地域包括診療加算|慢性疾患患者を継続的に診る「かかりつけ医」を評価する加算

地域包括診療加算
Point
  • 慢性疾患患者を継続的・包括的に診療する体制を評価
  • かかりつけ医機能を支える代表的な加算
  • 令和8年度改定で対象患者・要件を見直し
  • 認知症地域包括診療加算は統合整理
  • 夜間対応や服薬管理も重視

地域包括診療加算とは

地域包括診療加算とは、高血圧症や糖尿病などの慢性疾患を有する患者に対し、継続的かつ包括的な診療・健康管理を行う体制を評価する診療報酬である。

かかりつけ医機能を評価する制度の一つとして位置付けられており、令和8年度診療報酬改定では、

  • 要介護高齢者等への継続的・全人的医療
  • 適切な服薬管理
  • 地域包括ケアの推進

を目的として、対象患者や施設基準の見直しが行われた。

生活習慣病管理料とともに「かかりつけ医機能」を評価する区分であるが、地域包括診療加算は「患者の生活全体を支える包括的な管理」を、生活習慣病管理料は「特定の病気の質の高い管理」を目的とする違いがある。


対象患者

令和8年度改定では、認知症地域包括診療加算等が統合整理され、地域包括診療加算の対象患者も見直された。
大きく以下の2つの区分で整理される。

① 認知症・要介護患者等を対象とする区分(38点/31点)

以下を満たす患者が対象となる。

  • 認知症を有する、または要介護・要支援認定を受けている
  • さらに以下の慢性疾患のいずれかを有する
    • 脂質異常症
    • 高血圧症
    • 糖尿病
    • 慢性心不全
    • 慢性腎臓病

この区分では、認知症や高齢患者に対する適切な服薬管理を重視する観点から、投薬内容にも一定の制限が設けられている
具体的には、「1処方で5種類を超える内服薬」「抗うつ薬・抗精神病薬・抗不安薬・睡眠薬が合計3種類を超える処方」などがある場合には、算定対象外となる。

② その他の慢性疾患患者を対象とする区分(28点/21点)

以下の6疾病のうち、2つ以上を有する患者が対象となる。その他の区分には投薬制限は設けられていない。

  • 脂質異常症
  • 高血圧症
  • 糖尿病
  • 慢性心不全
  • 慢性腎臓病
  • 認知症


認知症地域包括診療加算との関係

令和8年度改定では、

  • 認知症地域包括診療加算
  • 認知症地域包括診療料

が整理・統合された。
これにより、認知症を含めた継続的な地域管理を、より包括的に評価する体系へ見直されている。


24時間対応体制の見直し

従来は、連携薬局に24時間対応体制が求められていた。令和8年度改定では、

  • 緊急時に必要な解熱鎮痛剤等を院内処方できる体制
  • 一定の連携体制

が整備されている場合には、薬局側に完全な24時間対応を求めない取扱いが追加された。


療養計画・服薬管理の見直し

令和8年度改定では、患者・医療機関双方の負担軽減の観点から、療養計画書の運用や服薬管理の考え方も見直されている。

療養計画書の署名省略

従来求められていた療養計画書への患者署名については、令和8年度改定で不要となった。これにより、診療所側の事務負担軽減や運用見直しが進むと考えられる。


残薬管理の重視

一方で、服薬管理については要件が強化されており、

  • 自宅における残薬確認
  • 重複投薬の確認
  • 適切な服薬指導

などが重要となっている。


電子処方箋・オンライン資格確認

また、服薬管理の手段として、

  • オンライン資格確認
  • 電子処方箋システム

を活用し、他医療機関の処方状況を把握する流れが推進されている。


地域包括診療加算で求められること

本加算では、

  • 慢性疾患の継続管理
  • 健康相談
  • 服薬管理
  • 他医療機関との連携
  • 夜間・休日対応

など、単なる外来診療ではなく、地域で患者を継続的に支える体制が重視されている。


時間外対応体制加算との関係

地域包括診療加算では、時間外の問い合わせや受診相談に対応できる体制も重要となる。

そのため、時間外対応体制加算やかかりつけ医機能との関係が深く、届出体制を合わせて整備する診療所も多い。


関連制度上の注意点

外来医師過多区域では、都道府県知事から求められた不足医療機能の提供要請に応じない診療所について、地域包括診療加算を含む一部加算の算定に制限が設けられる仕組みが導入されている。

地域包括診療加算を含む「かかりつけ医機能」の届出を検討する際には、地域医療構想との関係も確認が必要となる。

ゴーリー
ゴーリー

令和8年度改定で、地域包括診療加算対象患者や要件が見直され、認知症関連加算が統合整理されました。
これまで整備されてきた、かかりつけ医・慢性疾患管理・地域包括ケアの強化を目指すものです。

24時間対応体制要件も見直され、一部柔軟化されました。

※本記事は、厚生労働省通知および中医協資料に基づき整理しています。