クリニックを発展させる組織づくり#7

スタッフとのコミュニケーションを深めるために飲み会が必要?

この連載では、組織を成長させるマネジメント方法のベストプラクティスとして2000社以上が導入し、クリニックにも多数導入されている「識学」を解説していきます。識学の視点で「上司」と「部下」の人間関係に悩む全ての院長に対処法や予防法をお伝えします。

今回のテーマは、スタッフとのコミュニケーションを深めるために飲み会が必要なのか?を考えたいと思います。
答えはズバリ、必要ではありません。理由は、後ほどお伝えします。その前に、今回はまず飲み会に関してのデータをご紹介します。私たち識学社で行った「会社の忘年会」に関する調査です。

<プロフィール>

株式会社識学 識学講師
早川拓幹
https://corp.shikigaku.jp
株式会社識学にて組織マネジメントのコンサルティングに従事。日々、経営者に組織マネジメントの原理原則を伝え、実践を支援。
前職では、営業部長として寄り添い型のマネジメントを実践するも、組織の成長や部下の成長という観点で疑問を抱き、苦しんだ経験から日々経営者に識学の重要性を伝えている。
法政大学社会学部卒業。

相談内容:院長が売り上げも技術も一番でなければいけない?

まず、考えたいのは、組織の縦の位置というのは何によって決まるかという点です。

社長は「忘年会を開催したい」が61%

社長に実際の開催有無に関わらず、今年、会社の社員と一緒に忘年会を開催したいと思うか聞いたところ「そう思う」が35.0%、「ややそう思う」が26.0%、「あまりそう思わない」が23.0%、「そう思わない」が16.0%という結果になり、約6割の社長が社員と忘年会をやりたいと考えていることがわかりました。
会社の社員と忘年会を開催したいと回答した社長に理由を聞くと、「社員を労いたいから」が72.1%と最も回答が多く、次いで「社員と交流したいから」が49.2%、「親睦を深めチームワークを良くしたいから」が44.3%でした。TOP3の回答を見ると、社員に感謝し交流したい社長の気持ちがうかがえ、人情的な社長が多いのかもしれません。

一般社員の忘年会に参加したいと思わない人は約6割

社員に今年、会社で忘年会が開催されたら参加したいと思うか聞いたところ、管理職は「そう思う」25.0%、「ややそう思う」32.0%、「あまりそう思わない」27.0%、「そう思わない」16.0%で、約6割の方が忘年会に参加したいと考えていることがわかりました。また、一般社員は「そう思う」19.0%、「ややそう思う」22.0%、「あまりそう思わない」30.0%、「そう思わない」29.0%で参加したいと思わない方が約6割いることが明らかになりました。

社員は会社の飲み会を無駄だと思う人が半数

忘年会などの「会社の飲み会」をムダだと思うか聞いたところ、社長は「そう思わない」が43.0%、「あまりそう思わない」が38.0%と8割以上の方が忘年会などの「会社の飲み会」をムダではないと考えていることがわかりました。一方、社員は「ややそう思う」が28.0%、「そう思う」が25.0%と半数以上が「会社の飲み会」をムダだと思うと回答しました。

データの点からまとめますと、上司側が飲み会が必要だと思っていても、部下側からすると必要ないと思っている実態が明らかになりました。
データの点だけでなく、識学に照らし合わせてみても飲み会は必要ありません。その理由をお伝えします。

職場で飲み会がいらない理由①院長が評価者であるということを忘れてしまう恐れがある


院長が良かれと思って、「働きやすくするために距離を近づけよう」と何でも意見を聞くことによって、スタッフが「院長が評価者である」ということを忘れてしまう。そんなことが起こり得てしまいます。「現場で困っていることない?」「なんでも言ってよ」と話を聞くことによって、「何でも言っていいんだ」「愚痴を言ってもいいんだ。聞いてくれるんだ」と錯覚をさせてしまう恐れがあるのです。そして院長自身もスタッフに話を聞いた以上「何とかしてあげないといけない」と思い、部下の意見を聞きすぎてしまう。そんなことが起こってしまいます。
ですが、本来は、院長のやるべき仕事は市場に向かうべき。厳しい市場の中でクリニックがどう生き抜いていくか、成長していくかに力を注ぐべきです。組織の中に目が行き過ぎてしまうと、クリニックという船全体が沈んでしまうことにもなりかねません。

職場で飲み会がいらない理由②飲み会=院長を個人的に尊敬できるかできないかの判断の場になってしまう


今までの連載でお伝えしている通り、組織の縦の位置関係というのは、個人の優劣ではなく、あくまで役割によって確定します。ですが、その認識がないスタッフがいる場合「組織の位置は個人の優劣で決まる」という思い込みがあり、飲み会で院長がそのスタッフにとって「個人的に尊敬できない」と判断されてしまうと、その後の組織運営にとって障害になり得る可能性も出てきます。「院長はこんなことも知らないんだ」や「院長って普段は偉そうにしているけど、お酒弱いんだね」などなど。
ですので、飲み会はあまりおススメしていません。
忘年会、新年会が多い年末年始ですが、これを機に、職場の飲み会をなくしてみたらいかがでしょうか。

参照データ
忘年会を開催したいと考えている社長 約6割。理由は“社員を労いたいから”が72.1%。一方、社員の半数以上が忘年会などの「会社の飲み会」はムダだと回答
https://souken.shikigaku.jp/14797/
調査対象:全国の従業員数5人以上300人未満の企業に勤める20歳~59歳(経営者20歳~69歳)の男女で、自社の飲み会や飲食を伴う会社行事に参加したことがある方
有効回答数:300サンプル(男性242人・女性58人、経営者(社長)100人、会社員200人)
調査期間:2021年11月15日(月)~11月16日(火)
調査方法:インターネット調査

 

問い合わせ先
https://corp.shikigaku.jp/contact

 

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