非常に楽ですね。

(大西)おそらくさっきのカルテがCRMの中のDBになる。

カルテを分析してリアルタイムで患者さんにお知らせを投げる。

こういう時代が多分これから来るんだと思うんだよね。

(高山)保険診療でそこまでやるかみたいなところはまだある気がするので、自費診療のクリニックは取り組んでるでしょうか。

(大西)美容系とかはすごく取り組んでいて、今注目されてるマンジャロとか痩せ注射というやつなんかCRMそのものじゃないですか。

やめたら痩せないんだから。いかに痩せるためのインセンティブを与え続け、注射をちゃんと注文してもらう。

実際に成果が出たらありがとうと言われる。

ここが鍵なんだよね、CRM勉強してると。

「ありがとう」と言われない限りそれは成功ではないと。

(高山)このCRMとかAI活用した関係作りというのは生活習慣病管理とか慢性疾患とか長く付き合う患者さんを受け入れている医療機関というのが使うべきもので、

それ以外の外来中心というか初診中心、急性期中心みたいなクリニックに関してはあんまり向かないということでいいですか。

(大西)それはリピートのサイクルの問題だけだと思う。

例えば耳鼻科さんなんかで言うと、花粉症の時期はCRMが使えるわけですよね。

去年花粉症になった人今年も花粉症なわけじゃないですか。

検査をして今回例えばスギヒノキだったんだけど、実はもう1回検査してみたらたくさんあったと。

そうすると今度秋にもまたポイントができてくるわけですよね。

花粉症の患者さんが別に花粉症だけで困ってるわけではなくて、それ以外の病気も発見できたらまたそこにアプローチができるわけですよね。

最近耳鼻科さんでやっぱり注目してるのはCPAPという睡眠時無呼吸症候群。これもう完全にCRMそのものなんですよね。

毎月毎月フォローしなければ途中離脱して、結局睡眠時無呼吸症候群の治療が終わる。

皮膚科さんなんかもそうだけど、ニキビの治療なんかやっぱりCRMなんですよ。

1回ですぐ治らない。この慢性疾患じゃない病気ってないんじゃないかな。

(高山)繰り返し訪れるもの。

長いからゆえに覚えておいてくれると患者としては「じゃあ行こうかな」となりますしね。

(大西)結構CRMの考え方は1年というスパンが大事で、1年に1回来ないとCRMとしては来させるという流れになるわけですよね。

だから毎月来る患者さんにフォーカスするのはあんまり興味なくて。

半年に1回とか1年に1回くる患者さんを増やすことなのかなと気はする。

(高山)忘れちゃいますよね。

(大西)忘れる。歯医者さんすごいよね。

お互いに忘れるじゃないですか。

1年に1回だから。健康診断受けなさいもCRMでしょ。

病気になったらフォローしなさいというのもCRMだし。

すごく欲求とCRMって関係があるらしくて、欲しいというものを常にバージョンアップしていくしかないんだって。

(高山)ずっと考えていかないといけないですね。

(大西)病気になるということは欲しいことじゃないんだけど、病気にならないということが欲しいかもしれないね。

(高山)これからは予防とか未病とか。

これから毎年花粉症に悩まされている人は舌下免疫療法やりましょうとかそういう話ですね。

(大西)漢方を飲み続けることがいいというのもあるし。

国がこれから考えていく分野としては自費分野のところをどう安全に回していくのか。

自分の病気になったら気づくけど、潜在的には病気になる予備軍がいて。

そこに対して予防管理用みたいな点数が今またどんどん出てきている。

透析予防とか糖尿病予防とか。

そうなってくるとやっぱり国は分かっているんですよ、病気にさせないことが実は根本的な治療である。

病気になったら早く退治することが重要だと。

いかに寝たきりにならない患者、要は85歳90歳になっても元気な人をどう作るか。

これしかも日本は道がないんだよね。

そうするとクリニックからするとそこに注目する時代が来て、まとめになるけどAIの使いどころとしては私たちが離脱しちゃうから、疲れるから。

そこをAIにサポートしてくれる時代が来るんじゃないかな。

(高山)CRMの潤滑油じゃないですけど使い続けるためのコミュニケーション継続というのをAIがやってくれるということで。

当事者同士はあんまり積極的に近づこうとしてないんだけど、AIがその仲介を測ってくれてくっつけてくれるって感じですね。

AIは「人たらしの天才」になれるか

(大西)最後に変な話だけど、サプライズがやっぱりCRMの鍵らしいんですよ。

(高山)感動させるというやつですね。

(大西)感動させてまた来させる。

AIがそれができちゃったらやっぱりAIに任せた方がいいと思う。

(高山)期待値を超えることをされると感動すると言うじゃないですか。

(大西)ちょうどしたかった時にポンってくる。

「えっ」てびっくりする。このびっくりサプライズ。

例えばAIに全部教え込んでいけば多分人も口説けるんだろうね。

(高山)私なんかよりも上手に口説いてくれそうですね。

(大西)患者も口説けるんじゃないかなというので、AIの本質とは何かっていうと上手に口説く人なんだろうね、AIは。

人たらしの天才なんだ。

(大西)その可能性は非常に秘めてますよね。AIじゃない人で人たらしの人ってやっぱまめですよね。

つけ届けはしっかりしてる、終わった後の電話はしっかりしてる、メールはしっかり来るじゃない。

でも我々って「やろうやろう」と思って結局忘れちゃったりするじゃない。

面倒だしやらないですね。でもまめな人ってすごいよね、もう血肉となってるんだろうねそれが。

普通のスタンスですよね。その人の。やらなきゃとかじゃなくて、やるのが当たり前になっちゃってる。それって難しいじゃないですか、習慣化なんて。

だから人たらしがうまい人のノウハウをAIに落として、AIが代わりにやってくれれば人たらしになれる。だから患者たらしになってかかりつけ患者が増えるということなのかな。

(高山)かかりつけ医という言葉が人たらしに変わってしまいましたけれども。

かかりつけ医ってそういうことですよね。

人と人がお互いに期待値を超えるコミュニケーションを図っていくということなのかなと。

それが目的でCRMというものはうまく使えると、真のかかりつけ医になっていく。

(大西)患者を思う心がそのベースにあるので、CRMというののメカニズムと思うのが患者さんに対しての「なんとかしてあげたい」という気持ち。

これが発想のポイントなんじゃないかなと思いますけどね。

(高山)ということで、今日はかかりつけ医が使えるAIということで語ってきました。

これからどんどんまた進化していくと思いますので、具体的なツールがあれば見つけてまたご紹介していきたいと思います。

では続きは次回にしたいと思います。大西さん今回もありがとうございました。

(大西)ありがとうございました。

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この番組は毎週月曜日の朝5時に配信予定です。それではまたポッドキャストでお会いしましょう。さよなら。

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