生活習慣病管理料(Ⅰ)(Ⅱ)|高血圧・糖尿病などを継続管理する診療所を評価する制度

生活習慣病管理料(Ⅰ)(Ⅱ)
Point
  • 高血圧症・糖尿病・脂質異常症などの継続管理を評価
  • 特定疾患療養管理料からの整理・移行が大きな改定ポイント
  • 「生活習慣病を継続的に管理する体制」を重視
  • 令和8年度改定で療養計画書の患者署名が不要化
  • 生活習慣病管理料(Ⅰ)と(Ⅱ)に区分される
  • 服薬管理・残薬確認・医療DXとの連携も強化

生活習慣病管理料とは

生活習慣病管理料とは、高血圧症・糖尿病・脂質異常症などの生活習慣病患者に対し、療養計画に基づいて継続的な管理・指導を行う医療機関を評価する診療報酬である。

かかりつけ医機能を評価する制度の一つとして位置付けられており、令和6年度改定以降、特定疾患療養管理料との整理・再編が進められている。

令和8年度診療報酬改定では、

  • 継続的な生活習慣病管理
  • 適切な服薬管理
  • 重症化予防
  • 医療DXとの連携

などを重視する方向で見直しが行われた。

地域包括診療加算とともに「かかりつけ医機能」を評価する区分であるが、地域包括診療加算は「患者の生活全体を支える包括的な管理」を、生活習慣病管理料は「特定の病気の質の高い管理」を目的とする違いがある。


対象疾患

主な対象疾患は以下の通りである。

  • 高血圧症
  • 糖尿病
  • 脂質異常症

これら3疾患については令和6年度改定以降、「特定疾患療養管理料」から「生活習慣病管理料」への移行が推進され、質の高い疾病管理が重点的に評価されている。


生活習慣病管理料(Ⅰ)と(Ⅱ)の違い

生活習慣病管理料は、「Ⅰ」と「Ⅱ」に区分されており、包括範囲や運用方法が異なる。診療内容や運用体制に応じて選択して算定する。

生活習慣病管理料(Ⅰ)

特徴


検査・処方・療養指導等を包括的に評価する区分。
慢性疾患患者を継続的・包括的に管理することを重視し、継続的な療養計画管理が前提となる。

点数

病名・管理内容に応じて設定

主な要件

  • 療養計画書の作成・説明
  • 継続的な療養指導
  • 必要な血液検査等を原則6か月に1回以上実施
  • 残薬確認・服薬管理

生活習慣病管理料(Ⅱ)

特徴

ベースの管理料に加え、検査等を出来高で算定できる区分で、実際の診療内容に応じて柔軟に運用が可能。

点数

生活習慣に関する総合的な管理を評価しつつ、検査などは「出来高(個別に算定)」で組み合わせて算出。
今回の改定で算定包括範囲から除外される項目が拡大し、別途出来高算定ができる項目が増えており注目されている。

  1. 時間外・救急対応に関する医学管理
    • 地域連携夜間・休日診療料、救急外来医学管理料、救急救命管理料
  2. 特定の疾患に関する医学管理
    • 喘息治療管理料、特定薬剤治療管理料、高度難聴指導管理料、悪性腫瘍特異物質治療管理料、がん患者指導管理料など
  3. 情報提供等に関連する評価
    • 傷病手当金意見書交付料、療養費同意書交付料

主な要件

  • 療養計画書の作成・説明
  • 継続的な療養管理
  • 服薬・残薬管理

新設の充実管理加算(Ⅰ,Ⅱ共通)

ガイドラインに沿った質の高い管理を行い、外来データを継続的に提出している場合に、月1回算定が可能。

  • 充実管理加算1:30点
  • 充実管理加算2:20点
  • 充実管理加算3:10点  ※外来データ提出加算の届出が前提

届出・算定に必要な書類

生活習慣病管理料(Ⅰ)(Ⅱ)を算定するには、厚生労働大臣が定める施設基準を満たした上で、地方厚生局への届出が必要となる。また、

  • 療養計画書
  • 継続的な療養指導
  • 服薬管理
  • 血液検査等の実施

など、継続管理を前提とした運用体制が求められる。


療養計画書の見直し(重要)

令和8年度改定では、患者・医療機関双方の負担軽減の観点から、療養計画書への患者署名が不要となった。一方で、

  • 療養計画書の作成
  • 患者への説明
  • 継続的な療養管理

自体は引き続き必要とされている。
また、内容変更がなければ簡略化した運用も認められる方向となっている。


眼科・歯科との連携評価(各60点 年1回)

生活習慣病管理において地域連携や多職種連携を重視する方向が強化されている。
本改定では、糖尿病患者の重症化予防を目的として、

  • 眼科医療機関との連携
  • 歯科医療機関との連携

を評価する加算が新設された。

ゴーリー
ゴーリー

生活習慣病管理料は、一時的な診療ではなく、生活習慣病患者を長期的にフォローする継続管理を評価する制度です。
今回の令和8年度診療報酬改定で新設の加算項目の追加や整理行われたことで、かかりつけ医を担うクリニックで注目されています。

特定疾患療養管理料からの整理が進む中で、療養計画書を用いた管理を基本とし、服薬管理や医療DXとの連携も重視され、地域連携を視野に入れた整理が進んでいます。