ITで医療ヘルスケアの未来をつくる ―クラウド診療支援システム「CLINICS」

2016年にオンライン診療システムとしてサービスを開始した、クラウド診療支援システム「CLINICS(クリニクス)」。現在は、「CLINICSオンライン診療」「CLIINCSカルテ」「CLINICS予約」という3つのラインナップを取り揃えている。2020年4月にオンライン診療に関する規制が大幅に緩和された影響もあり、「CLINICSオンライン診療」の利用医療機関は急激に増加している。

株式会社メドレーの田中大介氏に詳しくお話を伺いました。

診療業務を一気通貫でサポートするクラウド診療支援システム「CLINICS」

―システムの概要と特徴についてお聞かせください。

「CLINICSオンライン診療」は、予約、事前問診、ビデオチャットでの診察、決済、薬・処方箋の配送をワンストップで完結することのできるオンライン診療システムです。

さらに、クラウド型電子カルテ「CLINICSカルテ」と連携させることで、オンライン診療を行う際のカルテ記載・処置行為や処方のオーダー・帳票出力も行うことができるため、予約から薬・処方箋の受け取りまでを複数のシステムを跨がずに一気通貫で実施することで効率化することができます。

オンライン診療については、2018年の診療報酬改定で定められた厳格な算定要件がネックとなってなかなか普及のしづらい状況にありましたが、今年4月の緊急事態宣言を契機として、一気に認知が広まりつつあると感じています。

ITで「医療ヘルスケアの未来をつくる」というミッション

―どんなことがきっかけでサービスを開発されたのでしょうか。

元々当社は設立以降、患者さん向けに医療情報をわかりやすく伝えるオンライン医療事典「MEDLEY」や、医療介護の求人サイト「ジョブメドレー」といった医療に関わるメディアの運営を手掛けていました。

「CLINICSオンライン診療」を開発したきっかけとなったのは、2015年8月に離島・僻地などの医療過疎地以外へも遠隔診療(当時の呼称)を行なっていいとの通知が厚労省よりあったことですね。

システム化して展開できれば、私たちが掲げているミッションの一つである「医療ヘルスケアで未来をつくる」というところに大きく貢献できるのでは、と考えました。

開発した当初は、「CLINICSオンライン診療」として、オンライン診療に限定したシステムでしたが、稼働していくうちに、オンライン診療はあくまで診療行為の周辺部であるコミュニケーション領域でしかないことに気がつきました。

そこで診療行為においてもっとコアな部分と言えるカルテ関連の業務改善まで合わせて取り組む必要性があると思い、「CLINICSカルテ」の開発に踏み出したという流れです。

電子カルテの領域に関してはかなり後発の部類ですが、しっかりと各クリニックの要望に向き合って最大公約数を満たすことができるよう、日々改善を続けています。

患者さんの満足度はもちろん、スタッフの物理的・精神的な負担を軽減できている

―「CLINICS」を導入されたクリニックにおいて、どんなメリットがでていますか。

「CLINICSオンライン診療」に関しては、コロナ禍以前では、例えば産休中のドクターが診療を行えるといった、場所にとらわれない働き方ができる点にメリットを感じていただくことも多かったです。
多く活用いただいているのは、保険診療だと内科・精神科・小児科・アレルギー科・産婦人科・皮膚科、それに加えて自由診療を行うクリニックです。
生活習慣病で定期通院をしているなかで医療機関への移動や待ち時間に負担を感じていたり、不妊治療に悩んでいるけれど仕事のため時間が取れなかったり、AGA・EDなどコンプレックスに関わる悩みのため通い難かったりという患者さんの思いにマッチしていると考えています。

コロナ禍以降は、来院時の待合室などでの感染防止対策という観点はもちろん、スタッフさんの不安を解消できているというお声をいただくケースが増えました。

感染に対する恐怖を抱えながら仕事を続けるとメンタルにも悪影響を及ぼしかねないと思いますので、院内感染対策の観点で見落としがちだけれど重要なポイントだと考えています。

また、「CLNICSカルテ」は、他社製のWEB予約システムやWEB問診システム、自動精算システムなどとも連携をとることができるため、うまく活用いただいているクリニックでは、従来人の手で行なっていた大部分の作業を半自動化されている事例もあります。

診療現場における新たなチャネルの一つとして、魅力を感じてもらいたい

―最後に、今後の展望についてお聞かせください。

現在は新型コロナウィルス感染症の影響もあり、「CLINICSオンライン診療」を多くの医療機関でご導入いただいています。

今年の秋以降もインフルエンザの流行に合わせて、患者さんとの接触にデリケートになる傾向が続くと予想されるので、引き続きしっかりとニーズに対応していきたいです。

医療現場のIT化については、これまでは病院やドクターの業務を効率化することで、間接的に患者さんにメリットが普及するというものが多かったように思います。

クラウド診療支援システム「CLINICS」は、IT化のメリットを医療従事者だけでなく、患者さんにも感じていただけるシステムであると考えています。

ヘルスケアにまつわる他の事業者さんとも連携を進め、より一層利便性の向上に努めていきます。

CPAカンファレンス2020(オンライン開催)

10万回診療実施から見えたwithコロナ時代の適切なオンライン診療について

今回、お話を伺いました株式会社メドレー様には上記テーマにて2020年11月1日(日)開催のCPAカンファレンス2020にご登壇いただきます。ぜひご参加ください。

受講登録はこちら

https://doctokyo.jp/cpa2020


株式会社メドレー

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